
【2025年版】「新・深海の罠」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
The Deep Sea Conch
概要
本作は1971年、『Dark Thing』に収録された。
登場人物
- ハリー・ウィンスロー
- ジョブリング伍長
- ジョン・ビール
- チャドウィック
舞台
- 1962年 ウエスト・ハートリプール
あらすじ
深海には、科学が説明できない存在が潜んでいる。ハリー・ウィンスロー大佐に宛てられた一通の手紙は、人間の理解を超えた恐るべき真実を明かしていく。
「催眠術を使う貝」。そんな話を聞いた時、私は愚かにも笑い飛ばした。もしその話が真実だと知っていたら、あんなに気軽に牡蠣料理振るわなかっただろう。私の親友ジョン・ビールもジョブリング伍長と同様、あの不思議な感覚を体験していた者の一人だった。
数年前、大陸の地図作成のために航海していた船が沈没する事故が起きた。乗組員たちはボートで命からがら脱出し、その中にはビールの友人チャドウィックも含まれていた。事故から一ヶ月後、チャドウィックはビールに奇妙な贈り物をした—深海で採取された巻き貝だった。
すでに死んでいると思われたその貝をビールは弱酸性の水溶液に浸した。翌朝見ると、貝殻は一切の損傷もなく、さらに驚いたことに、蓋を開けると中には生きた軟体生物が蠢いていたのだ。
不安を感じたビールは一週間後、チャドウィックに連絡を取った。彼は生肉を与えてその奇妙な生物を飼育していたが、日に日に増す不気味さに耐えられず、返却を申し出たのだ。しかしチャドウィックは断固として受け取りを拒否し、代わりに「中身だけ殺せ」と冷淡に告げた。
何かを悟ったようにビールはその生物を殺すことができなかった。やがてチャドウィックが訪れ、二人で郷土資料館を訪問する。そこで彼らが発見したのは、サイズは異なるものの明らかに同種の貝だった。恐るべきことに、その展示説明には「6000年前に絶滅」と記されていた。
この手紙が暗示するのは、単なる生物学的な驚異ではなく、時間と死の概念すら超越した何かの存在だった。深海から引き上げられたその貝は、忘れ去られた太古の知識へと続く扉を開けたのかもしれない。
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