年譜
※これらの年譜は複数の古代の記録や伝承を基に構成されています。記録者や伝承者によって時代設定や出来事の順序に異なる解釈が存在するため、年代的な矛盾が生じる場合があります。例えば、イスの偉大なる種族の活動時期や、グレート・オールド・ワンたちの消長については、史料によって異なる記述が残されています。
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17世紀
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19世紀
38億年前
最初の生き物が海から陸に上がり始めた。そのとき、新しい来訪者が地球に来た。その名はツァトゥグア。彼はサイクラノーシュという高次元世界から来た。私たちの知る三次元を超えた空間を通ってやって来たのだ。彼は地球での住む場所をすぐに決めた。それは常に暗闇に包まれたンカイの湾だった。
20億年前
次元を超えた存在チャウグナー・フォーンが地球を訪れた。彼は荒涼とした地表に独自の生命を創造した。その生命に実体を与え、彼は何万年もの間その進化を見守った。最初の生命はとても単純な形だったが、世代を重ねるごとに変化していった。複雑になり、多様になり、さまざまな姿へと進化していった。チャウグナー・フォーンはその創造物たちの成長をただ静かに見守り続けた。
10数億年前
地球にはバクテリアと藍藻だけが生きていた。そんな原始の世界に新たな来訪者が降り立った。彼らは「古のもの」と呼ばれる樽のような姿をした存在だった。彼らは南極の海底に壮大な都市を建設した。しかし彼らは最初の来訪者ではなかった。クトゥグァとその炎の精、ツァトゥグア、チャウグナー・フォーンといったグレート・オールド・ワンたちがすでに地球に存在していた。 やがて古のものたちは新しい生き物を作り始めた。ウボ=サスラの影が見える原ショゴスを誕生させたのだ。この不思議な生命体は古のものたちのために働き、また彼らの食べ物となった。原ショゴスはすぐに数を増やしていった。これが古のものたちが作り出した最初の生命だった。
9億年前
古のものたちの領土が深海の闇の中で広がっていった。彼らが作った石の都市は太古の海底をどんどん覆っていった。海の底で発展したこれらの都市は人類が歴史を記録するずっと前から、すでに大きな文明となっていた。
8億年前
深い海底で、古のものたちの一部が地上への進出を試みた。彼らは慎重に大地に適応しようとしたが、それは簡単ではなかった。海の中で役立っていたショゴスたちは陸の上ではうまく働けなかったため、ほとんどの古のものたちは深い海底の都市にとどまることにした。
7億5000年前
宇宙の果てから、飛行するポリプと呼ばれる不可思議な生命体たちが地球やトンド、ヤークシュなどの惑星に飛来した。最初、彼らは陸上に巨大な玄武岩の尖塔を築き上げることで存在を主張した。しかし次第に、彼らは古のものたちの領域である海域へと野望を向けるようになった。そのため両者の間で対立が起こり、最終的に古のものたちが勝利を収めた。
4憶5千年前
古のものたちは生命の探求を続けていた。彼らが創り出した実験生物の一部が束縛から解放され、独自の進化を始めた。古のものたちはその自由な進化の過程を見守ることを選んだ。その結果、魚類をはじめとする脊椎動物という新たな生命の系統が誕生した。
4億年前
イスの偉大なる種族と呼ばれる精神生命体が未知の運命から逃れてきた。彼らは地球に住む円錐形の生物たちの肉体を乗っ取って宿主とした。肉食性の飛行するポリプとイスの種族は戦うことになった。 激しい戦いの末、イスの偉大なる種族は飛行するポリプたちを玄武岩の都市へ追い込み、封じ込めることに成功した。しかし地下深くで力を蓄える飛行するポリプの存在は、偉大なる種族にとって常に脅威だった。 戦いの後、イスの偉大なる種族は後にオーストラリアと呼ばれる大地に、彼らの最大級の都市ナコティスを建設した。これが彼らの文明における最初で最も壮大な建造物となった。
3億7千万年前
支配者チャウグナー・フォーンは新たな配下が必要だと判断した。彼は原始両生類の体の組織を使って、ミリ・ニグリという独自の従者を作り出した。
3億5千万年前
大地が激しく揺れ動いた。有史以前の最も古い大変動が地球を襲い、後に太平洋と呼ばれる海域に新たな陸地が出現した。この陸地はクナア、ポナペ、イエー、ルルイエで、後にムーと呼ばれる地域となった。 この大変動により、古のものたちの海底都市の多くが破壊された。その混乱の最中、ゾス星から強大な存在クトゥルフが到着した。クトゥルフは星の落とし子ユグ、三人の子ガタノソア、イソグサ、ゾス=オムモグ、そして娘クティーラを連れていた。彼らは新しい大地に降り立ち、その地域を支配すると宣言した。 二つの勢力は戦争を始めたが、長い争いの後、和平が結ばれた。新しい領土ムーはクトゥルフの血族のものとなり、古のものたちは他の地域での支配権を保持した。 この時代に、深きものという種族が初めて記録に現れた。彼らはクトゥルフの都市ルルイエの建設を手伝った。彼らの起源は2000万年前の両生類から分かれた地球生まれの種族だった。 クンヤンの地下世界の民もまた、このときクトゥルフに導かれて地球に来たと伝えられている。
3億年前
再び大きな地殻変動が起きた。太平洋の底へとルルイエが沈み、クトゥルフとその星の落とし子たちは深海に閉じ込められた。多くの記録はこの出来事をグレート・オールド・ワンたちと旧き神との戦いの結果だと記している。同じ時期に、クトゥグアとその従者である炎の精も地球から追放された。 ンゴスの穴に住むイグ、シナイ山中のヨグ=ソトース、ボレアの月のイタクァなど、他のグレート・オールド・ワンたちについての確かな記録はこの時代に残っていない。彼らが封印されたのか、別の場所へ行ったのかは分かっていない。こうしてクトゥルフは深い眠りに入った。
2億7500年前
グレート・オールド・ワンたちの時代が終わった後、地球上で爬虫類が急速に進化した。わずか2500万年で、知恵を持つ種族である蛇人間が出現した。 蛇人間たちは現代の地中海がある場所の古い大陸に、ヴァルーシアという帝国を建設した。彼らは錬金術と魔術を研究し、非常に強い力を手に入れた。その文明は後の時代では神話のように思われるほど発展した。 また、蛇人間たちの中から尾を持たない新しい種族が現れた。
2億5千万年前
海底都市で、ショゴスたちが古のものたちに対して反乱を起こした。何億年も古のものたちに仕えてきたショゴスたちは怒りを爆発させ、海底都市で大きな混乱を引き起こした。 激しい戦いの後、古のものたちはショゴスたちを再び支配下に置いた。ショゴスたちは再び従者の立場に戻された。
2億5千年前~ 1億5千年前 (1億6千万年前)
地球上空で、ユゴスの辺境から来たミ=ゴという菌類の種族が地球に侵入した。彼らは地球にしかない鉱物を求めてやって来た。 古のものたちは宇宙空間でミ=ゴを止めようとしたが、すでに大気圏の外に出る力を失っていた。地上での戦いの後、北半球はミ=ゴの支配下に入った。 その後、ミ=ゴの一部はかつてのムーの地域に移動した。そこで彼らは暗黒の神ガタノソアを信仰するようになった。
2億2千5百万年前
オーストラリアの地で、イスの偉大なる種族が円錐状の生物たちの肉体に意識を転移させた。 同じ頃、地球の広い地域で、5千万年間栄える蛇人間の文明が崩壊し始めた。彼らは自分たちが爬虫類の進化の最終形ではないことを知った。新しく現れた恐竜たちの台頭により、蛇人間の帝国は崩れていった。 多くの蛇人間が死ぬ中、生き残った者たちは別の場所へ逃げた。一部は島々へ逃げ、別の一部は地下深くに潜んでヨスという新しい文明を作った。それぞれが生き残る道を探した。
1億5千年前
地球全体で、古のものたちの支配が最大の広がりを見せた。イスの偉大なる種族が支配するオーストラリアとミ=ゴが支配する北方の地域以外は、古のものたちの巨大な石造りの都市で覆われた。 しかし同時に、古のものたちは力を失い始めた。彼らは次第に弱くなり、支配地域も小さくなった。最終的に彼らは南極周辺の地域だけを支配するようになった。
1億千万年前
長い間円錐状生物の体を使ってきたイスの偉大なる種族が意識を別の場所へ移した。彼らは次の時代へ移動し、地球には彼らが作った大きな文明の跡だけが残された。
5千万年前
大きな地殻変動が起き、太古の封印が壊れた。長い間閉じ込められていた飛行するポリプたちが自由になった。彼らはすぐにかつて自分たちを閉じ込めたイスの偉大なる種族に復讐しようとした。危険を感じたイスの民は未来の時代へ逃げ、そこでカブトムシに似た種族の体を新しい宿主として選んだ。 この大きな変化は古のものたちの都市も破壊した。彼らが最初に来た南極の都市群も崩壊した。生き残った古のものたちは新しい都市を建設した。この都市は1931年に人類によって発見された。
2千万年前
後にムーと呼ばれることになる地域で、予想より早く人類が出現し最初の文明を作った。この地はクトゥルフとその血族が以前支配していた場所だった。 この地域は厳しい環境で、クトゥルフやイブ=ツトゥルの使徒たちが活動していた。若い人類の文明はこの厳しい環境の中で消滅した。その後、再び人類が地上に現れるまでには非常に長い時間がかかった。 ティームドラと呼ばれるこの文明の記録はすべて失われた。後の時代の研究者たちはその存在を知ることができなかった。
500万年前
ヨスの地で、蛇人間たちがヴァルーシアの衰退後に新しい社会を作った。彼らはグレート・オールド・ワンのイグが封印されているとされるンゴスの穴を神聖な場所として崇拝した。彼らは高度な文明を発展させ、ギャア=ヨスンやヴーアミ族という新しい生命を作り出し、科学の新しい分野を開拓した。 しかし蛇人間たちは地下深くを探索し、暗黒のンカイへの道を開いた。そこで彼らはツァトゥグアを信仰するようになった。この行為によりイグの怒りを招いた。 ススハーの神官に導かれた一部の真の蛇神の信者たちはハイパーボリアの地に逃げ、新しい文明を作った。残された者たちは呪いを受け、蛇に戻ってしまった。こうしてヨスの文明は終わりを迎えた。伝えられる話では、ツァトゥグアもこの混乱の直後にハイパーボリアに移動した。
300万年前
ハイパーボリアの地で、蛇人間たちと共に移住したヴーアミ族が自由を得た。彼らは地上に出て、人類以前の種族ノフケーと激しく戦った。ノフケーは同族の肉を食べる習慣を持つ野蛮な種族だったが、ヴーアミ族は彼らを倒し、ハイパーボリアに独自の文明を作った。 イグを信仰する蛇人間の支配から解放されたヴーアミ族は、以前の守護神ツァトゥグアへの信仰を再開した。これは彼らにとって自由の象徴となった。
200万年前
古のものたちの文明が衰退し続けた。彼らの壮大な都市は次々と消え、南極と南米の最南端にだけわずかに残った。海の底でも、南緯50度線より北では彼らの存在が見られなくなった。 その後の100万年の間に、彼らの領土は狂気の山脈の陰にある最後の都市だけになった。氷河期が始まると、かつての支配者たちはとても弱い状態になった。
170万年前
極北の地で、新たな存在イタクァが出現した。その影響により、ハイパーボリアでヴーアミ族が作っていた独自の文明が急速に衰退した。
100万年前
北極の地で、アスロックとゾブナの改宗者がアフーム・ザーを目覚めさせた。アフーム・ザーの力はイタクァの力と合わさり、地球全体を極端に寒い状態にした。特に極地では非常に強い寒さが広がった。 最初にハイパーボリアのヴーアミ族の文明が滅びた。その後、人類に近い種族が新しい文明を作ったが、彼らも冷たい大地の中で滅びた。 次にゾブナの民が衰退した。生き残った者たちは南方の後にロマールと呼ばれる地域に逃げ、そこに住むグノフケー族を倒して新しい土地を得た。 南極に最後の都市を持つ古のものたちも強い寒さの危険にさらされた。かつては宇宙の寒さにも耐えた彼らだが、今では生き延びるために暖房という技術が必要なほど弱くなっていた。
75万年前
世界中で、極端な寒さが広がり始めた。南極大陸では古のものたちが最後の都市の奥深くに隠れた。かつて宇宙旅行もできた彼らは、今では水の底の暗い場所で生きる方法を探すしかなかった。 北方では、ゾブナの民が二つの脅威に追い詰められた。獰猛なイヌート族が彼らを攻撃し、同時に氷河が大地を覆っていった。やがてゾブナとロマールの文明は消滅した。 ハイパーボリアの人々は各地に散らばった。生き残った者たちはアフリカ、小アジア、アトランティス、ダニッチ、スコットランド、ムーと呼ばれる地域に移動し、新しい歴史を始めた。イタクァを信仰し続けるヴーアミ族の一部は凍った土地に残り、他の者たちは東西の地域に移動した。後の時代に伝わるサスカッチやイェティの姿に彼らの名残が見られる。 蛇人間たちは新しく現れたハムリア大陸に渡り、竜王一族として新しい力を得た。ツァトゥグアは古い拠点ンカイに戻り、アトラック=ナチャはアンデスの深い谷へ、アブホースはダニッチの霧の多い地域に移動したと伝えられている。しかし、この大きな移動の真実を語る者はもういない。
50万年前
レムリアの地で、真の人類と呼ばれる新しい種族が出現した。かつてティームドラを支配した人間たちは既に消え、ハイパーボリアのエルフの子孫たちも散り、ロマールとゾブナの種族も冷たい大地で死に絶えていた。 真の人類はネメディスという最初の王国を作った。彼らは25万年もの間レムリアを支配してきた竜王一族に挑戦した。千年かかる激しい戦いの後、人類は勝利した。敗れた竜王一族の多くは南方の後にムートゥーラン大陸と呼ばれる地域に逃げ、そこに新しいヴァルーシア王国を作った。 しかし蛇人間のわずかな一族はネオル=シェンディス海の島々に隠れた。彼らは星々の動きを見ながら、再び力を取り戻す時を静かに待っている。
49万3000年前
レムリアの地で、竜王一族が再び力を取り戻そうとしていた。そんな中、ゾンガーという蛮人が古くから伝わる禁断の魔術を習得し、蛇人間たちに反抗した。 激しい戦いの後、竜王一族は完全に敗北した。かつての支配者だった彼らはレムリアの大地から永久に姿を消した。 戦いの後、ゾンガーは黄金に輝く新しい帝国を建設した。太陽の力を持った彼の下で、レムリアは再び一つになった。
40万年前?
レムリアの地で、栄えていた文明に衰退の兆しが現れた。大地が揺れ、多くの火山が噴火し、豊かな陸地の多くが海に沈んだ。かつての広大な大陸は、後のハイボリア時代に語られる小さな島々になった。 滅びつつある祖国から、多くのレムリア人がヴァルトートに導かれて新しい土地を求めて旅立った。彼らは西方のアトランティスに最初の帝国を建設した。しかしこの帝国も時間とともに衰え、やがて新しい支配者たちによって第二の帝国が作られた。
20万年前
ムーの地で、新しい人々が暮らし始めた。この地域はかつてクトゥルフとその落とし子たちが住み、歴史から消えたティームドラがあった場所だった。 最初に来た人々は古い文明が残した不思議な建物を発見した。彼らはその石造りの上に少しずつ自分たちの都市を建設した。 ムーは最も豊かな時代を迎えた。人々は徐々に暗黒の神々を信仰するようになり、ガタノソア、ユトグタ、そしてクトゥルフの血を受け継ぐゾス=オムモグへの祈りが日常的に行われるようになった。
紀元前173148年頃
ムー大陸で、赤い月が空を染める年に、シュブ=ニグラスの神官トヨグがヤディス=ゴー山へ向かった。 同じ頃、ムー大陸では神ガタノソアが力を増していた。彼は兄弟たちや他の暗黒の神々より強くなり、その支配が日々広がっていった。 トヨグはガタノソアに抵抗しようとしたが、失敗した。シュブ=ニグラスの大神官も時代の変化に対応できずに力を失った。
紀元前161844年頃
ムー大陸で、ザントゥーがイソグサ教団の大神官になった。 この頃のムーでは、1万年もの間、人々がガタノソアへの信仰を深めていた。他の神々の信仰は次々と衰え、ユトグタの最後の大神官となったザントゥーは、海の底で神をつなぐ鎖を切って失われた信仰を取り戻そうとした。 最初の鎖が切られたとき、世界が大きく揺れた。大地が割れ、天から強い力を持つ旧き神が降り、かつての大陸は海に沈んだ。 今も残るイースター島の巨大な頭像や、ボナベ、ナシマトールの巨石群は、かつてのムーの名残と考えられている。神々への信仰は形を変えて続き、特にガタノソアへの信仰はアトランティス、クンヤン、レンの地域に広がった。
紀元2万4000年ごろ
アトランティス大陸で、第二の帝国が最も栄えた時代を迎えた。アトラスの指導により、黄金の門の都市を中心とした偉大な王国が建設された。 しかし同時に、人々は次第に不吉な神々を信仰するようになり、黒魔術の力が日々強くなっていった。そのため黄金の門の都市は崩壊し、アトランティスの大部分が海に沈んだ。 これはこの大陸が経験することになる多くの災害の最初の一つだった。
紀元前2万年ごろ
トゥリアン大陸で、かつての大国の名を引き継いだ新しい国々が形成された。コモリア、グロンダル、カメリア、チューレ、ヴァルーシア、ヴェルリアという国々が誕生した。 ヘビ人間たちにとって、かつての安住の地だったヴァルーシアはもはや昔の面影がなかった。彼らは再び南へ追われ、大陸の端に移動した。一度は策略によって王座を奪い返そうとしたが、カル王によってその計画は阻止された。 この時代、アトランティスとレムリアの誇り高い王国の子孫たちは既に人間の姿になっていた。そして新しい勢力として、ピクト人たちが大地に足跡を残し始めた。
紀元前1万8000年ごろ
大地が大きく揺れ動き、古代の世界の形が変わった。レムリアは海に沈み、西アトランティスもバル=サゴスとポセイドニスの島々だけが残った。 トゥリアン大陸は分断され、王国同士で激しい戦いが起こる中、野蛮な人々が大地を移動し始めた。北へ逃げたアトランティスの民は荒々しくなり、後にキンメリア人として知られるようになった。レムリアの生き残りたちは東の海岸に逃げるか、古い種族の下で生きることになった。これがハイボリア時代の始まりとなった。 その500年後、新たな地殻変動が起き、トゥリアン大陸は二つに割れた。太平洋では、ガタノソアが封じられた山を含む、かつてのムーの残りが水面に現れた。人々が新しい土地に住み始めた頃、ガタノソアは行方不明だった配下のロイガーを呼び寄せ、人々を支配した。それから、ロイガーと人間の文明はムーの断片の上で数千年もの間続いた。
紀元前1万8000年ごろ
月の世界から新たな来訪者ボクルグとスーム=ハーが到着した。 スーム=ハーは二つの都市を建設した。一つは中東の地にイブという都市を、もう一つはキンメリアの地にル=イブという都市を作った。しかしル=イブは蛮人たちの攻撃にさらされ、隠れるしかなくなった。 イブも人のいない土地に安全な場所を求めた。しかし、その平和は長くは続かなかった。
紀元前1万5500年
東のトゥリアン大陸で、レムリアの民が古くからの支配者に反抗して自由を得た。自由になった人々は西へ移動し、古い遺跡に集まっていたヘビ人間たちを突然攻撃した。 戦いの後、レムリアの民が勝利し、二つの新しい国を建設した。北にアケロン、南にスティギアという国が誕生した。しかし両国の人々は次第にヘビ人間の暗い習慣に影響され、ニャルラトホテプ、セベク、セト、シャダム=エルといった不吉な神々を信仰するようになった。 わずかに生き残ったヘビ人間たちは再び南へ追われ、大陸の一番端の地域に逃げた。
紀元前1万5000年ごろ
キンメリアの地で、クロム=ヤという族長が現れた。彼の指導のもと、キンメリア人たちは新しい歴史を始め、やがて強力な国家を形成した。後の世代の人々はこの族長をクロム神として崇拝するようになった。
紀元前1万3000年
北方の地域から、ハイボリア人という新しい民族が南下してきた。彼らの侵攻によってアケロンの国は滅亡した。アケロンの跡地には次々と新しい国々が誕生し、アキロニア、アルゴス、ブリトゥニア、コリンティア、コス、ネメディア、オフィル、ジンガラといった国が建設された。 スティギアはまだ存在していたが、これがレムリアの文化を伝えるヘビ人間たちの最後の国となった。
紀元前1万年
ハイボリア時代の終わりに、キンメリアの蛮人コナンが歴史上の重要人物となった。彼はたくさんの偉業を達成し、アキロニアの王となり、スティギアの魔術師トート・アモンを倒した。また南方の原始的な地域で群れを作っていた最後の蛇人間たちを全て倒した。
紀元前9600年ごろ
ハイボリア大陸で、各地域で変化が起き始めた。アキロニアとハイパーボリアの戦争をきっかけに、多くの地域で争いが起こった。 この混乱の中、ピクト人とヒルカニアの民が徐々に力を強めた。彼らは周辺の小さな国々を次々と征服した。南方ではヴァニール族がスティギアで反乱を起こし、この古い国は崩壊した。 エーシル族は南へ移動し、ネメディアの地に新しい生活を始めた。キンメリアの民はヒルカニアとの戦いの後、東の地域へ移動して姿を消した。 この時代を代表する二人の人物が歴史に残った。エーシルの戦士ゴルは同じ種族との争いで有名になり、ピクトの指導者ゴルムは民族の力を統一した人物として後の世代に語り継がれた。