『霧』はスティーヴン・キングによる中編小説で、1980年に発表された。元々は『Dark Forces』と『Skeleton Crew』という作品集に収録されており、日本では『闇の展覧会』や『骸骨乗組員』として出版された。
- デヴィッド・ドレイトン…物語の語り手
- ビリー・ドレイトン…デヴィッドの息子
- ステファニー・ドレイトン…デヴィットの妻
- ミセス・カーモディ…宗教に狂った人
- アマンダ・ダンフリーズ…スーパーで居合わせた女性
- ブレント・ノートン…デヴィットの隣に住む黒人
- オリー・ウィークス…スーパーの店員
【舞台】
- アメリカ
霧が町を飲み込む日、メイン州西部は未曾有の雷雨に見舞われた。デヴィッド・ドレイトン一家もその被害を免れず、息子ビリーと隣人ノートンとともに、生活必需品を求めてスーパーマーケットへ向かう。
町は混乱の渦中にあった。アローヘッド計画と呼ばれる極秘の噂が飛び交い、軍の慌ただしい動きが人々の不安を煽る。そして、不吉な霧が忍び寄る。
狂信的な老婆ミセス・カーモディだけが、霧の危険を訴えた。しかし、誰も彼女を信じない。やがて霧の中から逃げてきた男が、恐ろしい光景を告げる。「何かが霧の中にいる」と。
霧がスーパーを包み込む中、店内は混乱に陥る。外へ出ようとする者、留まろうとする者。そして、霧の中から響く悲鳴。デヴィッドたちは、未知の恐怖と対峙することになる。
発電機の故障をきっかけに、デヴィッドたちは霧の正体を目の当たりにする。巨大な触手が若者を襲い、霧の中へ連れ去る。生存か、それとも仲間を見捨てるか。デヴィッドは残酷な選択を迫られる。
真実を告げるデヴィッド。否定するノートン。黙示録の到来を説くミセス・カーモディ。店内は様々な思惑が交錯する。やがて、外の世界へ出ようとする集団が現れる。
彼らの運命は悲惨なものだった。残された人々は、未知の恐怖と向き合う覚悟を決める。
そして夜が訪れる。霧に包まれた世界で、人々はさらなる恐怖と絶望を味わうことになる。彼らの生存を賭けた戦いは、まだ始まったばかりだった―。