
【2025年版】「無人の家で発見された手記」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
Notebook Found in a Deserted House
概要
本作は1951年、『Weird Tales』の3月号に掲載された。
12歳の少年が主人公という、クトゥルフ神話作品の中では珍しい設定である。
またブライアン・ラムレイが幼少期に本作を読み、クトゥルフ神話に傾倒するようになった。
登場人物
- ウィリー・オズボーン:12歳
- おばあちゃん
- ルーシーおばさん
- フレッドおじさん
- オズボーン:おばさんの弟
- キャップ・プリチェット:郵便局の配達員
- ショゴス
- 黒い不定形の怪物
舞台
- ルーズフォード
あらすじ
薄暗い小屋の隅で、ウィリー・オズボーンは身を縮めていた。12歳の彼は、何かに見つからないように息を殺していた。外から聞こえる音——それは古い井戸を掘る音だった。彼は震える手で見つけた紙に言葉を綴り始めた。
ウィリーの祖母は生前、ルーズフォードの山について語るのが好きだった。沼地に佇む古い祭壇のこと。そこで行われていた生贄の儀式のこと。そして「あいつら」と呼ばれる、その土地に住まう存在について。インディアンさえも恐れた存在が、今も生きているという。特定の時期になると、丘から声が聞こえるのだと。
唯一の身寄りだった祖母を失い、ウィリーはルーシーおばさんとフレッドおじさんの家に引き取られた。丘の上に建つその家の周りには誰も住んでおらず、森に入るのは少年にとって恐怖だった。
ある10月の夜、おじさんが不在の間、ウィリーは好奇心に負けて森に足を踏み入れた。そこで彼の耳に届いたのは、血が滴り落ちるような音と、言葉とは思えない呪文のような唸り声だった。とっさに身を隠した少年は、大勢の者が移動していく気配を感じたが、闇の中でその姿を確認することはできなかった。
翌朝、その場所に戻ると、緑色のねばねばした物質と、羊の蹄のような大きな足跡が残されていた。その夜、ウィリーは黒い不定形の塊の夢に悩まされた。祖母の持っていた古書に書かれていたドルイド信仰のことを思い出す。「きっとこれも同じことなんだろう」と彼は考えた。
ハロウィンが近づき、いとこのオズボーンが訪ねてくるという連絡が入った。彼を迎えに行くためにフレッドおじさんは出かけたが、夜になっても帰らなかった。代わりに戻ってきたのは、泡を吹いて震える馬が引く空の馬車だけだった。
数日経っても戻らないおじさん。ウィリーはドルイドの末裔が生贄として彼を捕らえたのではないかと考え始めた。ある夜、彼はルーシーおばさんが多くの男たちに連れ去られる悪夢を見た。そして翌朝、おばさんの姿は消えていた。
不安に駆られて家の周囲を調べると、以前は澄んでいた井戸の水まで緑色のねばねばした液体に変わっていた。恐怖で凍りついた心を抱えながら、ウィリーはフレッドおじさんの書斎を探り、オズボーンさんの住所を見つけ出した。キングスポートまで逃げる決心をした彼は、準備を整えて家を後にした。
その時、不意に前方から一人の人間が近づいてきていた―
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