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暗黒の接吻

暗黒の接吻

The Black Kiss

ヘンリー・カットナー ロバート・ブロック 真3
概要
登場人物
あらすじ

本作は1937年、WTの6月号に掲載された。
ロバート・ブロックとヘンリー・カットナーは、当時としては珍しい手法で神話作品の執筆に挑戦した。彼らの合作による作品は、ほのかにエロティックな雰囲気を醸し出しており、従来の神話作品とは異なった。
更に、本作には日本人キャラクターが登場しており、ク・リトル・リトル神話の歴史において、初めて日本人が描かれた記念碑的な一作となっている。

  • グラハム・ディーン…芸術家
  • ヘドウィッグ医師
  • モレラ・ゴドルフォ…ディーンのひいひいひいおばさん
  • マイケル・リー…ディーンの叔父

グラハムは医師に相談した。彼を悩ませているのは悪夢だった。隈の目立つ顔を見て、医師は始め、仕事のし過ぎを疑ったが、真相は別にあった。

数か月前、グラハムはサンペドロの家を譲り受けた。そこから悪夢が始まったのだ。夢の中では、海底に緑の光が灯り、不気味な影が泳ぎ寄ってくる。

医師は悪夢の原因が、かつてその家を建てたディーン家の祖先、モレラにまつわる噂だと語った。ディーン家の一人がスペイン旅行から連れ帰ったモレラ。彼女は悪魔の力で年を取らないという。

モレラの一族は、魔術師や妖術使いとの繋がりが噂された名家だ。彼女は人間ではなく、闇の力で姿を変え、花嫁として連れ去られたのだと…。

モレラの夫は10年後に死に、満月の夜、彼女は奇妙な水生生物と共に沖へ泳ぎ去ったのち、二度と戻ることはなかった。

その後、サンペドロの家に越してきた住人たちは皆、海の不気味さに耐えられず早々と去っていった。そして次にやって来たのが、グラハムだったのだ。

モレラの呪いは今も海底に眠っているのか。グラハムの悪夢は、恐ろしい真実の片鱗なのか。

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