
【2025年版】「探綺書房」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
The Guardian of the Book
概要
本作は1937年、『Weird Tales』の3月号に収録された。
ヘンリー・ハッセ(1913年 – 1977年)は、20世紀半ばにアメリカで活躍したサイエンス・フィクション作家である。レイ・ブラッドベリとの共作「振子」(1941年)で知られているが、ハッセ自身の経歴については不明な点が多い。
1930年代から1950年代にかけて、SFパルプ誌に数多くの小説を発表した。代表作の一つに、1936年『アメージング・ストーリーズ』の8月号に発表された”He Who Shrank”がある。
ハッセはH・P・ラヴクラフトとは直接の交流がなかったようだが、彼の小説「探綺書房」(1937年)には、ラヴクラフト神話に登場する架空の書物が使用されている。ハッセがSFファンダムで活動していたことから、ラヴクラフトまたはその周辺の作家と何らかの接点があった可能性が指摘されている。
「探綺書房」が発表された1937年3月は、ラヴクラフトが亡くなった月でもあった。
登場人物
- ウィチャリィ医師
- 書店の店員:毛のない小人
あらすじ
ある日、ウィチャリィ医師は珍しい古本屋を見つけ、興味を惹かれて中に入った。しかし店内には誰もいないと思われたそのとき、突如として声を掛けられた。振り向くと、そこには4フィートほどの毛のない不気味な人間が立っていた。
医師は目的の本の名前も、自身の名前すら告げていなかったにもかかわらず、その店員は医師の名を呼び、目的の本がここにはないと告げる。医師が探し求めていたのは、1800年に出版された「無名祭祀書」の原板だったのだ。
店員は「無名祭祀書」がないと言うと、代わりに『書』という本を持ってきた。それは店員の本でもなければ、誰のものでもない、まるで別の次元から現れたかのような不思議な代物だった。
店員はこの『書』を医師に手渡し、代金は必要ないと告げた。ただ「読む」ことだけを念押しし、店員は医師に『書』を託した。果たしてその『書』の正体とは? 医師の運命は、この出会いによってどのように変えられてしまうのか──。
邦訳版の比較ガイド おすすめの一冊はどれ?
現在入手可能な主要な邦訳版として、以下の収録版がある:
- 「真ク・リトル・リトル神話体系2」:ラヴクラフトと彼の文学サークル「クトゥルフ神話」の世界観を、多様な作家の視点から味わいたい人向け。

初読者には「真ク・リトル・リトル神話体系2」がおすすめっ。現在、邦訳版はこの書籍にのみ収録されています。
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