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探綺書房

探綺書房

The Guardian of the Book

H・ハッセ 真2
概要
登場人物
あらすじ

本作は1937年、WTの三月号に収録された。
ヘンリー・ハッセ(1913年 – 1977年)は、20世紀半ばにアメリカで活躍したサイエンス・フィクション作家である。レイ・ブラッドベリとの共作「振子」(1941年)で知られているが、ハッセ自身の経歴については不明な点が多い。

1930年代から1950年代にかけて、SFパルプ誌に数多くの小説を発表した。代表作の一つに、1936年『アメージング・ストーリーズ』の8月号に発表された”He Who Shrank”がある。

ハッセはH・P・ラヴクラフトとは直接の交流がなかったようだが、彼の小説「探綺書房」(1937年)には、ラヴクラフト神話に登場する架空の書物が使用されている。ハッセがSFファンダムで活動していたことから、ラヴクラフトまたはその周辺の作家と何らかの接点があった可能性が指摘されている。

「探綺書房」が発表された1937年3月は、ラヴクラフトが亡くなった月でもあった。

  • ウィチャリィ医師
  • 書店の店員…毛のない小人

ある日、ウィチャリィ医師は珍しい古本屋を見つけ、興味を惹かれて中に入った。しかし店内には誰もいないと思われたそのとき、突如として声を掛けられた。振り向くと、そこには4フィートほどの毛のない不気味な人間が立っていた。
医師は目的の本の名前も、自身の名前すら告げていなかったにもかかわらず、その店員は医師の名を呼び、目的の本がここにはないと告げる。医師が探し求めていたのは、1800年に出版された「無名祭祀書」の原板だったのだ。
店員は「無名祭祀書」がないと言うと、代わりに『書』という本を持ってきた。それは店員の本でもなければ、誰のものでもない、まるで別の次元から現れたかのような不思議な代物だった。
店員はこの『書』を医師に手渡し、代金は必要ないと告げた。ただ「読む」ことだけを念押しし、店員は医師に『書』を託した。果たしてその『書』の正体とは? 医師の運命は、この出会いによってどのように変えられてしまうのか──。

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