
【2025年版】「妖蛆の秘密」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
The Shambler from the Stars
概要
本作は1935年、『Weird Tales』の9月号に収録された。
ロバート・ブロックは40年代から怪奇小説家として成功を収めたが、30年代の作品はしばしばラヴクラフトの影響を受けていた。しかし、「サイコ」などで知られるブロック独自のスタイルが際立ち、新鮮な印象を与えた。彼は十歳の頃に「ウィアード・テールズ」を手にし、十六歳でデビュー作「修道院の饗宴」を発表。師であるラヴクラフトへの感謝の意味を込めて「妖蛆の秘密」を執筆したが、作品内で師を惨殺するというオチをつけた。しかしこれにはラヴクラフトも「闇の跳梁者」でブロックを殺し返している。
登場人物
- 私
- 友人
- 星の吸血鬼
舞台
- プロヴィデンス
あらすじ
16世紀のブリュッセル。錬金術師ルドウィク・プリンの周りには、目に見えない使い魔たちが集っていたという。「星の送りし下僕」と呼ばれるそれらの存在は、やがてプリンを破滅へと導く。異端審問所に捕らえられた彼は、拷問にも屈せず沈黙を貫き、獄中で秘密の書物を著した。処刑される直前、何者かがその禁断の知識を持ち出し、『妖蛆の秘密』として世に出したのだった。
時は流れ、現代。リアルなホラーを追求する怪奇作家の主人公は、禁断の知識に魅了されていく。年長の友人「プロヴィデンスの夢想家」の警告も聞かず、主人公は探求の末に『妖蛆の秘密』を古書店で見つける。
鉄の表紙に覆われた黒い書物。わずか1ドルで手に入れた初版本は、しかしラテン語で記されていた。解読を求めて友人のもとを訪れた主人公。最初は躊躇していた友人も、翻訳を始めるとその内容に引き込まれていく。
「星から召喚した不可視の下僕」。プリンの伝説が、次第に明らかになっていく。
そして、友人の口から呪文が紡ぎ出される瞬間―。
禁断の知識が解き放つ恐怖。好奇心が招く予期せぬ結末。目に見えぬ恐怖の正体とは。
邦訳版の比較ガイド おすすめの一冊はどれ?
現在入手可能な主要な邦訳版として、以下の収録版がある:
- 「クトゥルー7」:大瀧啓裕の「クトゥルー神話画廊Ⅰ」が合わせて読める。
- 「真ク・リトル・リトル神話体系2」:ラヴクラフトと彼の文学サークル「クトゥルフ神話」の世界観を、多様な作家の視点から味わいたい人向け。

初読者には「クトゥルー7」がおすすめっ。真ク・リトル・リトルもいいですが、一緒に収録されている大瀧さんの資料を読めるのはここしかないです。
購入ガイド&リンク集
「クトゥルー7」:紙版/電子版
- amazon(Kindle版:無):「https://amzn.to/41V9GSl」
- ebookjapan:「クトゥルー (7) – H・P・ラヴクラフト他 大瀧啓裕 編 – 無料漫画・試し読み!電子書籍通販 ebookjapan」
「真ク・リトル・リトル神話体系2」:紙版/電子版
- amazon(Kindle版:有):「https://amzn.to/3IbUKIQ」
- ebookjapan:「新編 真ク・リトル・リトル神話大系2 – 著:H・P・ラヴクラフト – 無料漫画・試し読み!電子書籍通販 ebookjapan」