概要
登場人物
あらすじ
本作は1936年、WTの六月号に収録された。
食屍鬼をテーマにした作品であり、同時に彼の神話作品の要素も取り込んでいる。また、この作品ではのちにラヴクラフトの特徴的な文体として知られるようになる、「ブロック調」が見られる。
- 語り手…精神科医
- アレクサンダーショパン教授
【舞台】
- ミセリコード
8月のある日、精神科医である「私」のもとに一人の男性が訪れた。彼の名はショパン教授。第一印象は良かったが、唇の薄さ、指の長さ、服のだぼだぼさが目立ち、また皮膚は病気を患っているようであった。
教授は奇妙な悪夢に悩まされていると語る。夢の中で彼はいつも、夕暮れのミゼリコード共同墓地を訪れていた。納骨堂の壁龕に隠されたレバーを引くと、地下洞窟へと通じる道が現れるのだという。地下を進んでいくと、そこには白い餓鬼が死人を喰らう恐ろしい光景が広がっていた。餓鬼たちは獲物を求めて地下道を掘り進んでいたのだ。そしていつも教授は、崖から落ちて夢から覚めるのだった。
私は教授の話に興味を抱き、ある夜、彼とともに墓地へと向かう。真相を確かめるべく、二人は闇に包まれた納骨堂へと足を踏み入れるのであった。果たして、教授の見た悪夢の真相とは一体何なのか。隠された地下道の先に、彼らが見出す真実とは──。