
【2025年版】「侵入者」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
The Invaders
概要
本作は1939年、『ストレイジ・ストーリー』の2月号に掲載された。原題は『The Invader』で、別題は『触手』。
本作は、20世紀のカリフォルニア州と古代ムー大陸という2つの時代を舞台に展開する物語で、作者カットナーが創造した神格「ヴォルヴァドス」と、異次元からの侵入者との対峙を描いている。
ヴォルヴァドスは『The Eater of Souls』で初登場した存在だが、この作品は日本語未訳となっている。本作は、ラヴクラフトの『永劫より』の世界観を踏襲しており、1940年に発表された『墳丘の怪』とも世界観を共有している可能性がある。
作中に登場する「ナコト五芒星形」は、後の作品でナコト写本やイースの大いなる種族との関連性が明らかになる。
また、人類の進化を逆行して粘液状に変化していく描写は、C・A・スミスの『ウボ・サスラ』からの影響が指摘されている。
登場人物
- マイケル・ヘイワード:小説家
- ジーン:ジャーナリスト
- ビル・メイスン
- 隠れたる世界の住人
- ヴァルヴァドス
舞台
- カリフォルニア州、サンタ・バーバラ
あらすじ
怪奇小説家として名を馳せるマイケル。彼の作品は、読者を不安に陥れる独特の雰囲気で知られていた。その描写は創作の域を超え、まるで実体験のような迫真性を持っていたのだ。
そんなある日、親友のビルとジーンのもとに届いた一通の電報。そこには、マイケルからの不穏な文章が書かれていた。サンタ・バーバラ北方にある彼の家を訪れた二人を待っていたのは、やつれきった親友の姿だった。
「途中、何か異常に気付かなかったか?」
マイケルの問いかけに、ビルは不吉なカラスを、ジーンはそれ以外の鳥の存在を告げる。その瞬間、マイケルの顔が青ざめた。
二人が作家特有の被害妄想だと疑い始めた矢先、窓の外に異様な光景が広がる。人の腕ほどの太さを持つ象牙色の蔓。その半透明な表面は生命の息吹きを感じさせ、先端の球根からは無数の繊毛が生えていた。
ジーンが恐る恐る触れたその瞬間、蔓は意思を持ったかのように蠢き、闇へと消え去る。直後、突風が吹き、轟音と共に玄関が開いた。
マイケルの小説は、創作ではなかった―。
何者かが、マイケルを追っている。
邦訳版の比較ガイド おすすめの一冊はどれ?
現在入手可能な主要な邦訳版として、以下の収録版がある:
- 「クトゥルー8」:大瀧啓裕の「クトゥルー神話画廊Ⅱ」が合わせて読める。
- 「真ク・リトル・リトル神話体系3」:ラヴクラフトと彼の文学サークル「クトゥルフ神話」の世界観を、多様な作家の視点から味わいたい人向け。

初読者には「クトゥルー8」がおすすめっ。真ク・リトル・リトルもいいですが、一緒に収録されている大瀧さんの資料を読めるのはここしかないです。
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