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ヴェールを剥ぎ取るもの

ヴェールを剥ぎ取るもの

The Render of the Veils

ラムジー・キャンベル グラ1
概要
登場人物
あらすじ

本作は1954年、アーカムハウスより単行本に収録された。

本作を執筆する際に、『橋の恐怖』や『昆虫族、シャッガイより来たる』と同じく、ラヴクラフトの備忘録が着想源になっていて、その204番目にある、「すべての生はかりそめの夢に過ぎず、陰鬱にして邪悪な恐怖が背後に潜んでいるという不穏な確信」から構想を膨らませた。彼は同時期に「湖の住人」にも取り組んでいたが、執筆途中で本作に切り替え、学業や受験勉強との両立を試みながら取り組んだ。

本作の主人公ヘンリー・フィッシャーは、別の作品『ユゴスの坑』でエドワード・テイラーが組織したカルトの一員として登場しており、相互に関連づけられてる。また、キャンベルの長編小説「森のいちばん暗いところ」にもダオロスの名前が登場し、ブリチェスター近郊の森を舞台にした神話作品として展開されている。さらに、2016年から2018年にかけて発表された『The Three Births of Daoloth』という三部作では、リヴァプールが舞台で、主人公の人生とダオロスを崇拝する教団との関わりが描かれている。

  • ケヴィン・ギルスン
  • ヘンリー・フィッシャー…オカルティスト
  • ダオロス

【舞台】

  • ブリチェスター

都市の喧騒から離れた静かな大学。その裏で密かに活動していた黒魔術サークルが、ある日突如として解体される。メンバーたちは追放され、組織は跡形もなく消え去った―かに見えた。

しかし、一人の男がこの騒動から巧妙に逃れる。ヘンリー・フィッシャー。彼は組織の核心的な秘密資料を密かに持ち出すことに成功。そして、その力を解放するための共犯者を探し始める。

運命の夜、雨に煙る街。タクシーに相乗りした見知らぬ男、ケヴィン・ギルソン。フィッシャーは彼に目的遂行の可能性を直感し、自宅へと誘う。

フィッシャーのアパートで、録音機が回り始める。そこで語られるのは、人知を超えた存在「ダオロス」についての驚くべき真実。現実世界を覆う薄いヴェールの向こうにある、真の世界の姿。

ギルソンの目に宿る好奇心。フィッシャーの誘いに乗った彼は、禁断の儀式への参加を決意する。

二人の手で始まる不穏な召喚儀式。果たして彼らは、世界の真実を目にすることができるのか。それとも、取り返しのつかない結末が待ち受けているのか…。

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