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メデューサの呪い

メデューサの呪い

Medusa's Coil

真3 ゼリア・ビショップ
概要
登場人物
あらすじ

本作は1939年、WTの1月号に掲載された。
ゼリア・ビショップの著作『The Curse of Yig』は、ラヴクラフトが代筆した「イグの呪い」「墳丘」「メデューサの呪い」の3作品を収録し、1953年にアーカムハウスより出版された。

  • 語り手
  • アントワーヌ・ド・ラッシー…家主
  • デニス…息子
  • フランク・マーシュ…デニスの友人、画家
  • タニト・イシス…女祭司。マルセリーヌ・ベダールとマルキ・ド・シャモーの隠し子
  • マッケイブ・ソフォニスバ…イシスに忠実な使い
  • サイピオじいや、サラ、デリラ、メアリー…家の使い

【舞台】

  • ケープ・ジラードー

ケープ・ジラードーを目指していたはずが、雨雲が迫るミズーリの田舎道で、私は道に迷っていた。獣道のような細い道の先に、一軒の古びた屋敷を見つける。人の気配のない玄関をノックした時、二階の踊り場から誰かが降りてくる音が聞こえた。

無断で侵入したことを謝ると、意外にも家主は温かく迎え入れてくれた。しかし、その丁寧すぎる物腰の裏側に、何か暗い影を感じずにはいられなかった。

夜が更けるにつれ、家主は身の上話を始めた。身寄りが亡くなり唯一の家族である息子は、パリへ留学したと。しかし、この話はやがて不穏な色を帯び始めた。

息子は悪魔崇拝のサークルに所属し、特に親友マーシュとの関係を深めていく。そして彼らの儀式を取り仕切っていた謎めいた女性、タニト・イシスの存在が明らかになる。

正体不明の彼女にデニスは心を奪われ、後に結婚。だが、新しい女主人の到着と共に、屋敷から使用人たちが次々と姿を消していった。

転機は1916年6月。神経を病んだマーシュをデニスが屋敷に招き、3人での共同生活が始まった。表向きは精神治療の訪問だったが、その真の目的はイシスにあった。
この時、誰も予想だにしなかった。三人の歪んだ関係が、取り返しのつかない破滅への序章となることを。

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