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セベクの秘密

セベクの秘密

The Secret of Sebek

ロバート・ブロック クト9 真3
概要
登場人物
あらすじ

本作は1937年、WTの11月号に収録された。

ロバート・ブロックは、パルプマガジンの黄金時代において、ラヴクラフトが貧困で無名な作家であったことを回想した。ラヴクラフトの作品は一般的な冒険物語とは異なり、特に「クトゥルフの呼び声」は一部の読者を引き寄せたものの一般的な受けは得られなかった。しかし、数年後にはラヴクラフトのファンが増え、彼の作品は注目され、幻想の波を起こした。これらのファンが彼を励まし、彼が執筆を続けるきっかけとなる。

ラヴクラフトは以前に同系統のテーマを扱ったいくつかの作品を書き、それを基にクトゥルフ神話を発展させた。中でもクトゥルフ、ヨグ・ソトース、アザトースなどの旧支配者との邂逅が描かれ、これが今日の神話として知られている。ラヴクラフトのファンの中には作家もいて、彼からアドバイスや批評を受け、その成長に寄与した。結果ラヴクラフト・サークルのメンバーは彼のスタイルとテーマに影響を受け、共通の恐ろしい書物を作り上げ、神話を増殖させ、形成していくことになった。

  • 語り手…小説家
  • ヘンライカス・ヴァニング
  • デルヴィン博士
  • エティエンヌ・ド・マリニー…祭司
  • ウィールダン教授…ターバンを巻いた小人
  • リチャード・ロイス…若い学者
  • セベク

古代エジプト、暗黒のファラオ・ネフレン=カの没落と共に、忌まわしいナイアーラトテップ信仰は闇に葬られた。その一方で、鰐神セベクへの信仰が力を増していく。メンフィスの神殿では、毎年セベクが高位の神官たちの前に降臨すると信じられ、ミイラを守護する力を得ようと、生贄が捧げられた。

時は流れ、現代。セベクの神官のミイラが四体発見されるも、発見者たちは不可解な死を遂げる。オカルト結社「柩クラブ」がミイラの一体を入手するが、運搬中の死亡事故により、会員の間で意見が分かれていた。

193X年、マルディグラの喧騒に沸くニューオーリンズ。私は、古代エジプトの神官に扮した男ヘンライカス・ヴァニングと出会う。エジプトへの共通の興味から意気投合した二人は、ヴァニングの邸宅で開かれた仮装舞踏会に参加する。

舞踏会の最中、私はクロコダイルの頭をした神官の姿を目にする。だが、一瞬の隙にその姿は消え、酔いの幻覚かと思い込む。

その夜、ヴァニングは「柩クラブ」の会員であることを明かし、仲間の元へと案内した。そして会員が囲む中にあったのは一体のミイラだった―。

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