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コールド・プリント

コールド・プリント

Cold Print

ラムジー・キャンベル グラ2
概要
登場人物
あらすじ

キャンベルが執筆した『継承者』という短編から派生した「印刷されることにより確証されるもの」というニュアンスを込めたタイトルの本作。

原稿の出来に不満を抱いたキャンベルはそれを送らず、1967年に書き直して完成させた。その年にはクトゥルー神話アンソロジーの構想が進んでいたため、ダーレスに参加の打診をするが、未発表の作品が好ましいという条件で本作が選ばれ、1969年、Tales of the Cthulhu Mythosに収録されることになった。

初期のキャンベルはラヴクラフトの作品をの始終、模倣していたが、S.T. ヨシによれば、作品『島にある石』を最後にその特徴はなくなり、以降キャンベルらしい特質が現れたとされる。他にも本作の特徴は「都市の頽廃」にあり、ラヴクラフトの作品を英国に移植しただけではなく、独自の作風が確立されていると指摘されている。本作もキャンベルの他の神話作品同様、舞台はブリチェスターであり、キャンベル自身が地元で経験した都市の頽廃が作品に影響を与えている可能性がある。

本作の主人公サム・ストラットは『侵入者 The Interloper』にも登場している。

  • サム・ストラット…主人公
  • 浮浪者
  • イゴーロナク

【舞台】

  • ブリチェスター

本の虫ストラットは、激しい雪に包まれたブリチェスターの街を彷徨っていた。そこで出会ったのは、一見何の変哲もない浮浪者。その男の案内で、ストラットは迷宮のような路地を抜け、辿り着いたのは、時の流れから取り残されたかのような古書店だった。

埃と古書の匂いに包まれた店内で、ストラットの手に落ちたのは、運命の一冊。その瞬間、彼の人生は大きく歪み始める。

翌日、昨日の興奮が冷めやらぬまま、再び足を運んだ古書店。そこで店主から勧められたのは、『グラーキの黙示録』という禁断の書物の存在だった。しかし11巻しか存在しないはずの本書。隠された12巻には、人知を超えた謎と恐怖に満ちていると言う。

しかし、その説明をする店主の様子には、何か異様なものがあった。言葉の端々に漂う狂気の影。目の奥に潜む得体の知れない光。

ストラットの心に湧き上がる好奇心と恐怖。彼は今、知ってはならない真実の入り口に立っていた。『グラーキの黙示録』が秘める恐るべき内容とは。そして、この奇妙な店主の正体は。

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