
【2025年版】「アロンゾ・タイパーの日記」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
The Dairy of Alonzo Typer
概要
本作は8,260語の短編小説で、1935年10月、ウィリアム・ラムレイのために代作した。初出は1938年、『Weird Tales』の2月号。単行本初収録は『Beyond the Wall of Sleep』で、校訂版が『The Horror in the Museum and Other Revisions』に収録されている。
この作品は、ラムレイの草稿の中にある「禁ぜられしことどもの書」(後に改題)や「七つの失われた恐怖の印」、神秘の都イアン=ホーなどを基にし、粗筋に一貫性を持たせた。しかし結末はラブクラフト自身によるものである。
登場人物
- アロンゾ・ハスブルック・タイパー
- ヴァン・デル・ヘイル
- チャールズ・A・シールズとオスカー・S・シールズ:屋敷のオーナー
- ジョン・イーグル
- ダーク・ヴァン・デル・ヘイル妻:セイラム出身、アドバン・コーリイの娘
- ジョリス:ダークの末娘、蛇人間の容姿の特徴をもつ
- 豚人間:子孫の一人だが詳細は不明
- トリンティエ・ヴァン・デル・ヘイル・スレイト
- クラース・ヴァン・デル・ヘイル:日記を残していた人
- トリンチェ、エイドリアン・スレイトの妻
舞台
- 1908年〜
- 1760年〜 ヴァン・デル・ヘイルの屋敷の歴史が始まる
あらすじ
1908年、春の気配が漂う4月17日。オカルト学者アロンソ・タイパーは、未知なる知識への渇望に駆られ、コラズィン村の古びた屋敷に足を踏み入れる。かつてヴァン・デル・ハイル家が住んでいたこの屋敷には、「古のもの」が眠っているという。
迫りくるヴァルプルギスの夜。その日までに全てを解き明かさねばならない。タイパーは手探りで屋敷の謎に挑む。地下室で見つけた錠のかかった鉄扉。その向こうから聞こえる不気味な音。そして、一瞬だけ見えた異形の前脚。これらの謎が、彼の理性を少しずつ蝕んでいく。
屋敷の至る所に潜む手がかり。家系図に記された謎の入婿「アドリアン・スレート」の名。生きた人間ならぬ存在の気配。大量の魔道書。そして、クラエス老の衝撃的な手記。全てが、神秘都市イアン=ホーへと繋がっていた。
時が経つにつれ、幻覚は鮮明さを増す。環状列石の丘から響く怪音。タイパーの探求心は、恐怖心を凌駕していく。
ついに彼は、「知識を与えてくれるもの」を召喚する呪文を発見する。だが、その呪文には致命的な欠陥があった。召喚はできても、支配はできないのだ。しかし、もはや引き返すことはできない。
地下の穴倉で見つけた鍵。そこに記されていたクラエスの言葉が、全ての謎を解く鍵となる―。
邦訳版の比較ガイド おすすめの一冊はどれ?
現在入手可能な主要な邦訳版として、以下の収録版がある:
- 「クトゥルー1」:大瀧啓裕の「クトゥルー神話―遠近法の美学」が合わせて読める。
- 「新訳クトゥルー神話コレクション2」:最新の翻訳で、ネクロノミコンをテーマにした作品を短編集。

初読者には「新訳クトゥルー神話コレクション2」がおすすめっ。現代の読者に親しみやすい文体で翻訳されており、作品の魅力を存分に味わえます。
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