
【2025年版】「セベクの秘密」入門|あらすじ・登場人物・おすすめ版まとめ
The Secret of Sebek
概要
本作は1937年、『Weird Tales』の11月号に収録された。
ロバート・ブロックは、パルプマガジンの黄金時代において、ラヴクラフトが貧困で無名な作家であったことを回想した。ラヴクラフトの作品は一般的な冒険物語とは異なり、特に「クトゥルフの呼び声」は一部の読者を引き寄せたものの一般的な受けは得られなかった。しかし、数年後にはラヴクラフトのファンが増え、彼の作品は注目され、幻想の波を起こした。これらのファンが彼を励まし、彼が執筆を続けるきっかけとなる。
ラヴクラフトは以前に同系統のテーマを扱ったいくつかの作品を書き、それを基にクトゥルフ神話を発展させた。中でもクトゥルフ、ヨグ・ソトース、アザトースなどの旧支配者との邂逅が描かれ、これが今日の神話として知られている。ラヴクラフトのファンの中には作家もいて、彼からアドバイスや批評を受け、その成長に寄与した。結果ラヴクラフト・サークルのメンバーは彼のスタイルとテーマに影響を受け、共通の恐ろしい書物を作り上げ、神話を増殖させ、形成していくことになった。
登場人物
- 語り手:小説家
- ヘンライカス・ヴァニング
- デルヴィン博士
- エティエンヌ・ド・マリニー:祭司
- ウィールダン教授:ターバンを巻いた小人
- リチャード・ロイス:若い学者
- セベク
あらすじ
古代エジプト、暗黒のファラオ・ネフレン=カの没落と共に、忌まわしいナイアーラトテップ信仰は闇に葬られた。その一方で、鰐神セベクへの信仰が力を増していく。メンフィスの神殿では、毎年セベクが高位の神官たちの前に降臨すると信じられ、ミイラを守護する力を得ようと、生贄が捧げられた。
時は流れ、現代。セベクの神官のミイラが四体発見されるも、発見者たちは不可解な死を遂げる。オカルト結社「柩クラブ」がミイラの一体を入手するが、運搬中の死亡事故により、会員の間で意見が分かれていた。
193X年、マルディグラの喧騒に沸くニューオーリンズ。私は、古代エジプトの神官に扮した男ヘンライカス・ヴァニングと出会う。エジプトへの共通の興味から意気投合した二人は、ヴァニングの邸宅で開かれた仮装舞踏会に参加する。
舞踏会の最中、私はクロコダイルの頭をした神官の姿を目にする。だが、一瞬の隙にその姿は消え、酔いの幻覚かと思い込む。
その夜、ヴァニングは「柩クラブ」の会員であることを明かし、仲間の元へと案内した。そして会員が囲む中にあったのは一体のミイラだった―。
邦訳版の比較ガイド おすすめの一冊はどれ?
現在入手可能な主要な邦訳版として、以下の収録版がある:
- 「クトゥルー9」:大瀧啓裕の「クトゥルー神話画廊Ⅲ」が合わせて読める。
- 「真ク・リトル・リトル神話体系3」:ラヴクラフトと彼の文学サークル「クトゥルフ神話」の世界観を、多様な作家の視点から味わいたい人向け。

初読者には「クトゥルー9」がおすすめっ。真ク・リトル・リトルもいいですが、一緒に収録されている大瀧さんの資料を読めるのはここしかないです。
購入ガイド&リンク集
「クトゥルー9」:紙版/電子版
- amazon(Kindle版:無):「https://amzn.to/47Jt8oK」
- ebookjapan:「クトゥルー (9) – H・P・ラヴクラフト他 大瀧啓裕 編 – 無料漫画・試し読み!電子書籍通販 ebookjapan」
「真ク・リトル・リトル神話体系3」:紙版/電子版
- amazon(Kindle版:有):「https://amzn.to/3I0uS2B」
- ebookjapan:「新編 真ク・リトル・リトル神話大系3 – 著:A.ダーレス – 無料漫画・試し読み!電子書籍通販 ebookjapan」