
災難探偵サイガ 名状できない怪事件
概要
祭鳴町は災難町!? 史上最悪の災難譚・アドベンチャーゲーム!
個性的な住人が集う「祭鳴町」に、一人の不運な探偵がいた。
彼の名前は天堂サイガ。彼は普通の探偵とは違う、唯一の武器をもっている。
それは卓越した頭脳でも、超人的な肉体でもない。
そう、彼の武器は、世界最恐の大大大・猛不運!?
立てば貧血、座れば貧乏、歩く姿は幽霊か死神か。依頼はいつも失敗ばかりの迷探偵。
しかし、そんな彼の元に、謎の占い師ヒン・レイが現れ、彼の運勢は徐々に好転――――するはずが、
町には邪神の影が迫っていて・・・・・・
邪悪なる神と不幸探偵が出会うとき、祭鳴町になにかが起こる・・・・・・!?
システム紹介
不運探偵の影に、災難あり。
「MAP」移動で祭鳴町を駆け巡り、不運の種を見つけ出せ。すべてのクエストをクリアして、祭鳴町の謎を解き明かそう。
物語をテンポよく楽しめるカットインイラスト・スチルやキーボイスを多数収録!その他、クリア後解放されるサイドストーリーあり。
世界観
不運探偵の影に、邪神の影もあり!?
テンポよいコミカルタッチのストーリーに、
『童提灯』の黒史郎・おおぐろてん のタッグによる「クトゥルフ神話」のエッセンスを随所に盛り込んでお届け。オカルト・ミステリーとしても存分に楽しめる。
公式サイトより引用
公式サイト:「災難探偵サイガ 名状できない怪事件」
紹介

クトゥルフ神話をモチーフとしたゲームは通常R指定が付くようなゴア描写のホラー作品が多いが、本作は全年齢対象として、コズミックホラーとコメディを巧妙に組み合わせた作品となっている。
物語の主人公は、災厄レベルの不幸体質を持つ探偵・天堂サイガ。彼の元に舞い込んだのは、飼い猫を探してほしいという一見単純な依頼だった。ラッキーちゃんと呼ばれる猫を探すだけでも次々と災難に見舞われるサイガ。ようやくラッキーちゃんを発見するが、突如として猫は異形の姿へと変貌してしまう…。

↑ちゃんとSAN値が削れる見た目のラッキーちゃん。(筆者プレイ画像)
一度逃げ出したサイガは、改めて調査を開始する。翌日、駅前を歩いていると占い師のヒン・レイに声をかけられる。彼女の占いもまた災厄レベルで的中する。家も記憶も失った彼女は、そのままサイガの探偵事務所に居候し、彼の助手となった。単なる猫探しの依頼が、やがて世界を巻き込む壮大な災厄へと発展していく。

ゲームシステムは依頼をこなすアドベンチャー形式で、簡単なミニゲームも含まれるが、基本的には選択肢を選んで進む読み物スタイルだ。個性豊かなキャラクターたちのボイスも魅力的で、フルボイスではないもののボイスドラマとしても楽しめる。
頼りない探偵サイガ、秘密を抱えるヒン・レイをはじめ、探偵気取りの少年少女、容姿や声を自在に変える謎の人物、情報屋のギャル、ドローンを操る老人など、登場人物は某有名少年探偵作品を彷彿とさせるラインナップとなっている。その名作へのオマージュも含めて、本作もまた名作と呼べる仕上がりだ。

クトゥルフ神話へのリスペクトも感じられ、中でもラヴクラフトのとある原作と思わせるエピソードもあるため、ラヴクラフトファンも必見。
物語の根底には邪神やそれを崇拝する組織が暗躍している。謎に満ちた邪神の正体、サイガとヒン・レイが抱える秘密、全ての謎が一つに繋がる瞬間、きっと誰かにこの作品を紹介したくなるはずだ。