【読了ガイド】『Shards of Darkness』│収録作品・購入方法まで紹介
目次
はじめに
本書は、ジェームス・ウェイドによるクトゥルフ神話短編集である。
収録作品は「The Feaster from the Stars」、「Vision of Madness」、「Wings in the Night」、「The Sand Castle」「The Towers」、「Sword of the Seven Suns」、「The Eyes of Darkness」、「The Crystal」、「Dream-Sendings」、「The Inner Gateway」、「The Drive」の11編で、著者自身による各話の解題「Notes on the Stories」も付録されている。マイノグーラが登場する作品を唯一読むことができる貴重な作品集である。
収録作品リスト
- “Acknowledgements”
- “Disciple of Cthulhu” (Robert M.Price)
- “The Feaster from the Stars”
- コモリオムで代々治安官を継ぐ名家の29代目ヴース・ラローンは、前任者の早すぎる死により突如その職を継ぐことになった。
治安官の仕事は形だけで、彼の情熱は魔術の研究と夜の遊びに向けられていた。
忘れられた神ズヴィルポグアを崇める秘密結社の存在が明るみに出ると、ヴースは襲撃隊を率いて儀式場を急襲し、奇怪な神像を衝動的に破壊してしまう。
その瞬間から幻影に悩まされるようになり、魔術仲間ゾンギスから「星から来た饗宴の参加者」の名を告げられ、元教団員イズドゥゴールからズヴィルポグアの禁断の知識を授かる。
好奇心と恐れに揺れながらも禁忌の儀式準備を始める。
- コモリオムで代々治安官を継ぐ名家の29代目ヴース・ラローンは、前任者の早すぎる死により突如その職を継ぐことになった。
- “Vision of Madness”
- “Wings in the Night”
- 精神病院に収容されたエリックは背中に大きな傷があるが、その由来を覚えておらず、日没に異常な反応を示して「チャールズ・B・グリッツ」という作家の名を口にする。
場面は過去に遡り、ダグラス島に住むチャールズを取材しようとするモルトーネの視点に切り替わる。
屈強な警備員サザンに阻まれるが、二日後に泳いで島に侵入し、予想外に簡単に屋敷に辿り着く。
チャールズとの対話中に突如島全体が停電に見舞われ、闇の中で得体の知れない存在「マイノグーラ」が現れてモルトーネは逃げ惑う。
事件から一年後、独房に収監されたモルトーネはチャールズの最期の言葉を思い出していた。
- 精神病院に収容されたエリックは背中に大きな傷があるが、その由来を覚えておらず、日没に異常な反応を示して「チャールズ・B・グリッツ」という作家の名を口にする。
- “The Sand Castle”
- “The Towers”
- “Sword of the Seven Suns”
- “The Eyes of Darkness”
- “The Crystal”
- “Dream-Sendings”
- “The Inner Gateway”
- “The Drive”
- “Notes on the Stories”
文庫版仕様の詳細
出版社:Mythos Books
発売日:2000/12/18
ページ数:160ページ
価格:紙版:67819円(中古で価格変動有)
購入ガイド
- Amazon:「Amazon | Shards of Darkness | Berglund, Edward P., Price, Robert M., Worthy, Peter A. | Horror」
読者レビューまとめ ※翻訳によって、意図しない表現になっている可能性があります。
良い点
- クトゥグアよりも簡単に召喚でき、クトゥグア並に強いヤマンソという魅力的な新旧支配者が登場
- ナイアーラトテップの従姉妹マイノグーラなど、新たな旧支配者の創造が興味深い
- ジェームズ・ウェイドが創造した「深きものども」を発展させたLaniqua Lua’huanなど新種族の設定が豊富
気になった点
- マイナーな作品集で、日本ではあまり紹介されていない
- 英語でしか読めないため、アクセスしにくい読者もいる
こんな人におすすめ!
- 新たな旧支配者や神話種族の設定に興味がある人
- ジェームス・ウェイドの創造した神話要素について詳しく知りたい人
- マイノグーラという神話存在に興味がある人
- ナイアーラトテップの親族関係に興味がある人
まとめ
本書は、ベトナム戦争従軍経験を持つ異色の経歴の作家による神話作品集である。
ヤマンソやマイノグーラといった魅力的な新旧支配者の創造により、クトゥルフ神話の世界を独自に拡張した、もっと注目されるべき価値ある一冊となっている。




