
【読了ガイド】『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』│収録作品・購入方法まで紹介
はじめに
本書は、クラーク・アシュトン・スミスによるアヴェロワーニュ短編集である。
アヴェロワーニュ年代記として12編の本編と、附録として6編のクトゥルー神話関連作品を含む計18編を収録している。
特に「塵埃を踏み歩くもの」には人気の邪神クァチル・ウタウスが登場する。
収録作品リスト
- アヴェロワーニュ年代記
- 「アヴェロワーニュ」
- 「怪物像をつくる者」
- 「アゼダラクの聖性」
- 「イルゥルニュ城の巨像」
- 「アヴェロワーニュの媾曳」
- 「アヴェロワーニュの獣」
- 「マンドラゴラ」
- 「ウェヌスの発掘」
- 「サテュロス」
- 「シレールの魔女」
- 「物語の結末」
- 「蟾蜍のおばさん」降霊術綺譚
- 「アフォーゴモンの鎖」
- 「魔力のある物語」
- 「妖術師の帰還」
- 「分裂症の造物主」
- 「彼方から狩り立てるもの」
- 「塵埃を踏み歩くもの」
文庫版仕様の詳細
出版社:東京創元社
発売日:2011/12/21
ページ数:424ページ
価格:紙版:1320円
購入ガイド
- Amazon:「https://amzn.to/4gsZC91」
読者レビューまとめ
良い点
- ゾティークもの、ヒュペルボレオスものの陰に隠れがちなアヴェロワーニュものを全て収録した貴重な短編集
- グロテスクながらも詩的な描写と、欲望と愛欲こそが人を生き生きとさせる表現が秀逸
- 必ずしもヒロイックな結末を迎えない、スミス流のユーモアが効いた物語
- 日本発ファンタジーに慣れ親しんでいる人には比較的受け入れやすい設定
- 実際の出来事や実在の人物と絡めることができる時代設定
- クトゥルフ神話×ファンタジーの創作やシナリオ作成の良き参考書
気になった点
- 訳者の文章の巧みさを楽しめなかったという感想もある
- 一冊丸々アヴェロワーニュだと思っていたら、後半はその他の短編集だった
- 原書を損ないかねない翻訳という厳しい評価もある
こんな人におすすめ!
- クラーク・アシュトン・スミスのアヴェロワーニュものが好きな人
- 中世フランスをモデルとした異世界ファンタジーに興味がある人
- クトゥルフ神話×ファンタジーの創作を考えている人
- 『クトゥルフ・ダークエイジ』と合わせて参考書として活用したい人
まとめ
本書は、スミスの三大シリーズの中でも独特の御伽噺風雰囲気を持つアヴェロワーニュ作品の決定版である。
翻訳の評価については賛否が分かれるものの、中世ファンタジーとクトゥルフ神話の融合という貴重な要素により、創作の参考書としても価値の高い一冊となっている。