【読了ガイド】『真ク・リトル・リトル神話体系7』│収録作品・購入方法まで紹介
はじめに
本書は、新編真ク・リトル・リトル神話大系の最終巻第七巻である。
収録作品は「角笛をもつ影」、「アルソフォカスの書」、「蠢く密林」、「パイン・デューンズの顔」の4編となっている。「蠢く密林」では、ニャルラトテップの化身アトゥが登場する。
収録作品リスト
- 「角笛をもつ影」 T・E・D・クライン
- イギリスでのラヴクラフト関連イベントから帰国する飛行機で、「私」は変装した元牧師モーティマーと出会う。
彼は「追われている」と言い、マレーシア内陸部で出会った「チョーチャ族」について語る。
「ジャズレコードのホーンを吹く黒い人影」という私の言及に彼は異様な反応を示した。
ニューヨークの博物館で、19世紀マレー半島の民族衣装に描かれた「死の使い」という黒いシルエットを目撃し、「チョーチャ族」がラヴクラフトの「チョー・チョー人」と似ていることに気づく。
新聞はモーティマーがマイアミで行方不明になったと報じ、マレーシア人「ジャクトゥ=チョウ」の捜索が始まった。
- イギリスでのラヴクラフト関連イベントから帰国する飛行機で、「私」は変装した元牧師モーティマーと出会う。
- 「アルソフォカスの書」 H・P・ラヴクラフト&M・S・ワーネス
- 川のほとりの古書店で、私は運命を変える一冊の古文書を発見した。
複雑な術式が記された本を手に取ると、店主は料金も受け取らず意味深な微笑みを浮かべた。
屋根裏部屋に閉じこもり夢中で解読を続けるうち、無意識に何かを召喚してしまう。
現実が歪み始め、床に五重の円を描いた瞬間、無限の星空と不思議な風景が広がった。
小さな偶像の前で無形の存在が踊る光景を目撃し、古文書には「ナイアルラトホテップ」という名と警告が記されていた。
時を操る力を得た私は「旧支配者の館」を目指すことを決意する。
- 川のほとりの古書店で、私は運命を変える一冊の古文書を発見した。
- 「蠢く密林」 D・ドレイク
- コンゴの熱帯雨林でベインガ食人族の処刑現場にベルギー人トローヴィル大佐が現れる。
ロンドンではアリス・キルリア夫人が、薄暗い書斎で魔導書を研究し「生と死を分離する方法」を熱心に読み込んでいた。
コンゴの森は欧州人の欲望と暴力で満ち、説明のつかない事件が続発していた。
夫人は魔導書で「暗黒の大陸のジャングルでは這いよる混沌が成長している」という記述を発見する。
コンゴに向かった夫人は大佐から森の奥に現れた「新しい神」の噂を聞く。
バコンゴ族が「アフトゥ」と呼ぶその存在こそ、夫人が探し求めていたナイアルラトホテップだった。
- コンゴの熱帯雨林でベインガ食人族の処刑現場にベルギー人トローヴィル大佐が現れる。
- 「パイン・デューンズの顔」 R・キャンベル
- 色々な街に移住を続ける家族。
ある日、両親の怒号から逃れて外に出たマイケルは、見知らぬ森で灌木のトンネルを見つけるが、進むほどに闇が重くなり不気味な感覚に襲われ慌てて引き返した。
家に戻ると両親は外出していた。
再び家を出て、衝動的にバスに乗り見知らぬ村のクラブに行き、ジューンという女性と親しくなる。
彼女が勧めた古い本で「セヴァンフォード」という地名を発見し、索引で調べると家族がこれまで移動してきた土地の名前が次々と現れた。
両親の永遠の議論と不自然な移動パターンが偶然ではなく、何かのパターンに従っていたのだ。
- 色々な街に移住を続ける家族。
文庫版仕様の詳細
出版社:国書刊行会
発売日:2020/12/28
ページ数:211ページ
価格:紙版:1650円/電子版:1320円
購入ガイド
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読者レビューまとめ
良い点
- 編者でもあるキャンベルによる青春ホラー「パイン・デューンズの顔」が収録されている
気になった点
- 4作しかなく内容量が少ない
- かなりマイナーな作品ばかりで、無理に購入する必要性が薄い
こんな人におすすめ!
- ラムジー・キャンベルの作品に興味がある人
- ニャルラトテップの化身アトゥが登場する作品を読みたい人
- シリーズを完結させたいコレクター
まとめ
本書は、クトゥルー神話大系の最終巻として、4編の作品により神話体系シリーズの完結を示している。
収録作品数は限られているものの、ニャルラトテップの化身など神話的要素を含む作品群により、シリーズの締めくくりとなる一冊である。




