
【読了ガイド】『ラヴクラフト全集2』│収録作品・購入方法まで紹介
はじめに
本書は、H.P.ラヴクラフト作品のみを収録した全集の第2巻である。
収録作品は「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の3編となっている。
特に表題作「クトゥルフの呼び声」が収録されており、クトゥルフ神話の核心により一歩近づく重要な巻となっている。「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は短編と呼ぶには長い中編作品である。
収録作品リスト
- 「クトゥルフの呼び声」
- 「エーリッヒ・ツァンの音楽」
- 語り手は地図にないオーゼイユ街を探し続ける。
貧しい学生時代、そこでヴィオール奏者エーリッヒ・ツァンの異質な音楽に魅了された記憶が蘇る。
言葉を持たないツァンは三流劇場で演奏し屋根裏に住んでいた。語り手が直接演奏を頼むと平凡な曲しか弾かないが、不吉な調べを口笛で吹こうとすると恐怖の表情で制止する。
ある夜、狂気じみた演奏と悲鳴を聞いた語り手がツァンの部屋を訪れると、想像を絶する未知なる体験が待っていた。
- 語り手は地図にないオーゼイユ街を探し続ける。
- 「チャールズ・ウォードの消散奇怪な事件」
1.結末と序曲
2.先人と妖異
3.探査と招魂
4.変容と狂気
5.悪夢と消散- 1692年、謎の魔術師ジョウゼフ・カーウィンがプロヴィデンスに移住。
半世紀経っても容姿が変わらず、死者蘇生の研究に没頭していたが、強引な結婚が原因で殺害される。
1918年、若きチャールズ・デクスター・ウォードは自宅の肖像画で自分と瓜二つのカーウィンを発見し、先祖との繋がりに衝撃を受ける。
カーウィンの魔術を蘇らせようと狂気じみた研究に没頭するが、ある日を境に性格が一変。禁断の知識が古の邪神を目覚めさせ始める。
- 1692年、謎の魔術師ジョウゼフ・カーウィンがプロヴィデンスに移住。
文庫版仕様の詳細
出版社:東京創元社
発売日:1976/8/20
ページ数:302ページ
価格:紙版:858円/電子版:446円
購入ガイド
- Amazon:「https://amzn.to/46eAtf3」
- ebookjapan:「ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫) – 著:H・P・ラヴクラフト 訳:宇野利泰 – 無料漫画・試し読み!電子書籍通販 ebookjapan」
読者レビューまとめ
良い点
- 高校生の頃からハマって40年近く経っても面白く、夢中になって読み込める魅力がある
- Kindle版で通勤時や寝る前にも気軽に読めるため、重い本では手が出しにくい作品に最適
- 文体は時折戻って読み返すことはあるものの、基本的には問題なく読める
- 「エーリッヒ・ツァンの音楽」は面白くて妙に頭に残る印象的な作品
- グロい部分は必要以上にぼかしてあり、露骨に血みどろな感じではない
- 精密な絵を見るような描写が特徴的で勉強になる
- 呪文が美しく、「死せるクトゥルフが、ルルイエの家で、夢見ながら待っている」など印象的
- 「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は断片的な資料から徐々に真相が明らかになり、最後はすっきり決着がつく
気になった点
- 期待しすぎると「こんなもんなのかなぁ」と感じる可能性がある
- 超有名な作家の割には期待に応えきれない場合もある
- 重厚な文体で読むのがちょっと疲れる
- 解決していなかったり、裏でざわざわしていたりして落ち着かないまま終わる作品もある
こんな人におすすめ!
- 「ダンウィッチの怪」などラヴクラフト作品に興味を持った人
- 宇宙的恐怖というテーマに惹かれる人
- ホラー全般は苦手だが、血みどろではない恐怖を求める人
- Kindle等の電子書籍で気軽に読みたい人
- 精密な描写と重厚な文体を楽しめる人
- クトゥルフ神話の核心部分を知りたい人
- 断片的な資料から真相が明らかになるミステリー的要素を楽しめる人
まとめ
本書は、クトゥルフ神話の中核をなす「クトゥルフの呼び声」を収録した重要な巻である。
重厚な文体と精密な描写により、宇宙的恐怖という独特な世界観を展開し、現代のホラー・ファンタジー作品に多大な影響を与えた一冊となっている。