
【完全版】ミリ・ニグリ人│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Miri Nigri
目次
基本設定・概要
危険度: ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
本報告は、「黒き無言の者たち」「チャウグナー・フォーンの眷属」として知られるミリ・ニグリについての調査報告である。
形態的特徴として、黒色の肌を持つドワーフ状のヒト型生物で、両生類の組織から創造されたとされる。音声による発声能力を持たず、精神的テレパシーや身体動作による意思疎通を行う。粘液に覆われた外見を呈し、通常10体以上の集団で活動する。
チャウグナー・フォーンの創造物であり、絶え間なく主への奉仕を続ける。主が静止している際にはその周囲を徘徊し、年に二度、主のための生贄として人間(主に若い男女)の捕獲を行う。また、他のカルトや神話存在との暗黒の契約など、特定任務のために単独で派遣されることもある。
その活動拠点は時代とともに変遷している。当初はピレネー山脈のチャウグナー・フォーンの本拠地付近に居住し、ローマ時代にはポンペロの町近郊で交易活動を行っていた。メイ・イブとハロウィーンには人身御供の調達のため人々を誘拐し、これを制止しようとしたローマ軍を一人を除いて殲滅している。その後、チャウグナー・フォーンの命により、ツァン高原の新たな本拠地へと移動した。
チョー・チョー人の起源との関連も指摘されており、通常の人類との交配による混血の結果とする説が存在する。
【住処】
- 現在:ツァン高原
- 過去:ピレネー山脈
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
2D6*5 | 3D6*5 | (2D6-1)*5 | (3D6+6)*5 |
POW | INT | HP | MP |
3D6*5 | 2D6*5 | 8 | 10 |
DB | ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
-1 | -1 | 9 | 0/1D2 |
行動
- 攻撃回数:2回(近接)/1回(電撃銃)
- 近接戦闘:45%/1D3+DB
- 回避:45%
装甲
- なし。
魔術
- 呪文:なし。
技能
- 隠密:90%・水泳:75%・跳躍:80%・登攀:60%
能力
- なし。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「恐怖の山」では
- ローマ時代、ピレネー山中のミリ=ニグリ族が町民をさらい、チャウグナル・ファウグンへの生贄とする
- ローマ総督が派遣した300人の討伐隊を異常現象で壊滅させる
- 勝利するが身の安全のためにツァン高原へ移動し、兄弟たちをピレネーに残す
- 20世紀、マンハッタン美術館のアルマンがツァン高原の洞窟で神像を入手
- 生きた石像としてアルマンの血を啜りながらアメリカへ到着する
- 美術館に展示されたチャウグナー・フォーンが夜警を殺害する
- 美術館から誰にも気づかれず逃亡する
- スペインのピレネーで兄弟たちによる虐殺事件が同時発生
- 主人公一行が追跡を始める
- 主人公らの光線攻撃を受けて消滅し、時空の彼方へ送り返される
- チャウグナー・フォーンの消滅と連動してスペインの兄弟たちも消滅する

邪神に仕えるカルティストは、全身フードの黒魔術師みたいなのを想像しがちです。しかし、ミリ・ニグリ人とかチョーチョー人は、現代の文明から遥か切り離された原始人的な容姿をしていて、逆に古代の存在なのだと思い知らされました。
シナリオ導入例
1:季節誘拐事件型
- メイ・イブとハロウィンの時期に限定して、世界各地で若い男女の失踪事件が多発
- 失踪現場には必ず粘液状の痕跡と、10個以上の小さな足跡が残されている
- 目撃者の証言では「黒い小人の集団が無言で協調行動を取っていた」との内容
- 同様の誘拐事件が2000年前にも発生していた
- 誘拐されたものはツァンのチァウグナー・フォーンの元に連れていかれている

ミリ・ニグリ人を単体で出すのはインパクトに欠けるかもしれないので、やはりチャウグナー・フォーンもセットに出した方がいいかもしれません。小人でも数の暴力で事件を起こさせましょうっ。
演出のヒント
1:無言の集団協調
- 一切の音声を発することなく、完璧に同期した行動を取る不気味さ
- テレパシーによる意思疎通で瞬時に戦術変更する
- 10体以上が単一の意志で動く
- 声帯を持たない存在との、根本的なコミュニケーションの断絶
2:両生類的粘液質感演出
- 常に湿った粘液に覆われた肌の嫌悪感
- 触れた物質に残る粘液の痕跡
- 乾燥地帯での制限と、湿地帯での活発化
3:ドワーフのような外見の油断
- 小柄で一見無害に見える外見と、実際の危険性のギャップ
- 人間の油断を誘う、童話的な小人のイメージとの残酷な裏切り
- 小さな体格ながら集団戦術により大型敵を圧倒する戦闘力



同じ人の姿なら話せばわかってもらえそうですが、喋らない、喋ることができないと判明した時の探索者の行動がエンディングを分けそうです。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:EldritchArtworks様「Miri Nigri – Ancient Progenitors of the Tcho-Tcho by EldritchArtworks on DeviantArt」


- 素材:コメトマツリ様「絵柄が違いすぎるクトゥルフ神話生物素材「ミリ・ニグリ」 – コメトマツリ – BOOTH」
単品価格:無料
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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チャウグナー・フォーン 創造主 | チョー・チョー人 人間との混血説 |
【関連魔導書】
- 『エルトダウン シャーズ』
- 『ナコト写本』
登場作品
- 「恐怖の山」 (ロング)
- “The Curse of Chaugnar Faugn” (バートン)
- “Selected Letters II” (ラヴクラフト)