
【完全版】フジウルクォイグムンズハー│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Hziulquoigmnzhah/Hziulquoigmunzhah
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★☆☆☆☆☆☆☆
本報告は、「土星の金属喰らい」「逆さまの神格」として知られるフジウルクォイグムンズハーについての調査報告である。
形態的特徴として、短い足と異常に長い腕を持ち、眠たげな表情の頭部が球状の体から逆さまに垂れ下がった姿を呈する。奇怪な言語を発するとされ、その姿はツァトゥグァに類似するとの記述が存在する。
その本質について諸説が存在する。一説ではツァトゥグァとギスグスの眷属でありサクサクルースの子孫とされるが、未だ最終形態に至っていない未成熟のオールド・ワンである可能性も指摘されている。
その活動範囲は広く、ユゴスでの一時的滞在の後、ヤークシュ(海王星)に移動し、現在はサイクラノーシュ(土星)に居住するとされる。一部の文献ではゾス(シリウスB)での存在も示唆している。この遊行的な性質は、各惑星の資源を枯渇させた後に次の目標へ移動するという生態を示唆している可能性がある。
現在の主たる活動地点であるサイクラノーシュでは、土星のヒト型先住民から神としての崇拝を受けており、これが同地での長期滞在の要因とされる。カスター・ヴェンコスの『黒魔術による天の召集』には、サイクラノーシュの長老たちによる予言が記されており、この存在が完全に成熟した暁には惑星を喰らい尽くし、献身的な従者とともに「青い惑星」へ移動するとされている。ヴェンコスはこの予言的描写が地球を示唆している可能性を警告している。
ヤークシュでの滞在時には、現地住民による宗教的儀式に悩まされていたとの記録が残されている。現在のところ地球への来訪を示す証拠は確認されていないが、地球の豊富な鉱物資源は潜在的な誘因となりうる。
【住処】
- 現在:サイクラノーシュ(土星)
- 過去:ユゴス、ヤークシュ(海王星)、ゾス(シリウスB)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
275 | 650 | 200 | 125 |
POW | HP | MP | DB |
150 | 85 | 30 | +5D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
6 | 20 | 1D4/2D6 |
行動
- 攻撃回数:1回
- 近接戦闘:80%/3D6
- 吐き出す:70% …20mの射程で唾液を吐きだし1D6+4のダメージを与える。衣服についた場合、溶けだし追加で1D4ラウンドの間1のダメージを与える。唾液ではなく金属のかけらを吐き出すこともある。金属のかけらは40mの射程で、2D6のダメージを与える。
- 押しつぶし:80%/5D6 …転がって踏みつぶし5D6のダメージを与える。
装甲
- 10ポイント。
- 毎ラウンドMPを5支払って、HPを10回復できる。
- 火、電気、化学物質の影響を受けない。
- HPが0になれば萎縮し、異界の金属の塊になる。その後1D100+10年後に復活する。
魔術
- 呪文:キーパーの任意の呪文。
能力
- 金属を固める:金属製の武器や偶像などを吐き出し、信者に授ける。
恩恵
- サイクラノーシュのよろい:恩恵を受ける者は、液状化した金属に浸けられ、出た時に見た目は変わっていないが、その皮膚は金属を帯びたように硬くなる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「魔道士エイボン」では
- 神官モルギが魔道士エイボンを敵視し、彼を捕えるべく自宅に向かう
- ツァトゥグアがエイボンに危機を伝え、追い詰められたエイボンが異界の扉をくぐり惑星サイクラノーシュへ逃亡する
- モルギがエイボンの家に乗り込むが空っぽで、次元の扉を発見して後を追う
- サイクラノーシュでモルギがエイボンに追いつき逮捕しようとするが、地球への帰還が望めず仇敵同士が共に旅することになる
- 神フジウルクォイグムンズハーがエイボンに「イクイ・オドシュ・オドフクロンク」という謎の言葉を告げる
- エイボンは神からの神託だと思い、土星人に伝えまわる
- イドヒーム族に託宣の言葉を口にする
- イドヒーム族が突如引っ越しを始めだす
- 神託の意味は「立ち去れ」だった

「俺は絶対神に認められた預言者だ」と疑いもせずにうきうきのエイボンですが、実はエイボンがしつこくフジウルクォイグムンズハーに突っかかるから、「あっち行け」って意味で言われただけでした。
それを神託として伝えまわるの滑稽すぎて。
シナリオ導入例
1.:鉱山資源枯渇事件型
- 世界各地の鉱山で採掘可能な鉱物が一夜にして消失する現象が発生
- 現場調査で金属が「食べられた」ような痕跡と、異質な唾液らしき粘液を発見
- 被害地域の住民が「眠たげな巨人の夢」を見るようになり、土星への異常な執着を示す
- 地質調査で地下深部から土星起源と思われる未知の鉱物を発見

似たような鉱石の邪神にキーザがいますが、フジウルクォイグムンズハーの方がはるかに易しいです。引きこもりのコミュ障なので、特別ちょっかいをかけなければ問題もありません。まずは土星から地球に来させる理由を作るとこからですが…。
演出のヒント
1:逆さま構造の違和感演出
- 頭部が下向きに垂れ下がっている違和感
- 普通とは上下が逆転した異質な存在への本能的な不快感
2:金属摂食の物質的恐怖
- 硬い金属が生物のように「噛み砕かれ」「消化される」不自然さ
- 文明の基盤である金属の消失による社会の崩壊
- 金属を摂食する際の不気味な咀嚼音と消化音の描写
3:奇怪言語による疎外感
- 人間には理解不可能な言語による完全なコミュニケーション断絶
- 言語の音韻が人間の聴覚に不快感や恐怖を与える



ただただ怠惰で食事をしているだけの邪神ですが、地球の金属を食べ始めると、人間社会に大きな影響を与えます。平和な解決方法を目指すならコミュニケーションをとるしかないけど、異界の言語をどう理解するか…。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:Loneanimator様「The Sorcerer Eibon On Saturn by Loneanimator on DeviantArt」


- 素材:HasuYa様「神話生物素材 「フジウルクォイグムンズハー」 – HasuYa – BOOTH」
単品価格:200円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
【関連魔導書】
- 『黒魔術による天の召集』
登場作品
- 「魔道士エイボン」 (C.A.スミス)
- 「The Family Tree of the Gods」 (C.A.スミス)
- 「黙想せる神」
- 「The Throne of Achamoth」 (ティアニー & R.プライス)