
【完全版】ノーデンス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Nodens
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★☆☆☆☆☆☆
本報告は、旧き神々に属するとされる存在、「大いなる深淵の大帝」ノーデンスについての調査記録である。
形態的特徴として、多くの顔と形態を持つ存在とされる。人類の前には印象的な人型の姿で現れ、神話の動物やイルカの背に乗る老人として描写されることが多い。片手にオークの杖を持ち、貝殻の戦車に乗るとされ、時に触手状の顎髭を持つという記録もある。また、灰色で厳しく恐ろしい姿、計り知れない年齢を感じさせる手を持つとも言われる。しかし、これらは遭遇者の感覚を操作するための仮の姿であり、異なる種族の前では異なる形態を取るとされる。
本質的性質として、アザトースをも超える古さを持ち、その使命は「生命の織り物」(宇宙)の維持にあるとされる。善悪を超えた力として古きものたちに認識されており、夢見る者と空想家に特別な愛着を示すという特徴がある。
能力面では、時空を超えて人々を移動させる力を持ち、また特定の条件下で回復の力を授けることもできるとされる。ただし、後者には高い代償が求められる。
主たる機能として、宇宙の均衡維持と現状保持が挙げられる。グレート・オールド・ワンや外なる神に対して敵対的な行動を取り、監視者としての役割を果たしている。ただし、予言によれば、ノーデンスが警戒を解いて眠りにつく時、グレート・オールド・ワンの解放の時が訪れるとされる。
人類との関わり方は特徴的で、悪夢や恐怖ではなく、甘美な言葉を用いる。しかし、その優しい外面の背後に、人類や他の「知性を欠く」種族への実質的な関心は見られない。
歴史的には、数十億年前に地球を訪れ、未知の存在から崇拝を受けていたとされる。グレート・オールド・ワンの到来時に崇拝者とともに遠い未来へ去ったという。アトランティスではコズザール(魔術の神)として崇拝された。現代では、イギリスのリドニーに神殿が存在するとされ、死に瀕した者が発見することがあるという。
【住処】
- 大いなる深淵
- リドニーの神殿(地上の拠点)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
210 | 220 | 90 | 100 |
POW | HP | MP | DB |
500 | 31 | 100 | +3D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失(人間の姿) | 正気度喪失(本来の姿) |
4 | 12/飛行8 | 1/1D6 | 1D10/1D100 |
行動
- 攻撃回数:1回
- 近接戦闘:100%/手の場合3D6、エネルギーの場合6D6
装甲
- なし。
- MPを1消費すると装甲を1作ることができる。
- MPを1消費するとHPを1回復できる。
- HPが0になれば煙を吹き出し消えていく。その後1D100日後に復活する。
魔術
- 呪文:「夢見る人を補助する」・「至福」・「悪魔退散」・「記憶を曇らせる」・「動物に命令する」・「いなし」・「支配」・「精神の溺死」・「旧き印」・「物品に魔力を付与する」・「恐怖の注入」・「騒々しい口」・「精神的な従属」・「萎縮」・その他キーパーの任意。
能力
- 従者を呼び出す:夜鬼を召喚する。
- 姿を変える:相手の持つ記憶の人物など、どんな姿にも変化できる。
- 退去:他の存在をその場から元の場所に帰す。
恩恵
- 高度な知覚:世界の本当の姿を見ることができるようになり、また、人に寄生するクリーチャーなども見える。
- 恐れ知らず:クトゥルフ神話に関する出来事に対し、動じることがなくなる。
- 夢の通信:覚醒の世界にいても、ドリームランドにいるノーデンスと交信ができる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「霧の高みの不思議な家」では
- マサチューセッツ湾を望む霧が立ち込める高い崖の上、キングスポートに恐ろしい老人が暮らしている
- 周囲の住民が子供の頃から老人で、どれだけ長い期間を生きてきたのかわからない彼を恐れて近づかない
- 新しくキングスポートに移住したトマス・オルニーが、周囲に道がない絶壁の上の一軒家に興味を抱く
- オルニーが崖をよじ登って家に辿り着き、古めかしい衣類をまとった老人と出会う
- 老人がオルニーの知らない大昔の話を始める

何が一番恐ろしいかって、この霧の上の家に玄関がないことです。気が付けば中に入っている時点で、もう超常現象です。
シナリオ導入例
1.:均衡破綻阻止型
- グレート・オールド・ワンの封印に異常が発生し、宇宙の均衡が崩れ始める
- 各地で時空の歪みや重力異常などの物理法則の破綻が観測される
- ノーデンスから「均衡の回復」を託された使者が探索者たちに接触する
- 使者は優雅で説得力のある言葉で協力を求めるが、真の関心は宇宙の安定のみ
- 封印の修復には古代の知識と、死を覚悟した危険な儀式への参加が必要
2:神殿発見型
- イギリスのリドニー周辺で考古学調査中に、未知の古代神殿が発見される
- 神殿内部は現代の技術では説明不可能な構造と、時空が歪む現象を持つ
- 発掘チームのメンバーが重い病気を患っていたが、奇跡的に回復する
- しかし回復には「宇宙への奉仕」という代償が伴い、人格が変化し始める
- 神殿の最深部で数十億年前の文明の痕跡と、現在も活動する祭壇を発見

旧神なので用がなければわざわざ人間の前に現れることはありません。原作でもそうですが、ノーデンスを慈悲のある神と見るか、無慈悲の神と見るかは意見が分かれそうです。ただ旧神である以上は、邪神退治には全面的に強力してくれると思いますっ。
演出のヒント
1:多様な顔の変幻演出
- 老人、神話的存在、海洋生物など、場面に応じて変化する姿の描写
- 一瞬で別の形態に変わる流動性と、それでも感じられる一貫した本質
- 触手の顎髭や貝殻の装飾など、海洋的要素を含む神秘的な外見
2:甘美な言葉と冷淡さ
- 美しく説得力のある話し方で人を魅了する言葉遣い
- しかし内容は人類の利益ではなく宇宙全体の均衡を重視
- 優しい外見と、人類への実質的無関心の不気味なギャップ



本当に信用していいのかわからないタイプの上司ってイメージです。よく言えばクール悪く言えば冷淡で、威厳があるおじいちゃんですっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:Siegahertz様「Noden by Siegahertz on DeviantArt」


- 素材:9の隠れ家様「神話生物素材 ノーデンス – 9の隠れ家 – BOOTH」
単品価格:250円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
【関連魔導書】
登場作品
- 「妖蛆の館」 (マイヤース)
- 「霧の高みの不思議な家」 (ラヴクラフト)
- 「未知なるカダスを夢に求めて」 (ラヴクラフト)
- 「破風の窓」 (ラヴクラフト)
- 「Glimpses」 (アタナジオ)
- 「A Priestess of Nodens」 (アタナジオ)
- 『Nightside of Eden』 (グラント)