
【完全版】ニョグタ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Nyogtha
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★★★
本報告は、黒い無定形の塊として顕現し、吸血鬼的な性質を持つオールド・ワン、ニョグタについての調査記録である。
起源については複数の説が存在し、ウボ=サスラ、ツァトゥグァ、クトゥルフ、またはアブホースの子孫とする説がある。一方で、ニャルラトテップの化身の一つとする説も存在し、これは『ネクロノミコン』における「闇に棲みつくもの」との記述に基づいている。
主たる棲息地は、アークトゥルス近傍の暗黒の惑星とされる。地球上では、オクラホマ州地下のンカイの深淵に通じるヨスの地下世界の洞窟に出現する。その他、マサチューセッツ、シリア、タタール、ルーマニア、ニュージーランド、レン高原などに出現地点が確認されているが、未発見の場所も存在すると考えられている。
特筆すべき特徴として、この存在は未成熟な状態にあるとされる。そのため、能力は完全には発現しておらず、地球への来訪も部分的または一時的なものに限られる。また、ヨスの洞窟から離れることができない可能性が指摘されている。これは忘れ去られし旧き封印の効果かもしれないが、確証は得られていない。
古のものとの関係についても興味深い説が存在する。ニョグタが成長の助力を古のものに求めたところ、古のものは同意しつつも支配を試みた。これを逃れたニョグタは、魔術的防御壁によってニュージーランドの洞窟に封じ込められ、完全な成熟を妨げられたという。ただし、この説では他地域での出現を説明できない。
生態的特徴として最も顕著なのは、その飽くなき食欲である。他の存在の生命力を吸血鬼的に摂取し、これは成体への成長に必要とされる。一部の魔術師たちは、人身御供と引き換えに魔術や知識を得ようと試みたが、多くは供物の不足により自身が餌食となった。
撃退方法については、『ネクロノミコン』に詳述がある。ヴァク=ヴィラ呪文の詠唱、「輪をなす十字架」(エジプト十字架と推測)、ティクオン霊液の使用が唯一の有効手段とされる。これらは生命と純粋さに関連する物品であり、類似の性質を持つ他の典礼歌や物品も効果を持つ可能性がある。
【住処】
- アークトゥルス近傍の暗黒惑星
- ヨスの地下洞窟
- 世界各地の出現地点
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
425 | 200 | 400 | 100 |
POW | HP | MP | DB |
140 | 60 | 28 | 不明 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
10 | 10 | 1D6/2D10 |
行動
- 攻撃回数:1回
- 近接戦闘:100%/1D10
- 吸血:100%/POW1D10 …対象を捕まえ血を吸う。対象は毎ラウンドPOWを1D10失う。抜け出すにはSTRでクリティカル成功する必要がある。もしくは10ダメージ以上与えて切断することができる。対象が吸血後に生き残った場合、週ごとにPOWが回復する。
装甲
- なし。ただし毎ラウンド最初の10ダメージを無効化する。
- HPが0になれば地面に染み込んでいく。その後2D100年後に復活する。
魔術
- 呪文:「パズズの息」・「吐き気の魔法陣」・「ニョグタのわしづかみ」・「死体を起き上がらせる」・「生命の察知」・その他キーパーの任意。
能力
- 圧倒的なオーラ:ニョグタの放つ陰湿なオーラに圧倒される。
- 姿を操る:ニョグタの擬足は人の形にすることができるが、形こそ変えられても色はニョグタの黒色のままになる。
恩恵
- 暗黒の香り:吐瀉物のような臭いが漂う。
- 命を持つ暗黒:一時的に小さいニョグタのような姿になれる。
- 吸血鬼性:人間の血を吸い生命力にすることができる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「セイレムの恐怖」では
- 黒魔術使いとして知られる老婆アビゲイル・プリンが処刑されてから200年後の話
- 人気作家カースンが、セイレムにあるアビゲイル・プリンが住んでいたという曰く付きの家を借りる
- カースンが鼠を追ううちに地下の隠し部屋を発見し、物静けさに気に入って仕事部屋にする
- 地下室のことを家主に報告すると噂が広まり、野次馬やオカルティストが押しかける
- やじ馬に混じって来たマイケル・リーに好感を覚える
- リーから夢について尋ねられ、夢の記憶がないことに気づく
- 翌朝の散歩で魔女の墓が暴かれ、通行人が死んでいたことを知る
- リーから「魔女に操られている。すぐに家を離れなさい」と警告される
- 当惑したカースンが拒否して地下室にこもり、眠り込む
- 目を覚ますとミイラの化物が地下から黒いゼラチン状の怪物を召喚している場面を目撃
- リーが駆けつけ、輪頭十字と呪文と霊液で怪物を退散させる

リーは別作品でも登場しているそうです。ニョグタ相手に怖気づかずに退散させる力量がかっこよかったですっ。名前だけよく登場するプリンも姿を出したので、情報量の多い作品でした。
シナリオ導入例
1.:地下探査事故型
- オクラホマ州で大規模な地下資源調査が開始され、未知の洞窟系を発見
- 調査チームが相次いで行方不明となり、生存者は「黒い影に飲み込まれた」と証言
- 洞窟内から古代の石版と謎の液体物質が発見される
- 地質学者が洞窟の構造は自然形成では説明不可能と報告
- 現場周辺で野生動物の大量死と、住民の原因不明の貧血症状が多発
2:連続失踪事件型
- 世界各地の特定地域(マサチューセッツ、レン高原等)で同時多発的な失踪事件
- 失踪者の共通点は皆、地下洞窟や廃坑での活動歴があること
- 現場には必ず黒い粘液状の物質と、異常に低い気温の痕跡が残される
- 生存者の証言では「闇が生きている」との内容
- 各地の失踪現場を結ぶと、星座のアークトゥルス方向を指す配置

原作では魔女に飼われていました。ゲル状でどこにでも現れることができるので、舞台を選ばないのが利点です。ただ臭いだけは強烈なので、その舞台に合うかは検討しましょうっ。
演出のヒント
1:無定形の恐怖演出
- 影や液体のように形を変える黒い塊の流動的な動きの描写
- 固体と液体の境界が曖昧な、掴みどころのない質感表現
- 壁や天井を這うように移動する不定形な存在の気配
- 光を吸収して周囲を異常な暗闇で包む現象の描写
2:吸血鬼的摂食の描写
- 物理的接触なしに生命力が徐々に奪われる感覚の表現
- 被害者の血色が失せ、体温が下がっていく視覚的変化
3:洞窟の環境の特殊性
- 自然の洞窟では説明できない幾何学的な構造の描写
- 異常に低い気温と、湿度の高い独特な空気感
- 音響効果の異常で、声や足音が不自然に響く演出
- 地磁気の乱れによるコンパスや電子機器の誤作動



臭い上にゲル状だとそれだけで嫌なイメージを想像できると思います。
そのため存在感は十分なので、環境の描写を細かく入れて、特に儀式なのか封印なのか「何かのルール」に沿って作られている構造や物の配置は伝えていきましょうっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:Joel-Bisaillon様「the Old One called Nyogtha by Joel-Bisaillon on DeviantArt」


- 素材:深砂様「【CoC神話生物素材】ニョグタ SPLL:E198522 – 深砂 – BOOTH」
単品価格:100円
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【相関】
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食屍鬼 従者 |
【関連魔導書】
- 『ネクロノミコン』