01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56
トップ > 神話生物 > 外なる神 > 【完全版】トルネンブラ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
【完全版】トルネンブラ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】トルネンブラ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Trunembra

外なる神

危険度: ★★★★★★★★☆☆

本報告は、アザトースの宮廷において天球の音楽を奏でる、生きた音そのものとして存在する「調律」、トルネンブラについての調査記録である。

形態的特徴として、物理的な姿を持たない純粋な音として存在する常に演奏を続け、波のように強弱を変化させながら自身を作り変え続ける。沈黙は即ち死であるとされ、絶え間ない音の生成が生命活動の本質とされる。

最も重要な役割は、アザトースの宮廷における天球の音楽の演奏である。『ネクロノミコン』によれば、アザトースの眠りを維持する存在の中で最も重要な地位を占めるとされる。初期には純粋な天球の音楽を奏でていたが、新たな聴衆に合わせて曲調を変化させ、メッセージの伝達、呪文の教示、生贄の受領などの機能を獲得したとされる。

その音楽の影響は人間の精神に対して破壊的である。聴取者を前後不覚にさせ、激しい感情の動揺や憤怒を引き起こし、記憶に残り続けることで多くの者を狂気に追い込む。人間による再現の試みは大惨事を招き、観客や演奏者の暴力や発狂を引き起こしている。ただし、極めて稀にこの外宇宙の音楽を理解し演奏できる者の存在が示唆されている。ヴィオル奏者のエーリッヒ・ツァンやキングスポートの隠遁音楽家がその例として挙げられる。

通常はアザトースの宮廷を離れることはないとされるが、稀少な地球への出現記録が存在する。『ナコト写本』によれば、先史時代に「偉大にして破壊的な音」をもたらし、ある種の魔術的結界を破壊して飛行するポリプを解放した。これにより、イスの偉大なる種族との戦争が引き起こされ、当時のイス人がほぼ絶滅に追い込まれたという。

現代的な懸念として、技術の発達により音声の記録や放送の可能性が増大している。全ての音を完全に捕捉することは困難とされるが、人間やミ=ゴによる部分的な記録・再生が実現した場合、極めて強力な兵器となる可能性が指摘されている。

【住処】

  •  アザトースの宮廷(恒常的な所在地)
  • 一時的な宇宙各所への出現

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
不明不明不明不明
POWHPMPDB
3006060不明
ビルド移動正気度喪失
不明音速1D4/2D10

行動

  • 攻撃回数:1回
  • 近接戦闘:100%

装甲

  • なし。
  • 魔力を付与された武器を含む、物理攻撃は全てダメージを与えない。
  • 特定のアーティファクトはトルネンブラを無力化できる。
  • 特定の呪文、魔力を付与された音楽はトルネンブラを一時的に退散させることができる。
  • HPが0になれば音楽が止み無音になる。その後24時間後に復活する。

魔術

  • 呪文:なし。

能力

  • 交響的存在:トルネンブラの曲は止まることがなく、聞き続けると精神に異常をきたす。
  • 音波:建物を崩壊させたり、生物を傷つける音波を放つ。
  • 音速:音の速さで動ける。

恩恵

  • 霊感の調べ:恩恵を受けた者は、この世のものとは思えない曲を作曲できるようになる。
  • 死体を目覚めさせる:曲を奏でている間、死体を目覚めさせることができる。
  • 音の魔法:声だけでなく楽器でも呪文を唱えることができる。

原作「エーリッヒ・ツァンの音楽」では

  • 貧しい大学生の主人公がオーゼイユ街の下宿に引っ越す
  • 同じ下宿の屋根裏部屋にヴァイオリン奏者エーリッヒ・ツァンが一人で住んでいた
  • ツァンは夜な夜な音楽を奏でていた
  • ツァンがカーテンに遮られた窓の外を警戒していることに主人公が気づく
  • ある夜、ツァンの演奏が荒々しい騒音と化し、続いて悲鳴が響く
  • 外から美しい音が聞こえ始めるとツァンも慌てて奏で始める
  • 突風が蝋燭の火を吹き消すが、暗闇の中でもツァンは狂ったように弾き続け最後絶命する
  • その後主人公は逃げ出すが、戻った時にはオーゼイユ街が見つからなかった
筆者:たいき

音楽で音楽を相殺することができるとか、なかなか知らない雑学です。それを邪神にしちゃうのもセンス良すぎました。

シナリオ導入例

1.:録音技術悪用型

  • 世界各地で同じ「呪いの音楽」がインターネット上にアップロードされ拡散
  • 音楽を再生した人々が激しい感情の動揺と記憶障害を起こし、社会問題になる
  • 音楽の解析により、人間の技術では再現不可能な複雑な音波構造が判明する
  • アップロード元を追跡すると、ミ=ゴとの関連を示唆する痕跡が発見される

2:古典音楽再現事故型

  • 音楽大学でエーリッヒ・ツァンの失われた楽譜の断片が発見される
  • 研究者たちが学術的興味から楽譜の復元と演奏実験を計画
  • 最初の演奏会で観客の一部が突然暴力的になり、演奏者も精神錯乱を起こす
  • 演奏された音楽が会場の録音装置に記録され、再生するたびに同様の惨事が発生
  • 大学周辺で原因不明の騒乱事件が多発し、すべて「奇妙な音楽を聞いた」との証言
筆者:たいき

呪文を意図的に唱えずに、音楽にすることで知らない間に呪文を唱えさせられているという、初見じゃ絶対にわからないギミックを用意すると面白そうですっ。

演出のヒント

1:純粋な音としての存在演出

  • 物理形態の欠如:目に見えず触れることもできない、純粋に聴覚のみで認識される存在
  • 音の生命力:音そのものが意志を持ち、生きているかのような有機的な変化
  • 沈黙への恐怖:音が途切れることが即座の死を意味する

2:精神破壊効果の演出

  • 段階的侵食:最初は美しく感じられるが、徐々に心の平静を破壊していく
  • 記憶への定着:一度聞いた音楽が頭から離れず、常に脳内で再生され続ける
  • 感情暴走:理性的な判断力を失い、原始的な感情に支配される状態
  • 暴力誘発:聴取者同士が理由もなく攻撃し合う、音楽による集団狂気

3:稀有な理解者の演出

  • 選ばれし音楽家:エーリッヒ・ツァンのような、天球の音楽を理解できる例外的存在
  • 狂気と天才:常人には不可能な理解力と、それに伴う精神的代償
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

アザトース
関連
イスの偉大なる種族
対立
ミ=ゴ
関連

【関連魔導書】

  • 『ネクロノミコン』
  • 『ナコト写本』

登場作品

カテゴリー一覧