- 「The Inhabitant of the Lake」(キャンベル)
- 「Invocation from Beyond」(バナム)
- 「Ghost Lake」(バーリスン)
- “Delta Green”(デトワイラー、グランシー、タインズ)
【住処】
- 現在:ブリチェスター近郊の湖、世界各地の淡水域(ニューギニアのニューブリテン島など)
- 過去:名もない故郷世界、小惑星都市
本報告は、隕石の破片となって地球に飛来し、複数の水域に分散して存在する異形の存在についての調査記録である。
形態的特徴として、ナメクジのような体型を持ち、顔面から伸びる3本の茎状組織の先端にそれぞれ目を備える。体下部は小さなピラミッド状の突起で覆われ、背部からは無数の金属質の刺が突出している。体表は玉虫色の金属的な光沢を持つ。
起源は酸性の湖と汚染された蒸気に満ちた異界にあり、ユゴス、シャツガイ、トンドなどの世界を彗星に乗って遍歴した後、小惑星都市の地下にある水晶の跳ね上げ戸の下に封じ込められた。この小惑星が地球に衝突した際に砕け散り、グラーキの破片が世界中に飛散。各破片は独立して活動可能だが、特定の淡水域と結びついており、塩水を避ける傾向がある。『グラーキの黙示録』によれば、主要な部分はイギリスのセヴァン谷の湖に沈んでいるとされる。
最も特徴的な能力として、背部の刺に特殊な化学物質を満たし、これを人間に注入することで不死の従者を作り出す。注入された物質は死体内に網状組織を形成し、テレパシーによる完全な支配を可能にする。これらの従者は独自の思考と行動力を保持しつつも、グラーキの命令には絶対的に従う。ただし、約60年で「緑の崩壊」と呼ばれる急速な腐敗が始まり、特に日光に晒されると分解が加速する。
また「夢引き」と呼ばれる超能力で人間を引き寄せる能力を持つが、その効果範囲は限定的である。水晶類への強い関心を示し、従者たちを送って収集させているが、その目的は明確でない。隕石の破片を回収して「生き返らせる」ための試みという説や、自身の回復に必要なエネルギー源とする説がある。
歴史的影響として、1790年頃にトーマス・リーの率いる集団によって近代的な崇拝が始まり、湖畔に居住地を形成したが、1860年代までに全員が失踪。一説では、グラーキを支配しようとして逆に奴隷化されたとされる。
【関連魔導書】
- 『グラーキの黙示録』
【相関】
- 支配:アンデッドの従者たち
- 関連:トーマス・リー(初期カルトの指導者)
- 崇拝:セヴァン谷の住民(1790-1860年代)
【能力】
- 夢引き…従者を増やすために、夢引きで人間を自身に近づけさせる。
- 従者の創造…自身に近づくものにトゲを刺し、それで死んだ者はアンデットになる。
【恩恵】
- 緑の崩壊…グラーキの従者を従える呪文を授かる。
- 長命…恩恵を受けた者は、痛みや苦しみから解放されたアンデットになる。