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【完全版】黒い仔山羊│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】黒い仔山羊│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Dark Young of Shub-Niggurath

奉仕種族

危険度: ★★★☆☆☆☆☆☆☆

本報告は、「古き山羊の落し子」「シュブ=ニグラスの使者」として知られる黒い仔山羊についての調査記録である。

形態的特徴として、一般的には高さ3〜6mの大木に似た姿を持ち、巨大な黒い体、頭部から生える太い触手、ひづめのある足、そして脇からよだれをたらす口を有する。強烈な悪臭を放ち、移動時には湿った引き裂くような音を発する。注目すべきは、その形態が地域によって異なることで、イギリスでは巨大なオークの木、アフリカではバオバブやクワイバーの木に似た姿を取る。さらに、ダーク・サルガッソーと呼ばれる水生型の個体も存在するとされる

この存在は「千匹の仔をはらみし森の黒山羊」という称号を持つシュブ=ニグラスとの関連で語られることが多い。単なる仔としての解釈は誤りとされ、むしろ人類が知る最も一般的な形態の一つに過ぎないとされる。シュブ=ニグラスはこの存在を大量に産み出し、ほとんどの場合、黒い仔山羊を従者として伴って出現する。

存在の本質として、各個体が古き山羊(おそらくシュブ=ニグラス)の意識の一部を持つとされる。黒き母の代理として使者や先触れの役割を果たし、生け贄やカルトの献身を受け入れる。主にシュブ=ニグラスへの崇拝が行われている地域や、「彼女」にとって神聖な地域で目撃される傾向がある

行動パターンとして、非常に知的で有能な狩人である。通常は単独で行動するが、状況に応じて母の意思を実行するために集団を形成することもある。

『エイボンの書』には、この存在の召喚方法が記されている月のない夜に森の奥で石の祭壇の上に血の生け贄を捧げることで、供物を受け入れるために出現するとされる。

特筆すべき異形として、バビロンの廃墟には有翼七頭の黒い獣が君臨するとされ、その七つの頭部には捕食した人間たちの顔が交互に現れ、時に往古の知識を授けるという。

【住処】

  • シュブ=ニグラスのカルトが集まる森林、バビロンの廃墟、海域(水生型)
  • ゴーツウッド

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
(4D6+30)*5(4D6+2)*5(4D6+30)*5(4D6+2)*5
POWINTHPMP
(4D6+4)*54D6*53018
DBビルド移動正気度喪失
+4D6581D3/1D10

行動

  • 攻撃回数:5回
  • 近接戦闘:80%/DB
  • つかむ:80% …最大4人を対象につかむ。捕まれた対象は1D10+5のSTRを吸い取られる。自身の力で抜け出すことはできず、抜け出すにはほかの仲間が対抗STRをロールするか、外的要因が必要になる。
  • 踏みつけ:40%/2D6+DB
  • 回避:40%

装甲

  • 火器によるダメージは1になり、貫通した場合は2、ショットガンも最小のダメージになる。
  • 近接武器は通常のダメージになる。
  • 熱、爆風、腐食、電気、毒による影響を受けない。

魔術

  • 呪文:1D10+5種類の呪文を知っている。

技能

  • 隠密:30%

能力

  • ダーク・サルガッソー:通常大樹のような姿をしているが、大洋にいるときは、海藻のような形態になる。

原作「無人の家で発見された手記」では

  • ウィリー・オズボーンが祖母を亡くし、ルーズフォードの丘に住むフレッドおじとルーシーおばに引き取られる
  • 謎の怪音や悪臭を感じるようになる
  • 「山羊の蹄」のような粘液と、悪臭を帯びた巨大な足跡を発見
  • ウィリーが悪夢にうなされるようになり、夢に怪物が現れる
  • 10月25日の雷雨の日、フレッドおじが親戚のオズボーンを迎えに馬車で駅へ向かう
  • フレッドおじが戻らず、夜に無人の馬車が帰ってくる
  • ルーシーおばが逃げ出すための荷造りをするが姿を消す
  • 井戸の水が緑色の粘性あるものに変わる
  • 10月31日(ハロウィン)、オズボーンが家にやって来る
  • ウィリーがオズボーンを偽物と見抜き、郵便屋のじいさんと逃げ出す
  • 馬車が木の化物に遮られて事故を起こし、ウィリーが投げ出される
  • ウィリーは逃げ出し不気味な儀式を目撃する
  • 家に戻り、板と釘でドアや窓を封鎖
  • ウィリーが手記を記録し「井戸や祭壇を調べてください」と書き残す
  • 何かが家を揺さぶり、ウィリーの手記が途切れる
筆者:たいき

内容はホラー作品らしい緊迫感があって面白かったです。
また、本作はクトゥルフ神話の中でも稀な「少年」が主人公で、かつ少年が理不尽な目に遭います。
少年少女が登場するシナリオを考えている人は読むのをおすすめっ。

シナリオ導入例

1:UMA追跡型

  • 世界各地で「歩く巨木」の目撃が報告される
  • イギリスのオーク、アフリカのバオバブなど、地域ごとに異なる樹種への擬態を確認する
  • 各地の目撃証言で共通する「ひづめの足音」「よだれを垂らす口」の特徴が判明する
  • 黒い仔山羊が向かう先にシュブ=ニグラスの儀式が関連している
  • 海は超えられないと思われていたが、海洋調査中に巨大な海藻状生物との遭遇を報告される
  • 生物が通常の海藻とは異なる知性的行動と、陸上生物的な特徴を併せ持つことが判明する
  • 水生型の黒い仔山羊ダーク・サルガッソーが、海洋を移動していることが発覚する
筆者:たいき

始めは擬態していても集団で移動すると、いずれは絶対にバレます。
その数の多さを全滅させる手段が、現代にあるかどうかです。
森を燃やすのは規模が広すぎるので、間違いなく反対派が現れると思われますし、対処の少なさが難点そうです。

演出のヒント

1:巨木擬態の迷彩演出

  • 一見すると巨大な樹木にしか見えない完璧な擬態能力
  • 突然動き出す「木」への驚愕と自然への不信感
  • 地域の代表的樹種への適応

2:頭部触手の異質演出

  • 樹木の枝ではなく生きた触手である異常な特徴
  • 触手が独立して蠢き、獲物を捜索する

3:悪臭移動音の感覚演出

  • 完璧な擬態でも臭いで存在が判明する
  • 強烈な悪臭による吐き気の誘発
  • 臭いと音により接近が事前察知される
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

全然知恵がなさそうなクリーチャーなのに、森の中で木に擬態できるあたり、生物としての本能を感じる
黒い仔山羊の中でも長い年月を生きているのか、大樹のような貫禄を感じる

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

シュブ=ニグラス

【関連魔導書】

  • 『エイボンの書』

登場作品

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