
【完全版】空鬼/次元をさまようもの│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Dimensional Shambler
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★☆☆☆☆☆☆☆
本報告は、「時空の放浪者」「プレーンの徘徊者」として知られる次元をさまようものについての調査記録である。
この存在の本質については諸説が存在する。独立した次元間種族である可能性と、高位の存在によって時間の秘密の通路に作られた構造体である可能性が指摘されているが、現時点では確証は得られていない。外なる神とグレート・オールド・ワンに時折仕えているとの噂があるものの、個々の動機と目的は依然として不明である。
特筆すべき能力として、宇宙に存在するあらゆるプレーンと世界の間を自由に移動することができ、一箇所に長く留まることはない。転移の過程では、まずチカチカと明滅し始め、その後徐々に消失していく。この移動には4マジックポイントを要し、完了までに1ラウンドを要する。移動中は攻撃や回避が不可能な脆弱な状態となる。
また、物質や生命体を伴って移動することも可能である。対象をしっかりと把持し、運搬対象のSIZ 50ポイントごとに1マジックポイントを追加で消費することで転移が可能となる。このように運ばれた対象は、様々な時間や場所に再出現することがあり、一つまたは複数の次元や領域を通過する奇怪で恐ろしい旅を経験するとされる。
【住処】
- 複数の次元を移動
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
(2D6+12)*5 | (3D6+6)*5 | (2D6+12)*5 | 3D6*5 |
POW | INT | HP | MP |
3D6*5 | 2D6*5 | 17∼18 | 10 |
DB | ビルド | 移動 | 正気度喪失 |
+1D6 | 2 | 8 | 0/1D10 |
行動
- 攻撃回数:2回
- 近接戦闘:45%/1D8+DB
- つかむ:45% …対象をつかんで、次のラウンドに別の次元へと移動する。抜け出すにはSTRかDEXの対抗ロールに勝利する必要がある。もしくはHPの半分以上のダメージを与える必要がある。
- 回避:30%
装甲
- 3ポイント
魔術
- 呪文:40%の確率で、1D3種類の呪文を知っている。
技能
- 隠密:40%・聞き耳:60%・目星:50%。
能力
- 次元間旅行:様々な次元を移動することができる。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「博物館の恐怖」では
- ロンドンにロジャーズ博物館という奇妙な博物館があった
- 博物館には冒涜の神々を模したおぞましい蝋人形たちが展示されている
- その中にノフ=ケーの人形もあった
- オカルトマニアのジョーンズが博物館に通い、館長のロジャースと打ち解けていく
- ジョーンズの軽はずみな一言がきっかけで、ロジャースが怒り始める
- ロジャースが展示品の一部は人工物ではないと告白する
- ロジャースが禁断の書物を解読し、北極の地下に眠る神を発見して持ち帰ったと主張
- 遺跡の写真、血を吸い取られた犬の死骸、邪神像などの証拠をジョーンズに見せる
- ロジャースが次第に興奮を高め、自らを神の神官と名乗り始める
- 信じなかったために、「ジョーンズが博物館で一晩逃げ出さずに過ごせるか」という賭けが成立
- ジョーンズが蝋人形たちの間で恐ろしい夜を過ごすことになる

本作には本物の空鬼は登場してませんが、空鬼のコスプレをしたロジャースが見れます。
シナリオ導入例
1:次元迷子救出型
- 物理学研究所の次元実験中に研究員が謎の存在に連れ去られ、異次元空間に迷い込む
- 目撃者の証言で「チカチカ明滅する人影」が、研究員を掴んで消失したことが判明する
- 数日後、連れ去られた研究員が世界各地のランダムな場所に断片的に出現する
- 研究員の証言から恐ろしい次元間の旅と、案内者の存在について情報を収集
- 帰還するには「門」を創造させるか、探索者に創造させることになる
2:時空犯罪追跡型
- 世界各地で同時多発的に不可能犯罪が発生し、犯人が物理的に移動不可能な状況で現場を離脱している
- 防犯カメラに犯人が明滅しながら消失する映像が記録される
- 犯人が次元をさまようものと契約し、時空移動能力を利用した完全犯罪を実行していることが判明する
- 犯罪現場に残される次元移動の痕跡と、移動先の予測パターンを分析する

次元間を移動するってもはやドラえもんの世界ですっ。
本当に「どこでもドア」があれば間違いなく悪用する人は出てくるでしょう。
演出のヒント
1:明滅消失の演出
- 徐々に薄くなっていく透明化過程
- 明滅が次元移動を示す
2:謎めいた動機の演出
- 行動の理由が全く読めない
- 善意なのか悪意なのか判断のつかない曖昧な関係性
- 時として協力的で時として敵対的な一貫性のない行動
3:運搬の恐怖演出
- 意志に反して異次元へ連れ去られる
- しっかりと掴まれて逃れられない物理的拘束
- 運ばれる先が全く予測できない未知への恐怖



ティンダロスの猟犬は「捕食」という明確な動機がありますが、次元をさまようものにはその動機がありません。
なぜ捕まえるのか、なぜ次元を飛ばそうとするのか、謎だからこその気味悪さを演出しましょうっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:BorjaPindado様「Dimensional Shambler by BorjaPindado on DeviantArt」


- 素材:貝武天の販売窓口様「武天式クトゥルフ神話生物素材集第二弾 SPLL:E194929 – 貝武天の販売窓口 – BOOTH」
単品価格:100円
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登場作品
- 「博物館の恐怖」