- 「宇宙からの色」(ラヴクラフト)
- 「異次元の殺人者」(バートン)
- 『異次元の色彩』(シェイ)
【住処】
- 宇宙空間
- 地球上の一時的な生育地(クラークズ・コーナーズなど)
本報告は、「未知のスペクトルを持つもの」「生命を喰らう色彩」として知られる宇宙からの色についての調査記録である。
形態的特徴として、この存在は地球上で知られる色彩の範疇を超えた未知のスペクトルを持つとされる。生涯を通じて複数の形態を取り、成熟個体は幼胚の入った直径約3インチ(約7.6cm)の球体を産む。この球体が発芽すると外殻が溶解し、ゼリー状の幼生が出現する。地球での滞在中に、より物質的な形態を取るようになる可能性も指摘されている。
この存在は自然法則の異なる宇宙または異次元から飛来するとされる。繁殖サイクルとして、成熟個体が産んだ幼胚は宇宙に放出され、栄養の豊富な環境(肥沃な土壌または浅水)を求めて移動する。
生態的特徴として、幼生は周辺の生態系に著しい影響を及ぼす。影響を受けた地域では、植物が異常に大型化するものの不健全な成長を示し、果実は肥大化するが有毒で強い苦味を持つようになる。また、昆虫や動物には奇形が現れ、夜間には植物が地球のものではない色彩で輝き、強風にさらされたかのようにねじれて揺れ動く現象が観察される。さらに、影響を受けた土地に住む人間の体にも異常な発光現象が現れることが報告されている。
1-2ヶ月で若体に成長すると、棲みかから出て周辺約2ヘクタールの範囲から文字通りの生命力を吸収し始める。人間の場合、皮膚の老化、灰色化、ひび割れ、顔の萎縮、異常な肉腫の形成などの症状が現れる。一度吸収が始まると、動植物を問わず死に至る。十分なエネルギーを吸収した個体は地球を離れ、宇宙空間で成体となる。影響を受けた地域は完全に荒廃し、以後の植物の生育は不可能となる。
地球における確認事例として、1882年にマサチューセッツ州クラークズ・コーナーズ付近での出現が記録されている。現在、この地域は新設されたアーカム貯水池の底に沈んでいる。
【能力】
- 検出…ガイガーカウンターを使えば、その放射線の値で宇宙からの色の存在に気づける。
- 光を避ける…光に弱く、通常は暗い場所に身を潜めている。
- 分解…宇宙からの色が持つエネルギーで物質を分解できる。
- 固体化…体の一部を固体化して物体を動かせるようになる。