- 「未知なるカダスを夢に求めて」『Dreams and Fancies』(ラヴクラフト)
- 「The Winfield Heritance」(カーター)
- 「The Horror at Oakdeene」『Hero of Dreams』(ラムレイ)
【住処】
- ドリームランド(ングラネク山)、荒涼とした人里離れた場所
本報告は、「顔なき翼持つもの」「夢の世界の略奪者」として知られる夜鬼についての調査記録である。
形態的特徴として、この存在は人間に似た体躯を持つが、クジラのような皮膚を持ち、コウモリに似た翼と、ねじれた角を有する。特徴的なのは顔のない黒い身体で、とげのある尾を持つ。適切な感覚器官なしでどのように環境を認識しているかは不明である。武装として時にトライデントを携帯するが、それ以外の道具や武器は持たないとされる。
この存在はドリームランドと覚醒の世界の両方に出現する。ドリームランドではングラネク山に集団で棲息し、群れを形成する傾向があるが、覚醒の世界では単独か小集団での活動が一般的である。主に荒涼とした、人類から遠く離れた場所に出現する。
行動パターンとして、領域に侵入した旅行者を奇襲し、空中に持ち上げる習性を持つ。犠牲者が抵抗した場合、とげのある尾でくすぐり、さらなる抵抗を続ける者は高所から落下させる。抵抗しない者は奇妙で危険な場所(ドリームランドではナスの谷が多い)に連れて行かれ、放置される。
知性に関して、限定的ながらも複雑な作業の理解と遂行が可能で、人間の言語や食屍鬼の早口など、様々な言語を理解する能力を有する。
人間との特異な関係性も報告されており、夢を通じて飛来し、気に入った夢見人の前に覚醒世界で顕現することがある。この関係は一生を通じて継続することもあり、伝説では、死の間際に夜鬼が現れ、物質界を超えた夢の世界へ導くとされる。ただし、この種の関係が常に良い結果をもたらすとは限らず、連れ去られた人間が遠方に捨てられたり、突然死を迎えたりする例も報告されている。
また、魔術師に召喚されスパイや窃盗の任務に従事することもあるが、その忠誠は不確かで、実際には別の主人に仕えている可能性が指摘されている。召喚には夜間に旧き印を描いた石が必要とされるが、詳細な手順は現在まで解明されていない。
【相関】
- ノーデンス(主たる主人)
- 食屍鬼(同盟関係、偵察要員・乗り物として協力)
- イブ=ツトゥル(同盟関係)
- イェグ=ハ(同盟関係)
- ルズの領主たち(同盟関係)
- 人間の魔術師(一時的な主人)