ヴーアミ族

ヴーアミ族

Voormis

奉仕種族
登場作品
概要
関連/他
  • 「The Acolyte of the Flame」(カーター)
  • 「The Scroll of Morloc」(カーター & C.A.スミス)
  • 「アタマウスの遺言」(C.A.スミス)
  • 「七つの呪い」(C.A.スミス)
  • 「The Trail of Tsathogghua」(ハーバー)
  • 「モーロックの巻物」
  • 「ヴーアミによる救済の讃歌」

【住処】

  • 現在:北半球の辺境地域(生存が確認されている場合)
  • 過去:ハイパーボリア(現グリーンランド)、ヴーアミタドレス山、地下洞窟群

本報告は、ハイパーボリアの原住民「洞窟の狩人たち」として知られるヴーアミ族についての調査記録である。

ヴーアミ族は、人類の出現以前からハイパーボリア(現代のグリーンランド)に居住していた原始的なヒト型種族である。その起源については複数の説が存在し、シャタクとツァトゥグァの交配から生まれた下級神格ヴーアムの子孫とする説、ヴァルーシアのヘビ人間によって更新世に奴隷として飼育された種族とする説、さらには地下の洞窟世界から現れた何らかの残虐な生物と人間の女性との間に生まれたとする説がある。

形態的特徴として、通常のヴーアミ族は毛深い人型の姿を持つが、変異型は3〜9メートルにも及ぶ巨大な体格を持ち、より獣的で残虐な性質を示す。これらの変異個体は通常、単独で行動するが、時として集団行動も観察される。現代の伝説に登場するサスクワッチやイェティは、このヴーアミ族の末裔である可能性が指摘されており、トロールの民間伝承もその変異種に由来すると考えられている。

歴史的背景として、ヴーアミ族は初期にハイパーボリア大陸においてグノフケー族を極地方へ追いやり、独自の文明を築いた。地下に居住する傾向が強く、創造主とされるツァトゥグァへの信仰を中心としていた。しかし、その歴史の中でイタクァ崇拝者による反乱が発生し、敗北した反逆者たちは正統なヴーアミ族の国から追放される事態も起きている。

人類との関係は複雑な変遷を辿った。最初期の人類がハイパーボリアに到来した際、ヴーアミ族は彼らに食物と避難所を提供し、科学や魔術の知識を伝授した。しかし、人類の増加に伴いヴーアミ族は徐々に山岳地帯へと後退を余儀なくされ、最大の居留地であるヴーアミタドレス山に集中することとなった。その後、人類は恩を忘れ、ヴーアミ族を娯楽的な狩猟の対象とするまでに関係は悪化した。

ハイパーボリアを襲った寒気の到来により、ヴーアミ族は生存のため人間の村を襲撃せざるを得なくなり、これに対するハイパーボリア人の報復により、種族としてほぼ壊滅状態に追い込まれた。現在では絶滅した可能性が高いものの、北半球の辺境地域に孤立した部族が生存しているとの噂も存在する。

生態的特徴として、ヴーアミ族は主に夜行性で、狡猾な狩猟者として知られる。共同体の利益のために協力して行動する習性を持ち、人間との接触は必要最小限に留める傾向がある。先史時代には軍事的な組織力も持ち合わせており、初期人類や他種族の集落への組織的な攻撃を行い、古代ロマールの滅亡にも関与したとされる。

【関連魔導書】

  • 『ナコト写本』
  • 『ヴーアミ碑板群』

【相関】

  • 血縁:ヴーアム(始祖)、シャタク、ツァトゥグァ(創造説)
  • 対立:グノフケー族、ハイパーボリア人
  • 関連:アフーム・ザー、ウボ=サスラ、クニガティン・ザウム
  • 信仰:ツァトゥグァ(主要)、イタクァ(一部)

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