
【完全版】ヴォルヴァドス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Vorvados
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★★★☆☆
本報告は、焔を焚きつけるもの「砂を騒がせるもの」として知られるヴォルヴァドスについての調査記録である。
ヴォルヴァドスは宇宙の真空を歩む存在であり、無数の世界の様々な時代において、その存在が確認されている。別名として「ヤーナクの灰白湾のヴォルヴァドス」または「ベル・ヤーナクのヴォルヴァドス」としても知られ、特にムーの人々からは地球上で最も強力な神として崇拝されていた。
形態的特徴として、この存在は物理的な顕現を好まず、心霊的なテレパシーを通じた交信を選好する。稀に物理的な顕現を行う場合でも、その真の姿の一部しか現さず、または水晶が鳴るような不可思議な声のみを伝えるとされる。
起源については複数の説が存在する。ノーデンスの夢から生まれたとする説、ノーデンスの破片が時と共に独自の形を取ったとする説、さらにはノーデンスの化身であるとする説など、その出自については未だ明確な結論を得ていない。
特筆すべき特徴として、ヴォルヴァドスは「看守」としての性質を持つとされる。旧き神の意思により拘束された存在を監視する役割を担い、他の旧き神と同様に、外なる神とオールド・ワンを抑制することを主な行動指針としているようである。『イオドの書』によれば、ヴォルヴァドスはグレート・オールド・ワンでも旧き神でもなく、状況に応じて立場を変える存在とされる。
人類との関わりにおいて、ヴォルヴァドスは複雑な性質を示す。その名を唱える者への援助を行うことがあり、特にオールド・ワンやその眷属に対抗する者への支援が報告されている。しかし、その行動は時として理不尽で悪意に満ちたものとなり、自身の務めを妨害する者には破壊をもたらすこともある。
現在、ヴォルヴァドスは眠りの状態にあるとする説があり、その場合、名前を呼んでも応答しない可能性が指摘されている。ただし、そうした呼びかけが夢の中で選別され、夢を通じて応答されることもあるという。
特に重要な点として、ヴォルヴァドスからの援助には必ず報酬が要求される。この報酬は必ずしも生け贄の形を取らず、多くの場合、奉仕という形で支払われる。命令された行動や仕事を遂行することが求められ、一説では生命力(POW)を要求されるとの報告もある。
【住処】
- 現在:宇宙空間(物理的な定住地は不明)
- 過去:ネルグ=クンヤンの山頂(ムーでの崇拝地)
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
225 | 210 | 140 | 100 |
POW | HP | MP | DB |
375 | 35 | 75 | +4D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失(半人) | 正気度喪失(本来の姿) |
5 | 10 | 0/1D4もしくは1/1D6 | 1D6/3D10 |
行動
- 攻撃回数:2回
- 近接戦闘:100%/4D6
- 炎:80%/3D6 …顔や手か炎を吹き出す。10m範囲内の対象にダメージを与える。幸運ロールに失敗した対象は衣服にも火が移る。火は1D4ラウンドの間、1D6の追加ダメージを受ける。
装甲
- なし。MPを1消費する毎に、装甲を1追加できる。
- MPを1消費すると、1D3回復できる。
- HPが0になれば緑の炎に包まれて消える。その後1D100日後に復活する。
魔術
- 呪文:「夢見る人を補助する」・「至福」・「悪魔退散」・「記憶を曇らせる」・「動物に命令する」・「いなし」・「支配」・「精神の溺死注入」・「精神的従属」・「萎縮」・「破壊」・その他キーパーの任意。
能力
- 姿を変える:対象の記憶にいる人物など、任意の姿に変わることができる。
- 退去:人間やその他の存在でも、元の場所へ帰るように仕向ける。
- 真実を見る:どんな偽装でも見破ることができる。
恩恵
- 宇宙的洞察:クトゥルフ神話に関する知識を与える。
- 一時的な恩恵:正しい判断ができる恩恵者には、アーティファクトや呪文を授ける。
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「侵入者」では
- 異次元から地球侵略を企てた侵入者達との戦争で、神官達と共に最前線で戦った
- 現代の作家ヘイワードが時間遡行薬の副作用で、太古の魔物を呼び出してしまった
- 前世の大神官の記憶を思い出したヘイワードが、古代の呪文を唱えることで召喚される
- 「貌」と銀色の靄という形で現れ、異界の闇と冷気に対抗する
- 最終的に異次元の侵入者達を完全に追い出す

本作では、結果的に味方の動きをしてくれましたが、登場人物がかつて神官だったというご都合主義もあります。もし神官がいなかったらどういう結果になっていたのかも気になるところ…。
シナリオ導入例
1:神話生物対抗支援要請型
- 探索者がグレート・オールド・ワンやその眷属による深刻な脅威に直面する
- 通常の対抗手段では全く歯が立たない絶望的状況に追い込まれる
- 古い文献でヴォルヴァドスの名前と「オールド・ワン対抗者への支援」の記述を発見
- 探索者が最後の手段として古代の呪文でヴォルヴァドスの名を唱える
- テレパシー的な交信が始まり、援助と引き換えに具体的な奉仕を要求される
2:封印看守遭遇型
- 古代遺跡や禁断の場所で、何かが封印されている痕跡を発見する
- 探索者たちが調査を進めることで、看守としてのヴォルヴァドスの注意を引く
- 探索者が封印を解こうとする悪人と判断したヴォルヴァドスから、理不尽で悪意に満ちた妨害や試練が次々と降りかかる
- すでに邪神の封印は薄くなっていたが、その試練の中でとうとう封印が解けてしまう
- 状況を把握したヴォルヴァドスと協力関係を築く必要が生じる

一応慈悲はあるけど、ずっと味方という存在ではありません。ツンデレなので、ヴォルヴァドスに優しくして最後助けてもらうみたいな展開にもっていくといいかもしれません。
演出のヒント
1:非物質的交信の神秘性演出
- テレパシー的対話:直接的な会話ではなく、思考に直接響く水晶のような声
- 段階的な接触:最初は夢の中のみ、徐々に現実でも感じられるようになる
- 一方的な選別:ヴォルヴァドス側が交信相手を選ぶ一方的な関係性
- 物理現象の限定性:稀に現れる部分的な顕現や不可思議な現象のみ
2:看守としての威厳と職務演出
- 監視者の重圧感:常に何かを見張っている存在としての威圧的な雰囲気
- 職務優先の冷徹さ:個人的感情より使命を重視する非人間的な判断基準
- 封印の重要性:管理している封印や拘束の絶対的な重要性の強調
- 権威の絶対性:看守としての決定に異議を唱えることの危険性
3:理不尽な豹変と試練演出
- 予測不可能な態度変化:援助者から妨害者へと突然変貌する不安定性
- 試練の意図隠蔽:理不尽に見える行動が実は試練であったことの後からの判明
- 悪意の真意不明:本当に悪意なのか、それとも何らかの意図があるのかの曖昧さ
- 立場変化の基準不明:どのような条件で態度が変わるかの予測困難性



強面だけど良い人というロールプレイを心がけたら、きっとクオリティの高いヴォルヴァドス像が出来上がるかも…!。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- 素材:烏の詐偽小屋様「クトゥルフ神話TRPG 神話的生物立ち絵陸 SPLL:E110042 – 烏の詐偽小屋 – BOOTH」
セット価格:500円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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ノーデンス 父または本体説 |
【関連魔導書】
- 『イオドの書』
登場作品
- 「侵入者」(カットナー)
- 「The Eater of Souls」(カットナー)
- 「Wizards of Hyperborea」(フルツ&バーンズ)
- 「The Star-Seed」(アンブール)