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【完全版】ルリム・シャイコース│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】ルリム・シャイコース│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Rlim Shaikorth

グレート・オールド・ワン

危険度: ★★★★★★★☆☆☆

本報告は、「白蛆」「氷の要塞の支配者」として知られるルリム=シャイコースについての調査記録である。

形態的特徴として、この存在は巨大な白い蟲の姿を持ち、象海豹よりも大きな体躯を有する。その頭部は肉厚な白い円盤状で、歯も舌もない口裂を持ち、2つの眼窩からは血のように赤い眼球のような小玉が絶えまなくしたたると報告されている。

この存在は先史時代、ムー・トゥーランの古代大陸に出現してこれを滅ぼしたとされる。『エイボンの書』によれば、ハイパーボリアが世界の強国だった時代に太陽系の外から地球に飛来し、氷の要塞イイーキルスに乗って北極から南へと移動を開始したという。その航跡は強大な呪力によって万物を凍結させ、触れた者すべてを即死させる寒気で荒廃させたとされる。

現在、この存在は氷づけの要塞イイーキルスとともに世界中の海を漂流しているとされる。この状況について、複数の説が存在する。一説では旧きものの魔術により、ルリム=シャイコースとその城塞都市の時空間が分断され、終わりなき旅の円環に置かれたとする。別の説では、この存在は地球を離れたことはなく、現在も氷山の中で地球の潮流を漂っているとされる。

イイーキルスの出現は、信奉者にとっては喜ばしい徴であるが、他者にとっては死の先触れとされる。船乗りたちの間では、奇妙な神殿の尖塔がそびえる漂流氷山の目撃譚が伝えられており、「悪魔の氷山」と呼ばれ、その「悪魔の冷気」は船を吹き飛ばし、帆も動力も凍結させるという。硬く凍りついた船乗りや、氷で覆われた港とその行方不明になった住人についての伝承も残されている。

この存在の起源については、アフーム・ザーの落とし子として地球に送られ成熟したとする説と、地球外で生まれ豊富な餌を求めてこの惑星に引き寄せられたとする説が対立している。魔術的能力に関しては、実質的に全知全能とされ、特に氷結と寒気に関する強大な力を持つ。

特筆すべき関係として、イーリディームと呼ばれる幽霊のような種族との関連が示唆されている。これらは寒気の中でも生存できるよう作り変えられた偉大な魔術師たちであり、ルリム=シャイコースの召使いあるいは代理人として、旅する氷山に同行している可能性がある。

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
12525015060
POWHPMPDB
1004020+3D6
ビルド移動正気度喪失
491D4/2D8

行動

  • 攻撃回数:1回
  • 近接戦闘:75%/1D10
  • 血液:ルリム=シャイコースの血液がかかると、凍傷になり1D10のダメージを受ける。服や攻撃方法で変わり、幸運ロールを振らせても良い。
  • 飲み込み:50% …飲み込まれた対象は一度だけ抜け出すチャンスがある。跳躍か回避ロールでクリティカル成功する必要があり、失敗した場合死亡する。

装甲

  • 10ポイント。
  • 切ったり刺したりする攻撃は、ルリム=シャイコースの血が飛び散ることになる。
  • HPが0になれば溶けて液体となり、その後凍る。イイーキルスの上の場合、イイーキルスは1D10ラウンド後に他の次元に消えていく。その後4D100時間後に復活する。

魔術

  • 呪文:「膨張」・「パズズの息」・「ルルイエの霧の創造」・「精神力吸引」・「夢を送る・「セイレーンの歌声」・「パズズの怒り」・その他キーパーの任意。

能力

  • イイーキルス:イイーキルスは周囲の気温を急激に下げ、近くにいる生物は凍りつく。
  • 護衛:冷たきものがついている。
  • 氷の接触:ルリム=シャイコースが触れたものは凍り、火をあてても溶けることはない。
  • 子守唄:ルリム=シャイコースの声を聞いたものは眠りにつく。

恩恵

  • 氷の手:両手から寒気を出し、触れたものを凍らせることができる。

原作「白蛆の襲来」では

  • ムー・トゥラン半島で真夏にもかかわらず異常な寒冷現象が発生
  • 凍死した乗員を乗せたガレー船が海岸に漂着
  • 地元住民が遺体の火葬を試みるが焼け残り、異常な冷気を放つ
  • 沖合いに巨大な氷山が現れ、その光を浴びた者たちが凍死
  • エウァグが館ごと氷山内部に転移させられる
  • ドーニとウクス・ロッダンという二人の魔術師と出会う
  • 巨大な白蛆ルリム・シャイコースと対面し、表面上崇拝を誓う
  • イイーキルスには計8人の魔術師が集められる
  • 魔術師が一人ずつ姿を消していく
  • エウァグが最後の崇拝者として残される
  • 眠るルリム・シャイコースの体内から、消えた仲間たちの声が聞こえる
  • 魔術師たちが実は食料として集められていたという真実を知る
  • ドーニから弱点が脇腹にあることと「神を殺す者は自身も死ぬ」と助言される
  • エウァグがルリム・シャイコースの脇腹を剣で刺す
  • 黒い粘液が噴出し、エウァグが氷山から転落して死亡
筆者:たいき

仲間を助けるために自分の命を張れるかどうか。究極の人間性が現れそうです。
イイーキルスに招待された時点で、寒さに耐えられる体に変えられているので、どちらにせよ元の生活には戻れないんですけどね…。

シナリオ導入例

1.:氷害型

  • 世界各地の港で同時多発的に異常な寒波と、港の凍結事故が発生
  • 被害地の共通点として、事前に「悪魔の氷山」の目撃情報が報告されている
  • 海運会社や保険会社が巨額の損失を被り、国際的な経済問題に発展する
  • 探索者は海事関係者、保険調査員、または国際機関職員として事態に対処する
  • 船乗りの伝承と『エイボンの書』の記述から氷山の正体が判明する

2:氷山遭遇型

  • 北極海を渡る船が謎の巨大氷山を発見し、内部に古代神殿の構造を確認
  • 氷山接近と共に船の計器が異常を示し、エンジンや暖房設備が次々と停止する
  • 氷山から放射される超自然的な寒気で、乗組員の一部が凍死状態に陥る
  • 探索者は科学者、船員、または救助隊として氷山調査に参加する
筆者:たいき

ルリム=シャイコースは対話が可能ですが、慈悲があるわけではありません。
食料を貯蓄しているだけでお腹が減れば食べられます。
逆に言うと、食べられるまでは期間があるので、タイムリミット付きのシナリオが作れそうですっ。

演出のヒント

1:頭部の異形演出

  • 歯も舌もない口裂の不気味な開閉動作
  • 血のように赤い液体が絶えず滴る
  • 眼窩から流れ出る液体が氷上に赤い軌跡を作り、ルリム=シャイコースの行動がわかる

2:絶対零度寒気の致死演出

  • 呼吸した瞬間に肺が凍結する恐怖
  • 金属製品や機械が脆くなり砕け散る
  • 一瞬で凍死に至る即死的な危険性

3:終わりなき漂流の絶望演出

  • 目的地のない永遠の旅への閉塞感
  • 旧神すら封印できない氷山
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

赤く流れる球は涙ではないが、孤独に泣いているようにも見える
ただの芋虫ではなく、赤い液体を落とし続けることの異様さ儚さを感じる

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

アフーム・ザー
親説

【関連魔導書】

  • 『エイボンの書』

登場作品

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