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【完全版】リリス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】リリス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Lilith

グレート・オールド・ワン

危険度: ★★★★☆☆☆☆☆☆

本報告は、「夜の悪魔」「夢の支配者」として知られるリリスについての調査記録である。

形態的特徴として、この存在は複数の姿態で出現することが確認されている。最も一般的な形態は、不吉な美を湛えた不老の女性の姿であり、雪花石膏のような滑らかな肌、豊かに波打つ漆黒の髪、石炭のように黒く輝く目を持ち、唇は肉欲的な深い赤色を呈する。時には背中から翼が生えることもある。また、別の形態として、輝くうろこに覆われ、りん光を放つ長い四肢を持ち、獣のような、あるいは堕落した特徴を有する人型の姿でも現れる。

一部の魔導書は、これらの外観の下に隠された真の姿について言及している。それによれば、リリスの本質は卵形の怪物であり、そこから六対の巨大な四肢が伸び、各四肢にはかぎ爪のような指が付いているという。

歴史的背景として、この存在は人類の記録の中で最も古くから言及されている神話的存在の一つである。最古の記録は紀元前2,000年以前のシュメールの叙事詩『ギルガメシュとフルップの木』に遡り、その後バビロン、エジプト、ギリシャ、ヒッタイト、ヘブライなど、多くの古代文明の文献に登場する。特にバビロンの悪魔論では、女性と子供を餌食にする存在として描かれ、追放のための魔除けの言葉が記されている。旧約聖書においては荒野の魔物として描かれ、預言者イザヤによって追放されたとされる。

一説によれば、リリスはかつて強力な謎めいたオールド・ワンであったが、地球のドリームランドに追放される(あるいは逃亡し)、そこで大いなるもの(ドリームランドの神々)として生まれ変わったとされる。その後、人類の黎明期より地球の夢に影響を及ぼし、様々な姿を通じて人類の意思を操ってきたという。現在は主に夢の中に囚われているとされるが、覚醒世界に一時的に実体を持って顕現する能力を保持している。

将来に関する予言として、いつの日かリリスがドリームランドの牢獄から十分な力を取り戻し、世界と世界の間にある場所や神殿へ旅立つとされている。その後の展開については不明である。

この存在の正体については諸説が存在する。一部の研究者はリリスをニャルラトテップの巧妙な偽装と考え、また別の者たちは独立した神格であると主張する。ニャルラトテップとの関係については、かつての何らかのつながりが敵対や憎悪に変質したとされ、両者は常に覇権や支配を求めて争っているという説もある。また、シュブ=ニグラスの異称であるとする説も存在する。

【住処】

  •  ドリームランド

ステータス(7版)(人型/異形)

STRCONSIZDEX
100/150250/25065/360100/120
POWHPMPDB
15031/6130+1D6/+5D6
ビルド移動正気度喪失
2/610/101D4/1D10

行動

【典型的な人の姿】

  • 攻撃回数:1回
  • 近接戦闘:85%/1D6+1D6
  • 噛みつきまたはキス:60%/1D4+1D6またはMPの吸収

【典型的な異形の姿】

  • 攻撃回数:4回(近接戦闘)・1回(キス)
  • 近接戦闘:85%/2D6+2D6
  • キス:70%/5D6

装甲

  • 5ポイント(人の姿)・10ポイント(異形の姿)
  • 日中は普通の武器でダメージを与えられるが、日没後は普通の武器はダメージを与えない。
  • MPを1消費するとHPが1回復できる。
  • HPが0になれば崩れて塵と化す。その後2D8日後に復活する。

魔術

  • 呪文:「獣を目覚めさせる」・「敵の拘束」・「記憶を曇らせる」・「動物に命令する」・「骨格を溶かす」・「若さを吸い取る」・「内臓摘出」・「恐怖の注入」・「死体を起き上がらせる」・「破壊」・その他キーパーの任意。

能力

  • 惑わす魅力:人の姿で現れ人を魅了し、魅了された人間はリリスのために働く。
  • 通り抜ける:実体を持ちながら、どんな障害物でも通り抜けることができる。
  • 夢の会話:人間の夢に干渉でき、リリスへの奉仕を促すような夢に作り替える。
  • キス:キスした対象から魔力を吸い取る。

恩恵

  • 魅惑:性別を問わず対象を惑わすことができる。
  • 壮麗な夢:ドリームランドに行き、リリスのための仕事をする。

原作「レッド・フックの恐怖」では

  • アイルランド人刑事トーマス・マローンがバトラー・ストリート署に勤務
  • ロバート・サイダムが区役所付近で、不審な外国人と接触を繰り返すようになる
  • マローンがサイダムの奇妙な行動に注目する
  • 親族たちがサイダムに圧力をかける
  • サイダムが高貴な女性コーニリア・ゲリトセンとの結婚を決める
  • 蒸気船の上で結婚式が執り行われる
  • 新郎新婦の無残な遺体が発見され、遺体から一滴の血も見つからない
  • サイダムの署名入り書類に従い、彼の遺体が得体の知れないアラブ人とその一党に引き渡される
  • マローン刑事が調査し、リリスの本来の姿と対面することになる
筆者:たいき

警察物の作品が少ない中で、わかりやすく面白かったです。ただサキュバス的なリリスを想像している人には、残念な作品かもしれません。

シナリオ導入例

1.:夢侵食感染型

  • 都市部で「美しい悪夢」に関する相談が、精神科医の元に殺到し始める
  • 患者たちが共通して「黒髪の美女」に誘惑される夢を見た後、現実との境界が曖昧になる
  • 夢の中でリリスと接触した女性たちが次々と行方不明になり、子供への攻撃性を示す事例も発生

2:ドリームランド脱出阻止型

  • ドリームランドを旅する探索者が、「夢の女王」を名乗る美女の宮廷に招待される
  • 宮廷では数多くの囚われた夢見る者たちがリリスに仕えて力を提供している
  • 女王が覚醒世界への帰還計画を語り、探索者に協力を求める
  • 大いなるものたちがリリスの脱出を阻止しようと動き始める
  • 探索者は夢の世界の冒険者として、または巻き込まれた一般人として選択を迫られる
筆者:たいき

ニャルは美男子で、リリスは美女です。どっちも高APPなので、一見するとニャルと勘違いさせることができるかもしれません。美女の誘惑に負けた探索者は吸血されて、リリスの手下になるのも乙かも…。

演出のヒント

1:美貌の魅惑演出

  • 完璧すぎる美しさが、非現実的で不気味な魅力
  • 雪花の肌の冷たさと、石炭のような瞳の対比
  • 美に見とれているうちに理性と判断力が奪われる

2:夢現境界の曖昧化演出

  • 夢の中の出来事が現実に影響を与える
  • 起きているのか眠っているのかわからない

3:女性子供狙いの本能的恐怖演出

  • 最も守るべき存在への攻撃による原始的な恐怖と怒り
  • 母性や無垢への冒涜による、道徳的な怒りと絶望
  • 被害者の無力さが際立つ
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

リリスをアイドル化するという需要に需要を重ねてすばらしい作品となっている
血を吸うリリスはあくまでも異形の存在だが、どこか人間らしい笑顔で憎めない

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

ニャルラトテップ
対立
シュブ=ニグラス
同一存在説

【関連魔導書】

  • 『悲哀の詩篇』(発行年および著者不明)

登場作品

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