
【完全版】ラーン=テゴス│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※
Rhan-Tegoth
目次
基本設定・概要
危険度: ★★★★★★☆☆☆☆
本報告は、「饗宴に列するもの」として知られるラーン=テゴスについての調査記録である。
形態的特徴として、この存在は球形の胴体を持ち、先端が蟹の鋏状になった六本の長い手足を有する。泡状の頭部には三角に位置する魚の目と、長さ一フィートの鼻を持つ。全身には吸引管が密生しており、これを用いて生贄の血を吸い取るとされる。
このグレート・オールド・ワンはユゴス(冥王星)に起源を持ち、約3万年前(一説では300万年前)に地球へ飛来したとされる。かつて現代のアラスカ周辺地域を支配し、「象牙の玉座」の上に「宮廷」を開いていたという。『ナコト写本』によれば、この時代のラーン=テゴスはノフ=ケーや人肉食の原人(おそらくヴーアミ族)から崇拝を受け、崇拝者たちは生贄として常に血を供給していたとされる。
この存在の起源については諸説が存在する。『ナコト写本』の記述から、シュブ=ニグラスの落とし子とする説がある一方、その解釈に異を唱え、ツァトゥグァの落とし子とする説も存在する。現時点では更なる証拠の発見を待つ必要がある。
特筆すべき特性として、ラーン=テゴスは絶えず何かを食らい続ける必要があるとされる。供物が減少し途絶えると、冬眠あるいは死に近い深い眠りに落ちる。多くの学者は、この深い眠りが栄養不足によるものであれ旧き魔術によるものであれ、今回が最後の「入眠」になると考えている。『ネクロノミコン』は「饗宴に列するもの」を星辰正しき刻に最初に目覚めるものとして言及しており、一部の研究者はこれがラーン=テゴスを指すと解釈している。
現代において、北米とカナダを中心とした考古学的発掘調査で、この存在に類似した大小様々な石像や偶像が出土している。特に注目すべき事例として、ある博物館に収容された巨大な彫像が「生き返った」という報告があり、これが事実であれば、ラーン=テゴスが一時的に覚醒し、地上の似姿を通じて顕現する能力を持つ可能性が示唆される。
20世紀初頭には、ロンドンろう人形館の館長がフォート・モートンからノアタック川をさかのぼり、ラーン=テゴスの都市の廃墟を発見したとされる。巨大な象牙製の王座に眠る神を発見し、これをロンドンに持ち帰ったとされるが、この探検家はその後姿を消し、「像」はオンタリオ美術館に売却された。当初アレウト族の彫刻と考えられていたが、ある大学院生によって偽物と断定され、その後像は消失したという。
【住処】
- 現在:アラスカのヌトカ河上流の石造都市地下三階(象牙の玉座)
- 過去:北極圏地域
ゲーム上ステータス・能力・恩恵等
ステータス(7版)
STR | CON | SIZ | DEX |
200 | 300 | 150 | 75 |
POW | HP | MP | DB |
175 | 45 | 35 | +3D6 |
ビルド | 移動 | 正気度喪失(捕食を見た時) | 正気度喪失(本体) |
4 | 10 | 1/1D6 | 1D6/1D20 |
行動
- 攻撃回数:1D6回(かぎ爪でつかむ)・1回(捕食する)
- 近接戦闘:80%/2D6
- わしづかみ:対象をわしづかんで3D6のダメージを与える。次のラウンドに押さえ込んで捕食する。抜け出すにはSTRかDEXでクリティカル成功する必要がある。
- 捕食する:対象を胴体に引きずり込んで触肢を刺す。血を捕食して毎ラウンド1D6+1のダメージを与える。
装甲
- 10ポイント。
- CONが300以上の時、毎ラウンドHPが1回復する。
- HPが0になれば石になる。その後1D100年後に復活する。
魔術
- 呪文:「記憶を曇らせる」・「ヨグ=ソトースのこぶし」・「悪夢」・「シュド・メルの赤い印」・「胆汁の噴出」・「破壊」・その他キーパーの任意。
能力
- 飢餓:ラーン=テゴスが起き続けるには毎日血液の摂取が必要で、怠るとすぐに眠りにつく
- 肉体の最適化:冬眠している時、皮膚が硬化する。
- 不死の眠り:ラーン=テゴスが眠りについても、半径1.6km以内にいる人間が、夢による接触がされる。
恩恵
- 不死の眠り:何百年、年千年と冬眠できるようになる。
- 飢餓:血を飲み、また与えることができるようになり、そうすることで自身の寿命や他の寿命、傷をも癒せるようになる
シナリオ導入例・演出のヒント
原作「博物館の恐怖」では
- ロンドンにロジャーズ博物館という奇妙な博物館があった
- 博物館には冒涜の神々を模したおぞましい蝋人形たちが展示されている
- その中にノフ=ケーの人形もあった
- オカルトマニアのジョーンズが博物館に通い、館長のロジャースと打ち解けていく
- ジョーンズの軽はずみな一言がきっかけで、ロジャースが怒り始める
- ロジャースが展示品の一部は人工物ではないと告白する
- ロジャースが禁断の書物を解読し、北極の地下に眠る神を発見して持ち帰ったと主張
- 遺跡の写真、血を吸い取られた犬の死骸、邪神像などの証拠をジョーンズに見せる
- ロジャースが次第に興奮を高め、自らを神の神官と名乗り始める
- 信じなかったために、「ジョーンズが博物館で一晩逃げ出さずに過ごせるか」という賭けが成立
- ジョーンズが蝋人形たちの間で恐ろしい夜を過ごすことになる

ラーン=テゴスは運び出されてるとこからもわかる通り、実はそこまで大きくないんですよね。他の邪神と規模感が全然違うので、本作もちょっとかわいいペット感がありました。
シナリオ導入例
1.:博物館石像覚醒型
- 自然史博物館で新たに展示された巨大石像が注目を集める
- 展示開始直後から館内で原因不明の「吸血事件」が発生し始める
- 夜間警備員が石像の周囲で血痕と、像の位置が微妙に変化していることを報告
- 探索者は学芸員、警備員、または考古学者として異常事態に遭遇
- 古代文献の調査でラーン=テゴスの石像顕現能力と血液供給の必要性が判明する
2:消失した像の追跡型
- 美術館から消失したラーン=テゴス像の行方を追う
- 像の転売ルートを辿ると、世界各地の富豪コレクターに類似品が流通していることが判明する
- コレクター周辺で謎の失血死事件が相次ぎ、被害者は全て健康な若者
- 偽物か本物か見分けがつかない繊細な作りで、調査が長引くほど被害が増えていく

ラーン=テゴスと言えば美術館!。原作のイメージかもしれませんが、石像ですし美術館にあっても違和感ないです。
もちろん邪神として展示されるとまずいので、あくまでもモチーフがわからない謎の石像として展示して、被害が出てから「まさか石像が…」という流れが自然かもっ。
演出のヒント
1:全身吸引管の生理的嫌悪演出
- 無数の管が蠢き、血を吸い上げる湿った音響効果
- 血液が管を通って流れる様子が透けて見える
- 吸血後に管が膨らんで赤黒く変色する
2:深い眠りの静寂演出
- 栄養不足による仮死状態の不気味な静けさ
- いつ目覚めるかわからない時限爆弾的な不安感
3:頭部の異質性演出
- 三角配置の魚の目による、非人間的で冷たい視線
- 一フィートの長い鼻がまるで触手のように動く



サイズがそれほどなくても、やってることは吸血でグロテスクです。人間の血にこだわりがあるわけではないので、とりあえず別の生き物の穴だらけの死体を見せて異常性を示すといいかもっ。
イラスト・ファンアート・素材紹介


- イラスト:Disezno様「Rhan Tegoth by Disezno on DeviantArt」


- 素材:9の隠れ家様「神話生物素材 ラーン=テゴス – 9の隠れ家 – BOOTH」
単品価格:200円
他の神話生物・魔導書との関連
【相関】
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ヴーアミ族 配下 |
【関連魔導書】
- 『ナコト写本』
- 『ネクロノミコン』