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ヨグ=ソトース

ヨグ=ソトース

Yog-Sothoth

外なる神
登場作品
概要
関連/他
  • 「ダニッチの怪」(ラヴクラフト)
  • 「暗黒の儀式」(ラヴクラフト)
  • 「丘の夜鷹」(ラヴクラフト)
  • 「チャールズ・デクスター・ウォード事件」(ラヴクラフト)
  • 「銀の鍵の門を越えて」(ラヴクラフト&E.プライス)
  • 「暗黒の儀式」(ラヴクラフト&ダーレス)
  • 「Glimpses」(アタナシオ)
  • 「Zoth-Ommog」(カーター)
  • 「ハイストリートの教会」(キャンベル)
  • 『Outside the Circles of Time』(グラント)
  • 「聖人アゼダラク」(C.A.スミス)
  • 『The Winds of Zarr』(ティアニー)
  • 「電気処刑器」(デ・カストロ)
  • 「博物館の恐怖」(ヒールド)
  • 『魔道書ネクロノミコン』(ヘイ)
  • 『Prey』(マスタートン)
  • 「The Statement of One John Gibson」(ラムレイ)
  • 『The Transition of Titus Crow』(ラムレイ)
  • 「地底の足音」(水木しげる)

【住処】

  • 次元の狭間(実在の宇宙と暗黒空間の間)

本報告は、「戸口に潜むもの」「鍵にして門の守護者」「球が出会う場所の門の鍵」として知られるヨグ=ソトースについての調査記録である。

形態的特徴として、その本質は虹色に輝く球体の集積として現れ、固体、液体、気体のいずれの形態も取り得る。化身の一つである戸口に潜むものは黒い無定形の怪物として出現し、別の化身であるラマセクヴァはヒンドゥーの神格のような多手足を持つ人間の姿を取るとされる。時空の混沌のただなかでは、原初の粘液として泡立つ、触角のある無定形の怪物として人間の目に映じるという記録もある。

われわれの現実に干渉する際は、その一部しか顕現しないため、真の大きさは未知である。記録された顕現では100mから1km以上まで大きさが変化し、時には天空を埋め尽くすほどの規模に達したという。この可変性は次元を渡る「穴」の大きさに制限されているとする説や、旧きものの魔術による制約を受けているとする説がある。ヨグ=ソトースが触れたものは、ほぼ確実に破壊されるとされる。

この存在は実在の宇宙と暗黒空間の間、次元の狭間に棲まうとされる。『ネクロノミコン』によれば、すべての時空と同一の広がりを持ち、万物を一度に含有できる存在である。アザトースに匹敵する全能の力を持つとされるが、アザトースとは異なり、物質の大規模な操作や宇宙の改変は行わず、むしろ万物の知識が宿る結合組織のような性質を持つ。

現在は宇宙の外側に「閉め出されて」おり、直接的な干渉には人間による招来を必要とするという。一説では、すべての空間と時間が一点に収束する場所に旧き神によって封じ込められているとされるが、そのような場所は脱出不可能な重力効果を生み出すはずであり、疑問も呈されている。また、平行次元に棲んでおり、空間と時間のいずれかにのみ出現でき、その両方には出現できない可能性も指摘されている。

この存在は数多くの神話存在との血縁関係が示唆されている。シュブ=ニグラスとの間にナグとイェブを、また単独でヴルトゥーム、クトゥルフ、ハスター、そしておそらくサイサロスを生み出したとされる。さらにイブ=ツトゥルとの関連も示唆されている。これらの関係は、ヨグ=ソトースが時空をまたいで自身を拡張するための手段である可能性が指摘されている。

人類との関わりにおいて、蛇人間と人間の魔術師双方が歴史上この存在を招来してきた。アステカ族やアヴェロワーニュの人々など、地球上の様々な文化で崇拝の対象となっているが、これらの信仰が一般的であったとは考えにくい。崇拝者たちはヨグ=ソトースを聖なる知恵の授与者とみなし、魔術的知識や万物の秘密を求めた。特定の魔術師たちは、時間と空間の限定的な制御能力と引き換えに崇拝を行い、空間の歪曲や時間からの離脱といった力を得たという。しかし、最終的にヨグ=ソトースはこれら道を踏み外した者たちの精神を支配下に置き、肉体の破壊によってもこの運命からは逃れられないとされる。

特筆すべきは人間との接触を通じて「子」を残そうとする傾向であり、これは現実世界における永続的な存在を得るための手段とされる。1913年から1928年のダニッチ事件以外、この形での顕現は成功していないとされる。また、一説では地球の生命を捕食するための手段として「子」を残そうとしているという解釈もある。

ヨグ=ソトースの召喚には、高い石の塔あるいは環状列石が用いられ、知的生物の生贄が必要とされる。伝統的には収穫祭(8月1日)が選ばれ、メイ・イブも可能とされるが、いつでも招来可能とする説もある。ただし、その名前を正しく発音することは召喚者の破滅を招くとされる。

星辰正しき刻において重要な役割を果たすとされ、この点については多くの研究者が同意している。「鍵にして門」という名は新時代の予言と考えられ、ヨグ=ソトースは文字通り鍵と門の両方の役割を担うとされる。これにより、この存在が2つに分かれながらつながっており、両者が揃わなければオールド・ワンたちの帰還する道を「解錠」できないとする解釈も存在する。

この存在に関しては、いくつかの興味深い説が存在する。一説では、ヨグ=ソトースは無名の霧の落し子であるとされるが、一般的には永遠の存在とされている。また、現実世界に現れるウムル・アト=タウィルは実際にはヨグ=ソトースが変装した姿であるという説や、UFOの顕現がヨグ=ソトースの出現の結果であるとする説も存在する。深淵の守護者コロンゾンとの関連性を指摘する説もあり、ケネス・グラントはこの関係性に特に注目している。

さらに特異な説として、ヨグ=ソトースが大いなる深淵の大帝ノーデンスと完全に相対する存在であり、時の終わりまでノーデンスを追跡し続けるとするものがある。また、モーゼによって解放されるまでシナイ山の旧き印の下に封印されており、ヤハウエは実際には外なる神の顕現であったとする説も存在する。加えて、ヨグ=ソトースは召喚した存在、召喚の時、そして神をこの次元にとどめる存在という三位一体から成るとする解釈もあるが、これらの説はいずれも広い支持を得ているとは言い難い。

【関連魔導書】

  • 『ネクロノミコン』
  • フォン・ユンツト『無名祭祀書』
  • 『断罪の書』
  • 『内省録』

【相関】

  • シュブ=ニグラス(ナグとイェブの共同創造者)
  • ヴルトゥーム、クトゥルフ、ハスター、サイサロス(子)
  • イブ=ツトゥル(関連が示唆される)
  • アザトース(宇宙の支配権を共有)
  • ノーデンス(対立関係)
  • ミ=ゴ(「彼方なるもの」として崇拝)
  • もやで出来た知性体(神秘的な印として認識)

【能力】

  • 知識…宇宙の真実や呪文などを授ける
  • 怪物を召喚する…自身に仕えている神話生物を召喚することができる
  • 旅…ヨグ=ソトースが触れたものは、あらゆる次元を物理的に移動できる

【恩恵】

  • 全知…未来の出来事を教える
  • アーティファクト…他の次元を見ることができる鏡などを授ける
  • 宇宙的な知識…自身の持つ虹色の球にさまざまな事象を移して、恩恵者に知識を与える
  • 怪物を召喚する…下級の神話生物を召喚して従えることができる
  • 復活…復活の呪文を教えてもらえ、それを使用することで不死の体を手に入れることができる
  • 旅…宇宙や他の次元などを行き来することができる

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