- 『グラーキの黙示録』(「下劣なるもの」としての言及)
【住処】
- 「不浄の間」(小異次元空間)
本報告は、「下劣なるもの」「むさぼり続ける怪物」として知られるユー=メンティスについての調査記録である。
この存在は、イゴーロナクと何らかの血縁関係にあるとされ、時折漠然とした類似性が観察されている。一部の研究者はイゴーロナクの化身や別の姿であると示唆する一方、『苦痛の黄本』では別個の存在としながらも、一種の双子のような関係性を示唆している。
形態的特徴として、人間との接触時には半人の姿を取ることが知られている。この姿は人間にとって魅力的、あるいは少なくともたくましく興味をそそるものとして映るとされ、これは獲物を魅了し引きつけるための一種のおとりと考えられている。イゴーロナクと同様、真の姿は人間の崇拝者からは隠されているとされる。
能力の特徴として、他の生物に対して強力な影響力を持つ。特に、動物や人間を暴食マニアに陥らせ、見たものすべてを食らい尽くすことしか考えられない状態に追い込む力を持つ。また、『苦痛の黄本』によれば、自身の肉の一部を食らわせることで他者に憑依する能力を有するという。
この存在は「不浄の間」と呼ばれる場所に封じ込められている。これは世界から切り離された「完全に囲まれた空間」であり、ユー=メンティスを制限するために作られた小異次元空間だと考えられている。この隔離空間には通路が存在し、そこを通じて接触が可能であると同時に、ユー=メンティス自身も時として短期間だけ現実世界に侵入することができる。
この存在への崇拝は特に忌まわしいものとされる。選ばれた信者は隔離され、「生け贄として熟する」まで強制的に食事を与えられ続ける。こうして肥満した生け贄は、顕現したユー=メンティスの餌食となる。
一説によれば、この存在を封じ込めている牢獄の次元は、そのむさぼり続ける性質から万物を平らげてしまうことを防ぐために作られたという。際限のない捕食により巨体が成長を続けた場合、最終的に牢獄の「壁」が耐えられなくなる可能性も指摘されている。
【関連魔導書】
- 『苦痛の黄本』
【相関】
- イゴーロナク(血縁関係または同一存在の可能性)
【能力】
- 成長…拘束されているため、その大きさに上限があるが、地上に顕現した時は際限なく巨大化する。
- 憑依…ユー=メンティスの肉を食べた者の体に最大七日間憑依できる。
【恩恵】
- 食べたものになる…生き物の全身を食べると、その姿に変身できるようになる。
- おぞましき治癒…生きた人間を食べると、体の傷が癒える。