【住処】
- ティンダロスの街(超空間)
本報告は、「ティンダロスの大君主」「角を持つ食らうもの」として知られるミゼーアについての調査報告である。
形態的特徴として、肉体、光、その他の異質な物質から成る複数の角状構造を持つ。我々の次元とは異なる存在であるため、その全容を認識することは不可能とされる。稀に次元の位相が重なった際には、紫がかった黒煙を纏った巨大な狼のような姿として知覚されることがあり、北欧神話のフェンリルの原型である可能性が指摘されている。
超空間と呼ばれる現実の外側に存在するティンダロスの街に常駐し、そこから出ることはないとされる。その本質について、外なる神に分類する説もあるが、既知の次元の生命系統とは無関係との見方が優勢である。一説では、ミゼーアこそがティンダロスの本体であり、街はその実体化した現れとする解釈も存在する。
ティンダロスの存在に関する特異な仮説として、彼らが宇宙の共通理解を超えた起源を持ち、異質な意識と生命形態を有するという説がある。この説では、彼らが最終的に現実を融合・吸収し、オールド・ワンや外なる神をも飲み込んで新たな宇宙秩序を生み出すとされる。
ヨグ=ソトースとの関係性が特に注目されており、両者の間で絶え間ない戦いが続いているとされる。この闘争の性質については、時空の支配権を巡る争いとする説や、ミゼーアがヨグ=ソトースの落とし子で親殺しを目論んでいるとする説など、複数の解釈が存在する。
生命エネルギーの捕食者としての性質が顕著であり、我々の現実の生命体から生命エネルギーを摂取することを強く欲する。これは単なる捕食行動を超えた、存在の維持に関わる本質的な要求とされている。
【存在間関係】
支配下:
- ティンダロスの住人
対立:
- ヨグ=ソトース(継続的な戦闘状態)
関連説:
- アザトース(極小の断片との説)
- ダオロス(同一存在の可能性)
特記事項:
- 北欧神話のフェンリルとの関連性
- 宇宙秩序への重大な脅威としての可能性
【能力】
- 死体安置所の臭い…10m以内にいるものは、その臭いで気分を害し、吐くこともある。
- 超視界…一定の範囲を4次元に見ることができる。
- 角を通る…角から角へ一瞬で移動ができる。
- 時間跳躍…空間の一部の時間を操り、進めることも、戻すこともできる。
- 空間をねじる…空間にねじれを生じさせて、空間内の者は自身の体もねじれているように見える。
【恩恵】
- 超視野…5m範囲内を4次元に見ることができる。
- 角を通り抜ける…角を通って別の地点から別の地点に移動できる。
- 一瞬の引き裂き…肉体をねじ曲げ引き裂く。また、対象に触れる場合は、その部分が多次元空間を通し激しく損壊される。