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【完全版】ヒュプノス┃登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】ヒュプノス┃登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Hypnos

旧神

危険度: ★★★☆☆☆☆☆☆☆

本報告は、「眠りの神」「夢の大帝」として知られるヒプノスについての調査報告書である。

形態的特徴として、主に美青年の姿で出現し、卵形の顔を持つとされる。しかしその真の姿は、狂気をもたらす可塑性に富んだ形態で、絶えず変化し、人間の深層心理における恐怖を具現化するという。この真の姿を目撃した者はごくわずかであり、その多くは一瞬の露見によるものとされる。

その本質については複数の解釈が存在する。旧き存在の顕現とする説がある一方で、人類の集合的無意識から生まれた融合体とする説も提唱されている。後者の場合、数世紀にわたる数百万の人々の無意識的精神力が結合し、生命を得た有機体として説明される。興味深い点として、この存在には夢を見ている実体によってのみ危害を加えることが可能とされている。

活動領域は地球のドリームランドに限定されず、宇宙全域に同時存在する可能性が指摘されている。北冠座に住まいを持つとされ、注目した対象に赤金色の光線を放ち、その者を引き寄せる能力を持つという。接触した者には何らかの徴が残されることがあるとの報告も存在する。

人類との関係は複雑である。夢から糧を得る寄生的存在である一方、夢の守護者としても機能し、自身の供給源である人類の保護も行う。この二面性により、時に慈悲深く、時に打算的な態度を示す。ドリームランドを脅かす存在に対しては積極的な対抗措置を取り、時として人類を手駒として利用することも報告されている。

古代文明における記録は豊富に残されており、古代ギリシャでは『イーリアス』に、古代ローマではソムヌスの名でウェルギリウスの『アエネーイス』やオウィディウスの『変身物語』に登場する。

【住処】

  •  現在:北冠座(主たる居所)、ドリームランド全域
  • 過去:レテ川近くの洞窟(古代ギリシャ時代)

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
10050060150
POWHPMPDB
4255685+1D4
ビルド移動正気度喪失
191D6/1D20

行動

  • 攻撃回数:1回
  • 近接戦闘:90%/1D4+1D4・武器を使用している場合は1D8+1D4
  • 精神を圧倒する:90% …MPを10消費し対象に触れると、対象に幻覚を見せることができる。対象はPOWのロールに失敗すると、影響を受ける。影響を受けた場合は追加で幸運ロールを振り、成功すると精神が圧倒され1D10+2ラウンドの間昏倒する。目が覚める技能「クトゥルフ神話」と、「伝承(夢)」をそれぞれ1D10+1獲得し、SAN値を1D10+3失う。幸運ロールに失敗すると、SAN値を4D10失い、夢の記憶を失う。

装甲

  • なし。
  • 魔力を付与した武器か、魔術的なアーティファクトしかダメージを与えない。
  • HPが0になれば塵となり消える。その後1D6時間後に復活する。

魔術

  • 呪文:「黄色の印」・夢に関わる呪文・その他キーパーの任意。

能力

  • 夢見る者を変化させる:夢見る者にヒプノスが気づくと、その存在を別の存在に変化させたり、新しい能力を与えたりと様々なことを起こす。

恩恵

  • 不明。

原作「眠りの壁の彼方」では

  • 精神病院に勤務する語り手が、精神異常の受刑者ジョー・スレイターの治療を担当することになる
  • スレイターは凶暴な農民で殺人を犯したが、異常な発作と意味不明な言動により精神病院に収容されていた
  • スレイターの発言に光、飛翔、宇宙といった言葉が頻出する
  • 語り手が自作の「テレパシー・ラジオ」装置でスレイターとの思考伝達を試みる
  • 語り手の精神がスレイターの中に潜む、異次元の存在と接触に成功
  • 接触した存在が光輝く宇宙を旅する「夢の存在」であることが明らかになる
  • その存在は地球の圧政者と戦うため、様々な姿に転生しながら宇宙にいた
  • 語り手自身も夢の世界でともに旅した「光の兄弟」だったと明かされる
  • スレイターの死とともに超常的な通信が途絶える
筆者:たいき

初期のラヴクラフトらしい電波強めの作品です。精神に干渉できるのは映画「パプリカ」と同じ設定で面白いのですが、本作は内容が難しすぎてですね…。

シナリオ導入例

1.:夢寄生大量発生型

  • 都市部で原因不明の睡眠障害が蔓延し、患者が「美しい青年に夢を奪われる」と証言
  • 被害者は徐々に創造性や記憶力を失い、無気力で平板な人格へと変貌していく
  • 精神科医が患者の脳波解析で、レム睡眠中に異常なパターンを発見する
  • 夢日記の分析により、患者全員が同一の美青年と接触している共通点が判明

2:AIアプリ暴走型

  • インターネットと睡眠アプリの普及により、世界中の人々の夢データが集約される
  • AI解析によりパターンが可視化され、そこに意識を持つ存在を発見する
  • データ内の「美青年」が自我に目覚め、デジタル空間から現実への干渉をしていた
  • ヒュプノスがテクノロジーを媒介として活動
筆者:たいき

ヒプノスを悪い存在とするかどうか、夢に干渉してくることでどういう影響があるのか、退散させるべきなのか、考えることが多い存在です。シナリオに登場させるのは難しいかもしれませんが、独自性の強いものが出来そうな気もします。

演出のヒント

1:美青年と真の姿の落差演出

  • 完璧な美青年として現れる第一印象の魅力と安心感
  • しかし一瞬垣間見える表情で恐怖を覚える

2:夢と現実の境界消失演出

  • 夢の中の出来事が現実に影響を与える逆転した因果関係
  • 起きているはずなのに夢のような非現実感
  • 夢でしか危害を加えられない存在との対峙による戦略性

3:夢の寄生的搾取演出

  • 夢を「栄養」として吸収される際の創造性や記憶の段階的衰退
  • 被害者の人格が平板化し、個性や感情が薄れていく変化
  • 夢を奪われることで芸術性や想像力が失われる
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

寝ている人間に近づいて夢を覗いているのだろうか、現実に現れないという安心はなさそうだ
邪神とは違う神々しさがあって、一見すると無害で近づいても問題なさそうな油断がある

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

タナトス
兄弟説

登場作品

  • 眠りの壁の彼方」 (ラヴクラフト)
  • 『イーリアス』 (古代文献)
  • 『アエネーイス』 (ウェルギリウス)
  • 『変身物語』 (オウィディウス)

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