- 「インスマスを覆う影」(ラヴクラフト)
- 「ハイドラ」(カットナー)
【住処】
- 深海域(実体)、アストラル界(異次元形態)
本報告は、「母なる大女祭」「深きものの母」として知られるハイドラについての調査報告である。
形態的特徴として、二つの異なる記述が存在する。一つは深きものとしての姿であり、ダゴンと同様の巨大な体躯を持つとされる。その大きさについては6mから30mまでの諸説が存在する。もう一つは異次元存在としての形態であり、無数の首を持つ灰色の粘液質の海として描写され、その表面には犠牲者の頭部が突出しているという。
父なるダゴンとともに深きものの指導者的存在として位置づけられ、クトゥルフと深きものの関係性から、本来は偉大な大女祭の地位にあったと考えられる。社会における具体的な役割については、日常的な統治者説と、知識を司る名目的指導者説が並立している。
その起源については複数の説が存在する。通常の深きものが時を経て成長した結果とする説、クトゥルフの星の落とし子とする説、深きもの社会における世襲的な地位を示す称号とする説、さらにはクトゥルフの化身とする説などが提唱されている。
異次元的側面について、アストラル界に独自の領域を持つとされ、物質界との接触は同領域を通過する旅行者を介してのみ可能とされる。接触時には旅行者に随伴して物質界に現れ、対象者の頭部と意識を捕捉するという特異な性質が報告されている。
古代文明における類似の神格について、メソポタミア、カナン、アッシリア、ウガリットなどで崇拝された豊穣神との関連性が指摘されている。また、マリのドゴン族が伝承する星来の魚形祖霊との共通点も見出されている。これらの類似性は偶然の一致である可能性も否定できないが、クトゥルフ神話の影響の痕跡として解釈する研究者も存在する。
【関連魔導書】
- 『グラーキの黙示録』
- 『魂の射出』
【相関】
血縁:
- ダゴン(配偶者)
- クトゥルフ(関係性について諸説あり)
支配下:
- 深きものの社会
- 地上のカルト集団
【能力】
- 手先を召喚する…深きものもしくはクトゥルフの落とし子を召喚する
【恩恵】
- 水中呼吸…水中でも呼吸ができるえらができる
- 深きものを呼ぶ…海岸地帯で深きものを召喚できる