- 『Nightmare’s Disciple』(ジョゼフ・S・パルヴァー)
【住処】
- 木星の大赤斑内部の「牢獄」
本報告は、木星の大赤斑に幽閉されているとされる双子の存在、ヌトゥーサとヌタルフについての調査記録である。
起源については、クトゥルフのカルティスト曰く、大いなるクトゥルフとカソーグタの結合により生まれた「娘たち」であるとしている。一方、カルト外の研究者たちは、クトゥルフから剥離した異常な存在で、限定的な知覚力は持つもののオールド・ワンとしての特徴を完全には備えていないと考えていた。ただし、この見解を公に表明した研究者が少なくとも一名、カルトによって殺害されたとの記録がある。
形態的特徴として、大いなるクトゥルフとはほとんど類似性を持たず、互いにもほぼ区別がつかない。巨大な体躯はカサガイに似た貝殻で覆われているとされる。両者は2つの体を持つ単一の存在である可能性も指摘されている。
現在の所在については、木星の大赤斑内部の「牢獄」に封じ込められているとされる。大赤斑内部の強力な嵐は、極めて強い重力と音波を生成しており、これが両存在を拘束する牢獄として機能していると考えられる。
大赤斑は1830年に科学的発見がなされ、分析により少なくとも1665年以前から存在していることが判明している。この約360年に及ぶ現象が、両存在の封印のために宇宙的な意志によって創出された可能性が指摘されている。また、別の場所からの逃亡により、新たな牢獄として大赤斑が形成された可能性も示唆されている。
クトゥルフのカルトの一部では、この拘束は過去も現在もクトゥルフの意志によるものであり、両者の解放がルルイエの浮上と大いなるクトゥルフの解放の前兆となると信じられている。これら封印に関する諸説は、惑星規模で自然の秩序を改変しうる力の存在を示唆している。