- アニオロフスキーほか『The Art of Playing Mythos』
- カーター「Dreams in the House of Weir」
- クライン『The Ceremonies』
- ハーバー「時の砂」
- ハザリ “The Lambton Worm”
- ピーターセン『クトゥルフ神話図説』
- マッケン「白魔」
- ラヴクラフト&E.プライス「銀の鍵の門を越えて」
- 「未知なるカダスを夢に求めて」
【ドール(Dholes)調査記録】
本報告は、惑星を内部から破壊する巨大な蠕虫状の存在、ドールについての調査記録である。
形態的特徴として、巨大な白色の蛆虫に似た姿を持ち、一端に口として機能する空洞を有する。この空洞から粘液状の唾を放出し、標的を包み込むことができる。大きさは豪華客船を上回るとされるが、豚のような鼻を持つより小型の個体も報告されている。これらは幼体とされ、急速に成長して親の大きさに達するという。
生態的特徴として、直射日光を忌避する傾向があるが、光による実質的な被害は確認されていない。また、他の蟲状の神話存在と同様、水による影響も受けない。完全に征服した惑星以外では昼間の活動は稀である。
最も重要な特徴は、惑星規模の破壊活動である。トンネルを掘り続けることで世界を内部から食い尽くし、居住不可能な状態にする。ヤディスを含む多くの世界がこの方法で破壊されたとされる。
他世界への移動方法については複数の説が存在する。魔術による召喚説、宇宙空間を「泳ぐ」能力説、ドリームランドの次元間構造を利用する説などが提唱されている。人類との関係については、『エイボンの書』の古版に召喚儀式が記されていたが、最後に残っていたエジプト版も既に失われている。
また、まったく異なる種として、黒色の四足獣のドールの存在も報告されている。この種は毒を分泌し、人間を含む生物に憑依して攻撃性を引き出す特性を持つとされる。ウェールズの伝説の小人との関連も示唆されている。
【ブホール(Bholes)調査記録】
本報告は、ドリームランドのナスの谷に棲息する神秘的な存在、ブホールについての調査記録である。
これまでに直接の目撃例は報告されていないが、ランドルフ・カーターとの遭遇記録から、何らかのワーム状の形態を持つことが示唆されている。主な生息地はドリームランドのナスの谷とされ、地下世界の納骨堂での存在も示唆されている。
特筆すべき仮説として、ブホールがドールの親種である可能性が指摘されている。この説によれば、ブホールは自身の子である幼生のドールを、虫食い穴を通じて他世界へ送り出しているという。
【文献学的注釈】
両者の名称に関して重要な混乱が存在する。元々「Dholes」として登場した存在が、S.T.ヨシによるラヴクラフトテキストの校訂版で「Bholes」と記載されたことに端を発する。『クトゥルフ神話TRPG』のドリームランドソースブックの著者が、これを別個の存在として解釈したことで、二種の異なる存在として扱われるようになった。ただし、最新の版の多くではこの区別は修正されている。
【関連魔導書】
- 『エイボンの書』(古版)
- 『ドール讃歌』
- 『トート=アモンの巻物』
- 『緑の書』
【相関】
- シュブ=ニグラス(ドールとの関係が示唆される)
- 相互の関係(ブホールがドールの親種である可能性)