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【完全版】トゥールスチャ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

【完全版】トゥールスチャ│登場作品・概要・シナリオ制作のヒントなどを完全網羅!※ネタバレ注意※

Tulzscha

外なる神

危険度: ★★★★★☆☆☆☆☆

本報告は、アザトースの宮廷に仕える、緑がかった青色の生きた炎の存在、トゥールスチャについての調査記録である。

形態的特徴として、主に2つの出現形態が記録されている。一つは地上から約9メートルの高さを持つ炎の柱、もう一つは直径3〜6メートルの火球である。その他、複数の火球やおぼろげなヒト型といった形態の可能性も示唆されているが、確証は得られていない。

最も重要な役割は、アザトースの宮廷における踊り手としての機能である。『ネクロノミコン』は眠れるアザトースの周囲で踊る緑の炎について言及しており、これがトゥールスチャであると推測されている。この舞踊は天球の音楽と結びつき、アザトースの目覚めを妨げる魔術的機能を持つ可能性が指摘されている。

特異な性質として、死と腐敗から活力を得る特徴があるクラレンス・フォスターズの『星の伝言』(ボストン、1878年)によれば、その質感は氷のように冷たく、「死の衣」を纏っているとされる。接触者は「炎に抱かれ、とりつかれた」状態となり、その後には「腐敗の息吹の余韻」が残されるという。最も忠実な崇拝者は死を免れるとされるが、永遠に腐敗していく自身の遺体に住まうことを余儀なくされる。

アザトースの宮廷における重要な役割のため、通常は長時間の離脱は不可能とされる。しかし、1920年代初頭には北アメリカ東海岸のキングスポートでの出現が報告されている。この際、複数の人間に憑依し、「彼らの目を焼き尽くした」とされる。これらの憑依者の行方や目的は不明のままである。

崇拝の記録は、西インド諸島、フランス、イタリア、および中東に残されている。マサチューセッツ州キングスポートにも約250年前までカルトが存在したが、解散を余儀なくされた。儀式は春分、夏至、秋分、冬至などの天文学的に重要な時期に執り行われるのが通例である。

なお、クトゥグァやアフーム・ザーといった他の炎の性質を持つ存在との関係性については、現時点で確実な情報は得られていない。

【住処】

  • アザトースの宮廷(主要な所在)
  • 一時的な地上への出現(キングスポートなど) 

ステータス(7版)

STRCONSIZDEX
30018039060
POWHPMPDB
755715不明
ビルド移動正気度喪失
90/宇宙では301D4/2D10

行動

  • 攻撃回数:1回
  • 近接戦闘:80%/3D6 …10m以内の対象に攻撃をするが、MPを1消費する毎に射程を5m伸ばすことができる。トゥールスチャは意志によって性質が変化するため、場合によっては冷たい炎によって1D6+2の追加ダメージがある。
  • 炎の塊:60% …MPを3消費すると炎の塊を生み出せる。15m以内にいるものは影響を受け、回避に失敗すると2D10年分年を取る。その後1D100を振り、APP、CON、POWとそれぞれ出目を比べる。出目の方が大きい場合、その能力値を2D10失う。

装甲

  • なし。
  • 普通の武器ではダメージを与えない。
  • 熱、寒さ、酸、電気によるダメージを与えない。
  • 爆発によるダメージは1になる。
  • HPが0になれば輝きを失い、硬い球だけが残る。その後100年後に復活する。

魔術

  • 呪文:「肉怪物に命を吹き込む」・「ト占」・「真実の一瞥」・「蟲の招来」・「食屍鬼との接触」・「人間との接触」・「死の息」・「ヨグ=ソトースの抱擁」・「枯落の接触」・その他キーパーの任意。

能力

  • 物品に魔力を付与する:トゥールスチャの炎に通した物は、様々な効果を得る。
  • 魅了する炎:トゥールスチャの動きに魅了された者は、その場に釘つけになる。
  • 可塑性の姿:その姿を様々な姿に変形することができるが、トゥールスチャは顕現された場所から動くことができない。
  • 有毒:有毒のガスを放出する。
  • 憑依:50m以内にいる者に触れることができ、触れられた者は体が腐敗し、その体を支配される。

恩恵

  • 燃える真実:嘘を見抜くことができる。
  • 憑依する炎:緑の炎を生み出し、対象の体を乗っ取る。
  • 遺骸の知識:亡くなった者の肉を食べると、その者が持つ記憶の一部を得る。

原作「祝祭」では

  • 19XX年冬のユールの日、主人公が父祖の言い伝えに従ってキングスポートを訪れる
  • 唖の老人が出迎え、蝋仮面のような印象を与える
  • 老人の家でネクロノミコンなどの古書を確認
  • 頭巾つき外套の人々が教会へ向かう行列に加わる
  • 地下でおぞましい火柱を囲んで群衆が儀式を開始する
  • 火柱の周辺から有翼生物が飛来し、群衆が一人ずつ騎乗して奥へ消えていく
  • 老人の蝋面が外れて落ち、主人公が恐怖して地の底へ身を投じる
  • 翌日港で凍死寸前の状態で発見され病院へ搬送
  • キングスポートの街並みが全く異なっていることに気づく
筆者:たいき

初期の作品なので、トゥールスチャという名前も有翼生物の名前も出てきません。緑の炎も特別に生物らしい様子がないので、よくこれが邪神になったなと思いました。

シナリオ導入例

1.:キングスポート再来型

  • キングスポートで1920年代の失踪事件に関する古い記録が発見される
  • 記録には「目を焼かれた住民たち」と「緑の炎に憑依された者たち」の証言が残されている
  • 現代になって同様の現象が再発し、住民が「緑がかった青い炎を見た」と報告
  • 被害者の眼球が内側から焼かれたような症状を示し、原因不明の失明事件が多発
  • 天文学的に重要な日(春分・夏至など)に被害が集中している
筆者:たいき

原作ではクリスマスでした。キングスポートだと思っていたけど…みたいな感じで実は異世界、もしくはパラレルワールドでの出来事にすると原作再現になりそうですっ。

演出のヒント

1:緑がかった青い炎の演出

  • 色彩の異常性:通常の炎とは全く異なる、自然界には存在しない色合い
  • 温度の矛盾:炎でありながら氷のように冷たく、触れると凍傷を負う逆説
  • 視覚への影響:直視すると網膜に焼き付き、目を閉じても緑の残像が消えない

2:憑依現象の演出

  • 目の炎上:憑依される瞬間、眼球の奥で緑の炎が燃え上がる恐ろしい光景
  • 人格変化:憑依後は本来の人格が消失し、トゥールスチャの意志で行動する
  • 超人的能力:憑依者が人間の限界を超えた身体能力や知識を発揮
  • 痕跡残存:憑依が解けた後も、眼底に緑の炎の痕跡が永続的に残る

3:死と腐敗からの活力演出

  • 腐敗への親和性:死体や腐敗物の周辺で特に活発になる異様な生命力
  • 逆説的生命:死んでいるものから力を得る、生命の概念を覆す存在
  • 永続腐敗:信者の体が死後も腐敗し続けながら活動する、グロテスクな不死
筆者:たいき

イラスト・ファンアート・素材紹介

他の神話生物・魔導書との関連

【相関】

アザトース
関連
クトゥグァ
類似
アフーム・ザー
類似

【関連魔導書】

  • 『ネクロノミコン』

登場作品

  •  「祝祭
  • “The Kingsport Cult” (ロス)
  • 『星の伝言』 (フォスターズ)

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