- ジレット & ウィリス “Horror’s Heart”
- バートン “The Curse of Chaugnar Faugn”
- ロング「恐怖の山」
- ラヴクラフト「古の民」『Selected Letters IV』
- 「墳墓の主」
【住処】
- ツァン高原の洞窟(現在)
- ピレネー山脈ポンペロ近郊(過去)
- モントリオール(最近の目撃情報)
本報告は、「座す神」として知られ、先史時代から地球に存在する、吸血性の超次元的存在についての調査記録である。
形態的特徴として、人型の体躯に独特の頭部を持つ。頭部にはクモの巣状の耳があり、鼻の先端には大きな円盤状の突起を有する。また口の両端からは巨大な牙が突き出ている。一般に「象の神」と誤解されることがあるが、これは偶像制作者たちの誤認に起因するとされる。通常は石化したような状態にあるが、血の臭いに反応して活動を開始する。
現在の主たる住処はアジアのツァン高原の秘密の洞窟とされ、そこで座した姿勢で眠りについているとされる。歴史的には、ローマ時代にスペイン北部のピレネー山脈、ポンペロの町近郊の地下に居住していた記録がある。ローマ軍との対立を避けるため東方への移動を選択し、現在の場所に至ったとされる。近年ではモントリオールでの出現報告もある。
特筆すべき能力として、自身の偶像への憑依が挙げられる。小型から大型まで、時間をかけて制作された偶像に対して影響力を及ぼし、化身として具現化する能力を持つ。これにより少なくとも一つの博物館で深刻な事態が発生した記録がある。また、これらの偶像を通じて世界の出来事を観察できるとされる。
人類との関わりにおいて最も重要な特徴は、その吸血鬼的な性質である。人類の生命力を吸収することを望み、従者たちに人間の捕獲を命じて生贄として捧げさせる。崇拝者たちは儀式的な血抜きを行い、自らの血を偶像に注ぐことで信仰を示す。
歴史的背景として、地球に到来した当時、最も高度な生物は両生類であった。自身に仕える種族を望み、両生類の体組織を利用してミリ・ニグリを創造。その後、ミリ・ニグリと人類との交配により、チョー=チョー人という混血種族を生み出したとされる。これは、オールド・ワンの穢れで人類を呪うことを目的としていたという。
将来に関する予言として、「青白き侍者」(または「白い侍者」)の出現が語られる。この存在が西方からやって来て、チャウグナー・フォーンを「新しい土地」へ運ぶとされる。この侍者の正体については、ニャルラトテップ説や別のオールド・ワンとの結合説など、複数の解釈が存在する。「新しい土地」は『ネクロノミコン』が予言する世界の終末、すなわち地球の変容と人類のオールド・ワン化を指す可能性が指摘されている。
【関連魔導書】
- 『ナコト写本』
- マグヌム・インノミナンドゥム
【相関】
- ミリ・ニグリ(創造された従者)
- チョー=チョー人(ミリ・ニグリと人類の混血種族)
- チャウグナー・フォーンの兄弟(弱体化した類似存在、呪いをかけられている)
- ローマ帝国(過去の対立)
【能力】
- 催眠…対象を死へと誘う。
- 心臓発作…チャウグナー・フォーンが凝視したものは心臓発作を起こす。
- チャウグナー・フォーンに選ばれた者…チャウグナー・フォーンに選ばれた場合、精神波を送られ続け、精神が壊れた時に支配され、その容姿もチャウグナー・フォーンに似たものへと変貌する。
- 精神を介したお告げ…チャウグナー・フォーンに影響された者は、その存在の夢を見て、さらに血を求めた吸血鬼のような行動をとるようになる。
【恩恵】
- 催眠…対象に催眠をかけて、質問に答えさせたり、行動をとらせることができる。
- 心臓をつかむ…触れた対象が心臓発作を起こす。