- 「The Render of the Veils」(キャンベル)
- 「Ghostnet」(マッコネル)
- 「ヴェールを破るもの」
【住処】
- 我々の宇宙外の異次元空間
- 絶え間ない運動を継続
本報告は、「ヴェールをはぎ取るもの」として知られる、奇妙な幾何学的存在についての調査記録である。
形態的特徴として、さまざまな材質や物質からなる幾何学的な形状が、絶えず変化しながら集合して構成される不定形の存在である。可塑性の棒状のものに囲まれた多色の塊として現れ、その棒の間からは目が見つめているかのような印象を与える。人間の目では、その絶え間なく動き続ける姿を正確に追うことができず、直視した者は狂気に陥るとされる。
この存在は我々の宇宙の外に在り、その次元はあまりに異質で理解困難とされている。そのため、その意思が邪悪か好意的かを判断することは無意味であり、完全なる無関心こそがこの神格の本質に最も適合すると考えられている。他のグレート・オールド・ワンと異なり、地球上での領域を求める形跡はなく、自発的な顕現も確認されていない。
人類との関わりは主に招来儀式を通じてである。ダオロスの招来には宇宙的に重要な時間の到来を待つ必要があり、また現在この惑星には存在しないとされるダオロスの像が必須とされる。招来時にはプレーンの五芒星形による封じ込めと、召喚者の血液の供与が要求される。成功すれば、未来や過去の出来事についての神託を得ることが可能だが、極めて危険を伴う。
特に重要な特性として、我々の宇宙内での存在が空間に与える影響が挙げられる。適切な束縛なしでは際限なく増大を続け、現実世界の構造に修復不能な亀裂をもたらすとされる。学者の中には、この現象を局所的なブラックホールに例え、物質を飲み込み続けることで惑星規模の消滅をもたらす可能性を指摘する者もいる。世界と世界の間のヴェールが薄くなった不穏な場所は、かつてダオロスが接触した痕跡である可能性が示唆されている。
これに対し、我々の宇宙の法則が弾力性を持ってこの外なる神の出現に耐えうるという説や、アザトースがこうした宇宙的事象を調整できるとする説も存在する。人間的概念では、アザトースをダオロスの「負の存在」に対する「正の存在」として、両者が宇宙の均衡を維持していると解釈することも可能である。
また、ダオロスがティンダロスと何らかの関連を持ち、ティンダロスの大君主ミゼーアの顕現の一形態である可能性も指摘されている。これが事実であれば、ティンダロスとその住人たちに関する既存の理論に再考を迫ることになるだろう。
接触の結果として、ダオロスに触れた肉体は消失し、別の場所や次元で原子レベルでの再構成を被るとされる。この現象は大魔術師エイボンの弟子ヤドレムの体験として記録されており、彼の日記『暗黒の虚無』に詳述されている。ヤドレムは招来の失敗により異世界に投げ出され、約50年後に帰還を果たした。その日記はニーダーザクセン州の出版社ヴァースト・クローネンベルグにより出版され、「骨で作られた都市」や「不思議なトゥールーの金属を加工する奇怪な住人」について言及している。
歴史的には、古代アトランティスにおいて占星術の神として崇拝され、現在もユゴスとトンドの住民により崇拝が続けられている。崇拝者には過去と未来を見る能力を与え、高次元の知覚を可能にするとされるが、同時に宇宙の本質の啓示により狂気に陥る危険性も指摘されている。
【関連魔導書】
- 『グラーキの黙示録』
- 『視界から去るもの』
- ヤドレムの日記『暗黒の虚無』
【相関】
- アザトース(宇宙的均衡の対となる可能性)
- ミゼーア(その顕現である可能性)
- ティンダロス(関連が示唆)
- アトランティスの予言者(過去)
- ユゴスの住民(現在)
- トンドの住民(現在)
【能力】
- 封じ込め…ダオロスが顕現した時、その存在を封じ込める準備をしていない場合、体が膨らみ続け、巻き込まれたものは別次元に飛ばされる。
- ヴェールを取り除く…ダオロスにヴェールを取り除くことを望んだ者は、現実の先が見えるようになる。
- 過去や未来を知る…ダオロスに望んだ者は、過去や未来の出来事が見えるようになる。しかし、見たものが記憶として残らないこともある。
【恩恵】
- 角を利用する…3km以内で、角を通って移動ができる。
- 予測…24時間以内で起こる出来事が予測できる。
- 心を混乱させる…対象の精神に複雑な図形を見せ、混乱させる。