- カーター「The Book of the Gates」
- グラント『Outside the Circles of Time』
- E.プライス「幻影の王」
- ラヴクラフト & E.プライス「銀の鍵の門を越えて」
【住処】
- 究極の門周辺
- ドリームランド(不定期出現)
本報告は、究極の門の神秘的な守護者であり、ヨグ=ソトースの化身として知られる存在についての調査記録である。
形態的特徴として、人型の姿を持ち、薄い織物による優美なドレープで体を覆っている。その本体の詳細はほとんど不明である。ほぼ幽霊のような性質を持ち、出現時には地面の上を滑るように移動する。片手には虹色に輝く金属の球を所持し、灰色の布をまとって現れる。特筆すべき特性として、その姿は召喚者の特徴に応じて変化するという性質を持つ。つまり、人間が呼び出せば人間のような姿を見せ、人間以外の存在が呼び出した場合もその呼び出した者に似た特徴を示す。
主たる役割は「究極の門」の守護であり、「ふさわしい旅行者」の前に顕現して、門の通過を許可する。この門の本質と目的については研究者間で意見が大きく分かれている。ある説では、この門がヨグ=ソトースの棲む宇宙の時間流へとつながる次元の狭間への入り口であり、そこを通じてあらゆる時空への移動が可能になるとされる。また別の解釈では、この門が生命の終焉と再生を表す象徴であり、超宇宙の永遠なる円環やリズムを体現するものとされる。この場合、門の通過により存在は高次のプレーンへと超越し、認知の変化や強化がもたらされるという。
さらに、終末の時にアザトースが目覚め、タウィル・アト=ウムルに開門を命じるという説も存在する。この説によれば、門を通じてヨグ=ソトースとの結合が起こり、人知を超えた新たな存在が生まれ、全世界の終焉がもたらされるという。また、門の向こう側には古きものの領域が広がっているとする説もある。これは外なる神の同族が超越を遂げた領域であり、外なる神やオールド・ワンの究極の道である可能性が示唆されているが、その規模と広がりは人知を超越しているとされる。
人類との関わりについては、主に地球のドリームランドを旅する者との偶発的な遭遇が報告されている。また、特定の招来儀式により、別の場所への道を開くよう請願することも可能とされるが、その際には知識、生命力、特別な鍵などのアーティファクトといった様々な代価が要求される。この代価は依頼者により大きく異なるという。人間の魔術師たちはしばしば知識を求めてこの存在を召喚するが、ある者にとっては知恵を与える存在として、また別の者にとっては冷たく神秘的な恐怖の対象として認識される。一説では、この存在は正しい知識を獲得するために克服すべき精神の一部であるとも言われている。
この存在は「長く延ばされた人生」を意味するアラビア語名「タウィル・アト=ウムル」で知られ、古きものの長として、また銀の鍵の所有者によって開かれる最後の門の守護者としての地位を持つ。その本質については、純粋にヨグ=ソトースの化身であるという説と、かつて門を通過して守護者の地位を得た一人の人間であるという説が存在する。『ネクロノミコン』と『トートの書』の記述によれば、この存在との関わりは極めて危険で悲惨なものとされ、接触後に生還できた者は皆無とされている。
【関連魔導書】
- 『ネクロノミコン』
- 『トートの書』
【相関】
- ヨグ=ソトース(本体または化身)
- 古きもの(その長として)
- 銀の鍵の所有者(門の開扉に関連)
- アザトース(終末時の関係)
【能力】
- テレパシー…口がないため精神的にやりとりをする。
- 全知…対価が必要だが、過去、現在、未来の出来事や、呪文などを教えてくれる。
- 入り口…戸口を開き、そこを覗くと過去、現在、未来の光景が広がっている。