アルワッサ

アルワッサ

Arwassa

グレート・オールド・ワン
登場作品
概要
関連/他

ロバート・M・プライス「Saucers from Yaddith」

【住処】

  • 中央ヨーロッパの封印地(正確な位置不明)

本報告は、「終わりなき叫び声」「狂気を呼ぶ音の神格」として知られるアルワッサについての調査記録である。

形態的特徴として、人型の姿を持ち、顔面には歯のない大きな口以外のパーツを持たない。大多数の研究者はこの存在をグレート・オールド・ワンと考えているが、ツァトゥグァやシュブ=ニグラスの落とし子とする説も存在する。

最も特徴的な能力として、人間の可聴域(31Hzから19kHz)を超えた無限に続く叫び声を発し続けている。この声は犬やコウモリ、猫などの動物には聞こえるとされる。人間はこの音を直接聞くことはできないが、その影響を受けると狂気と暴力に駆られ、さらにその影響は他者に感染し、集団ヒステリーや「集団狂気」に類似した現象を引き起こす。継続的な露出は人間や動物から理性による抑制を奪い、動物的な暴力性を引き出す。アルワッサはこの叫び声が引き起こした死と破壊を、物理的にも精神的にも捕食しているとされる。

現在、中央ヨーロッパのどこかに封印されているとされるが、その封印は弱まっており、特に9月から11月の間は活動が可能となる。この活動期間の制限は天体の配列や他の複雑な要因によるものと推測されている。封印の効果低下により、短時間であれば世界の他の場所への移動や出現が可能になっているとの指摘もある。

歴史的記録として、中世ヨーロッパの魔道書、特にフランス、ドイツ、ハンガリーの文献に「魔物」や「地獄の悪鬼」として頻繁に登場する。これらの記録では城や村落の全滅事件との関連が示唆され、特に「奇妙で絶えることのない音」と住民の狂気じみた暴力行為が特徴的な記述として残されている。

現代では出現頻度は減少しているものの、特に新世界における集落の消失や住民の失踪事件との関連が疑われている。これは古いヨーロッパの信仰がアメリカ大陸に根付いたことで活動範囲が拡大した可能性や、封印の弱体化により叫び声が大西洋を越えて届くようになった可能性が指摘されている。

【相関】

  • ツァトゥグァ(落とし子説あり)
  • シュブ=ニグラス(落とし子説あり)

【能力】

  • 叫び声…1.6km以内にいるものはアルワッサの声なき叫び声に影響され、精神に異常がきたした人間は暴力的な衝動に駆られる。

【恩恵】

  • 破滅の叫び声…叫び声で物理的に傷つけたり、物を動かすことができる。

カテゴリー一覧