アブホース

アブホース

Abhoth

グレート・オールド・ワン
登場作品
概要
関連/他
  • C.A.スミス「七つの呪い」
  • C.ウィルソン『精神寄生体』
  • ハーバー “Return to Dunwich”
  • ペルトン『A Guide to the Cthulhu Cult』
  • ウィリアムズ&ピーターセンほか “H.P. Lovecraft’s Dreamlands”

【住処】

  • 現在:灰色のイカーの洞窟(ンカイの地下領域、ダニッチの地下、またはドリームランドの灰色障壁山脈の地下)
  • 過去:ヴーアミタドレス山の地下

本報告は、「汚物と病気の神格」「灰色の母」として知られるアブホースについての調査記録である。

形態的特徴として、灰色に光る巨大な粘着質の塊の姿を持ち、好きなように擬足や触肢を形成できる。イカーの洞窟に封じ込められているとされ、その暗黒の洞窟はンカイ(北アメリカの地下世界、ただし世界規模に広がっている可能性あり)の地下領域にあるとされる。

この存在の起源については複数の説が存在する。ウクォールと呼ばれる場所(惑星か異次元かは不明)からの来訪者とする説、ウボ=サスラの落とし子とする説、地球で誕生した兄弟的存在とする説などが並立している。また、ツァトゥグァとの関係性も示唆されているが、友好的か敵対的かは不明である。

特筆すべき特徴として、灰色の塊の中で絶え間なく怪物を形成し、産み落とす能力を持つ。これらの子は親から這いずり出ていくが、その大半はアブホース自身によって捕捉され、根源の塊へと再び取り込まれる。しかし、一部の落とし子は生存に成功し、親の傍らで仕える者、迷宮に潜む者、地上世界へ脱出する者など、様々な運命を辿る。

人類との関係について、記録に残る唯一の直接的遭遇では、擬足で侵入者を感知した後、テレパシーによる交信を行い、その者の通行を許可している。これは未知の存在を食することへの躊躇や、消化不良を避けたいという慎重さの表れとされる。ただし、生け贄が必要な際には自身を幻影で包み、疑うことを知らない犠牲者を誘い寄せることもある。

歴史的には、ハイパーボリア時代にヴーアミタドレス山の地下に棲息していたとされる。現在は、ダニッチの地下深くの洞窟か、あるいはドリームランドの灰色障壁山脈の地下に棲んでいる可能性が指摘されている。

崇拝の例は稀少で、クランノリアのハイパーボリア人居留地での事例が知られているが、最終的に信者たちはアブホースによって破壊されている。また、「暗黒のアブホース」としてヒッタイトの碑文に言及されているが、アブホース自身はこれらのカルトに無関心で、特別な恩恵を与えることはないとされる。

【存在間関係】

  • ウボ=サスラ(親または関連存在の可能性)
  • ツァトゥグァ(関係性不明)
  • アブホースの落とし子(創造と捕食の対象)
  • ハイパーボリア人(過去の崇拝者、後に破壊)

【能力】

  • 複製…自身の体の一部を授け、その一部がアブホースの落とし子になる。
  • テレパシー…落とし子のみならず人間とも、距離関係なく意思疎通が図れ、距離が近かった者はアブホースに意識を乗っ取られることがある。

【恩恵】

  • 芸術的な脅迫概念…アブホースに影響されるたびに芸術作品を作り出す。
  • 命の操作…アブホースの体の一部を授かると、その一部を使って無機物だろうと命を与え、ホムンクルス化できる。

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