- 「インスマスを覆う影」
- 「狂気の山脈にて」
- 『The Transition of Titus Crow』
- 「無人の家で発見された手記」
- 「戸口にあらわれたもの」
- 「狂気の地底回廊」
- 「地を穿つ魔」
- 「古きものたちの墓」
【住処】
- 深海
- 地下深部
- 古代都市の廃墟
- 南極(特にナスの谷)
- 人間社会(擬態個体)
本報告は、クトゥルフ神話において最も恐るべき存在の一つとされ、無限の可塑性を持つ原形質生物についての調査記録である。
形態的特徴として、直径約5メートル(15フィート)の巨大な黒い原形質の塊であり、水陸両生の能力を持つ。その表面には必要に応じて感覚器官や付属器官を自由に形成し、他の生命体への模倣が可能である。意思疎通のための特殊な器官も形成でき、その際の音声は不気味な笛の音のように聞こえるとされる。万物を捕食し、その本質をも自らの一部とすることができる。
起源は数十億年前に遡り、古のものによって無機物から合成・創造された。その創造にはウボ=サスラの影響が示唆されている。当初は単なる使役獣として、古のものの水中都市建設に従事していた。催眠暗示による教育が可能で、完全な精神支配下にあったとされる。
しかし時の経過と共に変異により知性と意思が発達し、1億5000万年前の二畳紀に主人への反乱を起こした。一時的な成功を収めるも、最終的に古のものにより制圧され、より厳重な管理下で再教育された。この過程で陸上での生存能力を獲得したが、古のものによって抑制されたという。
現在、一部は依然として「知覚力のない」古のものの従者として古代都市の廃墟で眠っているが、より高度な知性を持つ個体は大洋の深海や地下深くに潜んでいる。さらなる進化を遂げた一部は人間への擬態能力を獲得し、社会への潜入を果たしているとされる(「ショゴス・ロード」)。
アブドゥル・アルハザードは地球上からの消滅を主張し、正気を失った者の悪夢の中の存在としているが、南極のナスの谷での目撃例や、深きものによる利用、クトゥルフの墓の守護、カルトによる入会儀式や処刑への使用など、現存を示唆する報告は続いている。
ケネス・グラントはヘブライ語の「beth shaggathai」(姦淫の家)との関連を指摘しており、その存在の「汚らわしさ」が強調されている。
【関連魔導書】
- 『Nightside of Eden』
- 『A Guide to the Cthulhu Cult』
- 『ネクロノミコン』
【相関】
- 古のもの(創造主)
- ウボ=サスラ(創造のインスピレーション)
- 古のもの(元の支配者)
- 深きもの(現在の使役者の一つ)
- 各種カルト(使役者)
- クトゥルフ(墓の守護者という説)
【能力】
- 模倣…人間や他の種族の声や容姿を模倣できる。