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シュブ=ニグラス

シュブ=ニグラス

Shub-Niggurath

外なる神
登場作品
概要
関連/他
  • 「Dreams in the House of Weir」
  • 「Visions from Yaddith」
  • 「The Seed of the Star-God」
  • 「最後の実験」
  • 「The Dark Stairway」
  • 「永劫より」
  • 「Scales of Justice」
  • 「闇に囁くもの」
  • 「暗黒の儀式」
  • 『The Transition of Titus Crow』
  • 他多数

【住処】

  • アザトースの宮廷
  • 惑星ヤディスの地下(ドールと共に)
  • セクレム(別次元)
  • ハラグ=コラースの地下都市(南アラビア)
  • ヴーアミタドレス山の地下(異説)

本報告は、「千匹の仔を孕みし森の黒山羊」として知られ、地球において最も広く崇拝された可能性のある宇宙神の一柱についての調査記録である。

形態的特徴として、主に大きな有毒の雲状の塊として現れ、そこからひづめのある足と絶えず動く巻きひげを伸ばす。稀にマントを着た人の姿を装うこともある。ルドウィク・プリンらの研究者は、この存在の身体構造と人体との間に何らかの類似性があると指摘するが、その具体的意味は不明である。性別については、通常は女性として言及されるが、「千の雌羊を連れた雄羊」という称号も持ち、『クタート・アクアディンゲン』では両性具有とされる。

人類との関係において最も特筆すべき点は、その広範な崇拝の歴史である。チョー=チョー人、ハイパーボリア人、ムー人、ギリシャ人、クレタ人、エジプト人、ドルイド、サルナス人など、地上の多くの文明で崇拝され、さらにユゴスからのもの、ドール、ヤディスのヌグ=ソスなどの地球外存在からも崇拝を受けてきた。9世紀のシチリアではカルトの重要拠点が存在し、エフェソスではアルテミスの仮面の下で秘密の儀式が執り行われた。北欧神話のヘイドやギリシャのヘカテーとしても崇拝され、現在も世界各地で大地母神として慰撫され続けている。

人類はしばしばこの存在をキュベレー、ガイア、パンといった地上の神々と同一視してきた。特にギリシャではキュベレーとの結び付きが強く、後のローマ世界ではマグナ・マーテル(万物の母)として既知世界全域に崇拝が広がった。これらの表層的な崇拝の下で、真の信奉者たちは秘密の内部カルトを形成し、本来の様式での崇拝を維持してきた。

主たる影響力として、生命に対する腐敗と急成長の両面性を持つ。「シュブ=ニグラスのミルク」に触れることで、人間を含む生物に突然変異や無秩序な成長をもたらすとされる。この創造力は宇宙の創造主、特にアザトースの一様相とも考えられているが、その性質は過剰で発展性を欠き、自己消費的である。崇拝者には血の生贄と引き換えに豊作と多産を与えるとされる。

魔術との関連も深く、多くの魔導書に名前が登場し、儀式や呪文でも頻繁に言及される。特に星に焦点を当てた研究を行う魔女たちは、この存在を通じて宇宙の真の秩序の断片的理解を得ようとしているとされる。「魔女の神」という呼び名は、この関係を単純化しすぎているものの、一定の真実を含んでいる。

山羊との結びつきは、その蹄を持つ外見と多産性に由来すると考えられている。新月、特にメイ・イブには、適切に清められた森林の祭壇に招来可能とされる。旧き魔術による拘束を受けているようでいて、同時に望む場所への自由な移動能力も持つという矛盾した性質を示す。

現在の住処については複数の説が存在する。アザトースの宮廷に棲むという説、惑星ヤディスの地下でドールの従者と共に暮らすという説、セクレムと呼ばれる別次元に存在するという説が主要なものである。また、南アラビアの地下洞窟にあるハラグ=コラースの都市で、夫とされるハスターの訪れを待っているという説や、ヴーアミタドレス山の地下に棲むという説もあるが、後者についてはアブホースの記述との混同の可能性が指摘されている。

地球への出現は頻繁で、その痕跡を場所や人々に残し続けている。この存在の影響を受けた場所では、動植物に突然の変異や無秩序で急激な成長が観察される。これは「倒錯した豊穣」と表現され、地球上の生命にとって究極的に有害な異質な創造原理の現れとされる。

崇拝者への見返りとして豊作と多産を与えるとされ、特に魔女や魔術師による集会で重要視されている。独りで魔術を実践する者から組織的なカルトまで、様々な形態の崇拝が存在する。これらの崇拝者たちは、この存在を通じて宇宙における本当の秩序の断片を収集しようと試みているという。

【関連魔導書】

  • 『クタート・アクアディンゲン』
  • 『屍食教典儀』
  • 『魔術師の知恵』
  • 『ネクロノミコン』

【相関】

  • ナグとイェブ(子、ヨグ=ソトースまたはハスターとの間に)
  • イグ(兄弟かつ配偶者)
  • ハスター(配偶者または将来の配偶者という説)
  • クトゥルーの落とし子(クトゥルーとの間の子という説)
  • ドール(従者)
  • ヌグ=ソス(崇拝者)
  • 歴史上の様々な文明の崇拝者
  • 現代の魔術結社・カルト
  • 独立魔術師・魔女

【能力】

  • 体の変形…シュブ=ニグラスの体は一定ではなく、人型から怪物まで様々な姿をとる
  • 従者を創造する…黒い仔山羊やその他の怪物を創造する
  • 母なるミルク…黒いミルクを飲んだ時の効果は無限の可能性を秘めていて、シュブ=ニグラスの子になることもあれば、身体の病気や傷を癒すこともある
  • 招来…招来するには冒涜的な血の儀式を執り行う必要がある
  • ねじれた自然…シュブ=ニグラスが出現した場合、その周りの動物や植物などの生態に影響を及ぼし、変化させることがある

【恩恵】

  • シュブ=ニグラスの子への変化…シュブ=ニグラスに触れられるか、黒いミルクを飲んだ人間はその子となる
  • 変化…身体の一部にシュブ=ニグラスと同じ特徴が現れる
  • 精神交換…黒い仔山羊など、シュブ=ニグラスの創造物に精神を転移させることができる
  • 動物や植物への命令…動物を従えることができ、また植物には瞬時に成長をさせることもできる
  • 増強…一時的に体を強化する呪文を授かる

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